お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

「養生してください」の意味とは? 正しい使い方と注意点、言い換え表現(例文つき)

にほんご倶楽部

「養生してください」とは、体調を崩している人のことを気遣う表現です。ビジネスシーンや目上の人に対して使う場合、敬語として問題ないのでしょうか? この記事では「養生してください」の意味と正しい使い方、言い換え表現について例文を用いて紹介します。

「養生してください」という表現は、病気やケガをした人を労わる時に使う言葉。具体的には、どんな使い方をするのが正しいのでしょうか?

この記事では、「養生してください」の意味や使い方について例文とあわせて紹介します。また、使い方の注意点と言い換え表現も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

「養生してください」の意味

「養生」は「ようじょう」と読み、辞書では以下のように説明されています。

よう‐じょう〔ヤウジヤウ〕【養生】 の解説
[名](スル)

1 生活に留意して健康の増進を図ること。摂生 (せっせい) 。「酒やタバコをひかえ、つね日頃から―している」

2 病気の回復につとめること。保養。「転地して―する」

3 打ち込んだコンクリートやモルタルが十分に硬化するように、低温・乾燥・衝撃などから保護する作業。

4 家具の運搬や塗装作業などの際に、運搬物や周囲の汚損を防ぐために布や板などで保護すること。「―シート」

(『デジタル大辞泉』小学館)

「養生してください」と使う場合は、2の意味が当てはまります。つまり、「お大事にしてください」と相手を思いやる表現です。

相手の体調を労わる気持ちと共に「こちらのことは気にせず、回復に専念してくださいね」という気遣いも伝えられます。

「養生してください」の使い方と例文

「養生してください」は体調が悪い相手を労わる時、口語でもメールなどの文書でも使うことができます。

例えば、同僚から体調不良で休むと連絡があった時は「養生してくださいね」と一言付け加えることで、相手の体調を思いやる気持ちが伝えられるでしょう。

また「養生してください」は、目