成長する姿も見どころ。5代目バチェラー・長谷川惠一が語る理想の結婚観

取材・文：ミクニシオリ
撮影：大嶋千尋
編集：松岡紘子／マイナビウーマン編集部

1人の男性のパートナーの座を巡って、女性たちが競い合うという斬新な設定。新シーズンが発表されるたび、私たちを熱狂させてくれる恋愛リアリティ番組『バチェラー・ジャパン』に、変革が起きている。

5代目バチェラーに選ばれたのは、バチェラーファンにはおなじみ、男女逆転バチェラー『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン2（以下『バチェロレッテ』）に参加していた、元プロバスケットボール選手の長谷川惠一さん。

「え？　バチェラーになれるのって、リッチな男性なんじゃないの？」

そう感じた人もいるかもしれない。今までのバチェラーは資産家や大手企業役員、経営者など、社会的地位の高い男性ばかりだった。しかし『バチェラー・ジャパン』は、私たちの固定観念丸出しの疑問をバッサリ切ってきた。

今回は、5代目バチェラーに選ばれた長谷川惠一さんのインタビューを通して、彼の「バチェラーらしさ」や、彼ならではの「バチェラー観」を掘り下げていく。

「僕がバチェラー？」不安と驚きの中、参加を決意した理由

――長谷川さんがバチェラーだと知り、バチェラーファンの私も本当にびっくりしました。お話が来た時は、どんなお気持ちでしたか？

嬉しい気持ちとびっくりした気持ち、不安な気持ちなど、色々でした。正直、『バチェロレッテ・ジャパン』に参加した後、恋愛からは離れていたんです。

結婚したい気持ちもあるけれど、仕事をがんばりたい気持ちも大きかったですし、以前より注目していただけることも増えて、気軽には恋愛しづらいと感じている自分もいました。

それに、自分なんかがバチェラーでいいのか、という不安もありました。『バチェロレッテ・ジャパン』の旅では、自分の弱いところと向き合うことができましたが、日常生活に戻ってみると、やはり人に深く踏み込めない、自分のダメな部分が消えたわけではないと実感していました。

それでも、37歳という自分の年齢を考えた時に、結婚と恋愛に向き合うなら、今しかないなと。これは自分にとって貴重な機会だと考え、参加を決意しました。

――『バチェロレッテ・ジャパン』以降、恋愛から離れていたんですね。そこからまさかの「選ぶ側」としてのバチェラーのご参加……旅の中にも、ご苦労があったのではないかと思います。

そうですね。最初はやっぱり人見知りしましたし、旅の中で女性にも「僕を好きになってもらいたい」と思っていたので、コミュニケーションはかなり苦労しました。

『バチェロレッテ・ジャパン』の時は、カクテルパーティーで暇を持て余してしまった僕ですが、今回はもう、完全に手一杯。全員としっかりお話をしなきゃと焦るうちに、頭がパンクして話が入ってこなくなってしまい……シーズンの序盤では、みなさんにとって情けない姿も見せてしまうかもしれません。

――序盤では、ということは……旅の中で、長谷川さんにも変化があるのでしょうか。

そうですね。前回の失敗を活かしたいという気持ちはあったので、とにかく相手には言葉と態度で気持ちを伝えることを意識しました。コミュニケーションを重ねていく中で、自分にも成長を感じましたし、みなさんとの信頼関係ができていく喜びもありました。

旅を通して具体的になった結婚観。女性メンバーに成長のきっかけをもらった

――では、そんな長谷川さんの成長も、一つの見どころですね。恋愛からは離れていたとのことですが、パートナーとなる女性にはどんなことを求めましたか？

これまで、女性に対して自分を強く見せたり、強がったりしてしまう自分の性質で、失敗してきた過去があったので、自身の弱さを見せられる人がいいと考えていました。

しかし前提として、条件はあまり気にしないようにしていました。若い頃は恋愛や女性に対し、色々なことを求めていたのですが、今は求めるものが多いと、自分も相手も疲れてしまうと考えています。フィーリングを大切にしながら、自分が好きになれることだけでなく、人としての相性を大切に考えました。結果的には、自分の結婚観は旅を通して、より明確になったと思います。

――めちゃめちゃ言語化できている……！　『バチェロレッテ・ジャパン』時の長谷川さんには、寡黙で優しい印象があった視聴者も多いと思います。恋愛に対し多くを語られる印象ではなかったので、これだけでも長谷川さんの成長を感じますね。

あはは（笑）。僕の目から見ても、僕を育てるという点において、女性陣が結託していることが伝わってきましたし、そこも一つの見どころになっているのではないかと思います。実際、女性メンバーは旅の中でもかなり仲が良かったです。これまでのバチェラーにあった、女性メンバー同士のピリつきは、少し薄まっているかもしれませんね。

――なんと。『バチェラー・ジャパン』といえば、女性メンバー同士のキャットファイトも恒例イベントではあったと思うのですが……今回は、これまでとは全く違うストーリーが描かれているのでしょうね。

そうですね。自分で見どころを探すのは難しいですが、今まで以上にリアルな結婚観が見えていたのではないかと思います。自分がもうこの年齢なので、お相手が出産をしたいかどうかや、何人子供が欲しいかなど、結婚相手としての現実的なすり合わせも、真剣に行いました。

女性の方からは、僕が考える以上に突っ込んだ質問をされる瞬間もありました。そのたびに、女性たちが結婚に対していかに現実的であるかを実感しましたし、僕が考えていた結婚が、ほとんど抽象的であったことも反省させられました。

徐々に成長していく「バチェラーの顔つき」に注目

――そういった、結婚にまつわる具体的な質問をされることに、抵抗はなかったのでしょうか。

そこは、全くありませんでした。むしろ、先回りして気づいてくれることをありがたいとすら思っていましたね。元々、自分のことをさらけ出すのが得意な人間ではないので、女性にリードしていただくシーンも多かったと思います。そのおかげで成長できた自分がいるので、本当に感謝が尽きません。

――まさに、今回は長谷川さんという1人の男性が「婚活に向き合う旅」だったことが想像できました。女性だけでなく、周りの男性も巻き込んで楽しみたいですね！　最後に、視聴者へのメッセージもお願いします。

今回の柱は、これまでのバチェラーとは全然違うものになっていると思います。僕自身、女性たちから問いかけられる内容に気づかされることが本当に多くありました。

バチェラーとしては頼りなかったかもしれませんが、全力で真実の愛を探した、と言えます。僕が徐々に「バチェラーの顔つき」になっていく姿を、楽しみにしてください。

※この記事は2023年07月28日に公開されたものです