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さまざまな業界での経験を糧にPR業界でリーダーに。GCIヘルス日本代表・山田千登勢さんの素顔

#リーダーの素顔

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経営者やいわゆる「リーダー」って、どうしても私たちとは違う世界の人……と思ってしまいがち。でも、リーダーたちも毎日寝て、起きて、ご飯を食べて……そして仕事をしている普通の人。そんなリーダーの素顔を探るべく、「子どもの頃はどんな子だった?」「毎日どれくらい働いている?」「やっぱりタワマン住みですか?」など、素朴な疑問をぶつけます。

取材・文:ameri
撮影:稲垣佑季
編集:鈴木麻葉/マイナビウーマン編集部

経営者やいわゆる「リーダー」って、どうしても私たちとは違う世界の人……と思ってしまいがち。でも、リーダーたちも毎日寝て、起きて、ご飯を食べて……そして仕事をしている普通の人。

そんなリーダーの素顔を探るべく、今回はGCIヘルス日本代表の山田千登勢さんにインタビュー。現在は明るく快活な印象を受けた山田さんですが、幼少期は引っ込み思案だったのだとか。

そんな引っ込み思案の少女が、世界唯一のヘルスケア業界に特化したPR会社・GCIヘルスの日本代表になるまでの軌跡を伺いました。

山田千登勢さん

2021年1月よりPR エージェンシー、GCI ヘルス・ジャパン日本代表。医薬品業界において23年間のマーケティングならびにコミュニケーションを経験。GCIヘルス入社前は、エデルマン、ウェーバーシャンドウィックのヘルスケアセクターの責任者を歴任。医薬品業界以外に、新卒から約10年間の国内外での旅行業ならびにホテル業の経験を始め、自動車メーカー、金融メーカー等における営業マーケティングの業務も経験。

転校を繰り返した幼少期から学生時代まで

Q.1 幼少期はどんな性格でしたか?

小学4年生くらいまでは本当におとなしい子でした。母親の影に隠れて全然喋らないし、写真に写ってもいつも下を向いている、そんな女の子だったんです。

Q.2 どのようなご家庭で育ちましたか?

両親と4つ上の姉がいて、京都で生まれました。姉が積極的な性格だったこともあり、それに押されて控えめな性格だったのかもしれません。おとなしいせいでいじめられて、毎日泣いていた幼少期でしたね。

そして、父親が国家公務員で転勤族だったので、小さい頃から高校生まで、2〜3年周期でいろいろなところへ転勤を繰り返す生活をしていました。

Q.3 おとなしめの性格だと、新しい環境に飛び込むのは大変だったのではないですか?

そうなんです。転校が多かったことがきっかけで、人を見て「この子にくっついておけば無事だろうな」と見極める、ずるい子になってしまいました。

ところが、転校の頻度が増えてきた小学5年生から急に元気いっぱいになって。よく喋る・よく笑う・友達もたくさん作れる子になったので、今度はそれが目立ってしまい、逆にいじめられ……。高校卒業までは本当にキツかったですね。

Q.4 転校はどれくらいの頻度で?

小学校で3回、中学校では2回、高校では3回転校を経験しました。高校時代は毎年違う高校に行っていたので、友だちを作る以前に、その環境に慣れてみんなと仲良くすることが自分にとって優先度が高くなっていましたね。

でも、実際は仲良くする余裕もなかったですし、逆に仲良くなると今度はお別れがとても悲しくなってしまうから、自分の中でセーブして生活していたように思います。

Q.5 学生時代にバイトはしていましたか?

大学時代は、外国人観光客へ国内旅行ツアーを提供する旅行会社で、通訳ガイドの方のアシスタントをするアルバイトをしていました。

というのも高校2年生の時に、アメリカから来た交換留学生の子が、うちで3カ月ホームステイしていたんです。若くて英語の吸収が早かったこともあり、3カ月間彼女とずっと一緒に過ごしたことで、大学入学時すでにかなり英語が話せるようになっていました。という背景もあり、英語を使えるアルバイトを探して、そこにたどり着きました。

当時は今よりかなり円安の時代。アメリカやヨーロッパからたくさんの方が日本に旅行に来ていました。毎朝都内のホテルに迎えにいき、話をしながら目的地へ連れて行ったり、空港まで迎えに行き、今で言うコンシェルジュのようにホテルでチェックインをはじめ、滞在中の質問に答え手配までしたりと、そういう役割を担っていました。

いろいろな国の方と話をすることで耳がどんどん慣れていきましたし、とても楽しく有意義な経験をさせてもらったと思っています。

Q.6 大学時代はどのようなことを学んでいましたか?

私の時代は4年制の大学に進む女性が本当に少なかったんです。ですが、うちは両親が「4年生の大学に行け」と最初から言っていたんですね。

そして、高校生の時にアメリカへ留学をしていた姉が「大学に入るのであれば、そして仕事をしたいのであれば、経済学部が法学部に入るべき」と言っていて……。私はその言葉を頑なに信じて経済学部の商学科に進学し、マーケティングや経営を学んでいました。

Q.7 留学は経験されましたか?

いえ、留学は経験していません。ですが、やはり私にとって高校時代の交換留学生との交流、そして大学時代のアルバイトを経験できたことが英語の面でとてもラッキーだったと思います。

さらにラッキーだったのが、大学卒業後の最初の仕事がハワイだったこと。そこで英語力をより向上させることができました。

旅行業やホテル、さまざまな業界で経験重ね、医薬品業界へ

Q.8 これまでどのようなキャリアを歩んできたのでしょうか?

卒業後すぐのハワイでの仕事は旅行業でした。大学生の時にアルバイトをしていた旅行会社から紹介され、「行く!」と即答。約4年間ハワイに滞在し、仕事をしていました。

そして日本に戻ってからは、スイス航空が直経営しているホテルチェーンの日本法人で営業マーケティングを担当。ですが、湾岸戦争の影響でいろいろな業界がダメになってしまい、私の働くホテル業界もお手上げに。突然日本のオフィスをクローズすることが決まったんです。

ただ、日本のお客様をスイスに送るツアーを多く企画していたので、「自分のお客様をスイスで受け止めて、改善点のレポートを作ってくれるならスイスに来ていいよ」と本社から言われ、スイスのチューリッヒで1年間働くことになりました。

Q.9 日本に帰国してからは転職をされたんですか?

帰国後は、スイスにいた経歴を買われ、パリに本社を持つ老舗高級ホテルチェーンにヘッドハントされて、営業マーケティングの担当として移りました。ただ、日本支社の人間関係が良くなく退職。

それまではラッキーの連続でしたが、ここからはかなり苦労したんですよね。というのも、湾岸戦争でホテルの統合が進み、さらに当時最高峰のホテルチェーンで働いてしまったこともあり、ホテル業界では道が絶たれているなと。なので、30歳半ばから40歳くらいまでは業界を変えて転職をしていたのですが、なかなかそれまでのように打ち込める仕事にめぐり逢えず……。ただ、一貫して外資系であること、また営業マーケティングの職種を固持していました。

そして、40歳になった時に、今も働いている医薬品業界の道に入りました。

Q.10 医薬品業界でリーダー職を目指したきっかけを教えてください。

医薬品業界は理系の人が主流の業界なので、この業界ではリーダーになれるとは考えていませんでした。

私の担当は、コーポレート・マーケティングとコミュニケーション部門の責任者でした。製薬業界だけを経験してきた人たちが多い中で、違う業界でマーケティングと企画営業を経験し、いろいろな引き出しを持つ人間は珍しかった。その引き出しを開けて試したプランニングが妙にハマったんですよね。

最初は反感もありましたが、成果を出していくうちに異色の経歴を持つ私を面白がってくれて。医薬品業界のイロハをドクターや研究開発の人が丁寧に教えてくださり、多くの知識を得ることができました。

初めは馴染めなかったのですが、数年経ってからは人の命にかかわる貴重な仕事と思えるようになりました。また、医薬品業界はこのぐらいからイノベーションが常に起こり始め、それを知ることも大きなモチベーションに。

働いていると、上手くいかない時は「どうして自分ばっかり上手くいかないんだろう」と思ったり、やりたくないことをやらされたりすることってありますよね。

でも、その経験がいざという時の引き出しになるんです。無駄だと思うことも、嫌だと思うことも、真面目にきちんとこなしているといつか花開くことがあるのだなと、自分の経験から感じました。

Q.11 代表に就任してから一番うれしかったことは何ですか?

GCIヘルスは、経営陣の99%が女性という特徴のあるPRエージェンシーなんです。

アメリカのCEOもAPACのプレジデントも、私のような各国のカントリーマネージャーもほぼ女性。政治的な駆け引きが一切なく、お互いに助け合いの気持ちが強い環境がとてもやりやすく、心地よいです。

これまでいろいろ経験してきましたが、これほど自分を受け入れ、リスペクトしてくれて、サポートしてくれる環境に出会えたのは初めて。本当にとても良い環境に来られたのだなと感じられたことが一番うれしかったです。

平日は休憩を取りつつ、朝から夜まで仕事

Q.12 毎日のタイムスケジュールを教えてください。

朝8時ごろから、グローバルから来たメールを見始め、12時くらいまでメールのチェックをしています。現在はほぼワークフロムホームの働き方をしているのですが、必ず12時から13時までに昼食を取るようにし、そこで少し仮眠を取ることもあります。

そして、13時半、14時くらいから18時ごろまでミーティングをこなし、一旦終了。その後、グローバルのミーティングが20時だったり22時だったりにセットされていることがあるので、そこまで休憩してからミーティングに参加しています。平日の仕事をしている時間は長めですね。

Q.13 毎日のお仕事で何をしている時間が一番長いですか?

新規ビジネス開拓やPRコンサルに関するミーティング、ドキュメンテーションが長いです。ミーティングは、多い時は1日に5〜6回参加することもあります。

そして、PRは書くことも多いですね。小学生の頃は作家を目指していたこともあるくらい書くことがかなり好きなので、そこは楽しんで仕事をしています。ナラティブやスピーキングポイント、プレスリリースなどのコンテンツ作成や企画書作成などの、集中して書く時間も仕事の中の大きな割合を占めています。

“推し活”でリフレッシュ。目標は「生涯現役」

Q.14 お休みの日は何をされていますか? そもそも休みの日はありますか?

はい。オンオフの切り替えはハッキリしている方だと思います。

以前は、遊びに行きつつも携帯をチェックして仕事をして……ということをしていたのですが、最近はもうやらないことにしているんです。日曜日の10時〜14時に掃除に来てもらっているので、その間だけは仕事をして、それ以外は全部リフレッシュに充てています。

リフレッシュは、エステや美容院、整体など自分メンテナンス。そして、“追っかけ”をやっているので、推しの彼が出るライブはもれなく、くまなく行っています!

推しの彼は、天才でありながら努力家。同年代ですが、ずっとかっこいいし、なによりも進化し続けているんです。彼を見ていると私も進化していかないと、と思えますし、パワーをもらって「明日からも頑張ろう」という気持ちになれるので、ライブに行き続けています。

そして、リーダーという立場として、私も会社のみんなにパワーをあげなければいけないなとも思っているんです。体の調子や気分が悪くても、多忙な日々が続いても、常に笑っていたいなと。「千登勢が笑っているから自分たちも笑おう、頑張ろう」となってくれたらいいなと思っているので、私は大体いつも元気と明るさの塊みたいに笑っています(笑)。

Q.15 何歳まで仕事をしたいですか?

人生100年時代で、まだまだ元気であれば働ける時代。ですから、生涯現役でいたいと思っています。そのためには、新しいものを生み出していく必要があるかなと。今はそれを模索中です。

Q.16 将来の夢はありますか?

書くことがとても好きなので、もしかすると作家のようなことに挑戦するかもしれないし、それこそ、自分の経歴の引き出しを開けて講演会をするかもしれません。まだ分からないけれど、チャレンジしていきたいなと思っています。

また、2023年現在、日本でビジネスを初めて3年目となるGCIヘルスですが、よりビジネスを大きく展開していき、才能のある方にたくさん入ってもらうことを第一の目標として掲げています。

目標を達成できたから引退ではなく、さらに次の目標を掲げ、新しいことに挑戦し続けていきたいですね。そんな人生を死ぬまで送っていけたらいいなと思っています。

 

Information

GCIヘルス

刻々と変化するヘルスケア環境のもと、常に新しい発想をもって挑み続ける世界唯一のヘルスケア業界に特化した統合型グローバル・コミュニケーション・エージェンシー。日本を含め、経営幹部の9割以上が女性。働く女性を応援しています。

本社をニューヨークに置き、世界中に展開をしており、日本では2021年に設立し、今年で3年目。APACリージョンで、ベストヘルスケアPRコンサルタントエージェンシーを含む数多くの賞を受賞。

https://gcihealth.com/our-locations/japan/

※この記事は2023年06月16日に公開されたものです

ameri

2016年より執筆をはじめ、主に美容・恋愛・ウエディングについて書いています。美容とコーヒーとチョコレートをこよなく愛するフリーライター。コスメと触れ合うこと、旅行、カフェ巡りが趣味です。百貨店のコスメフロアによく出没する特徴あり。

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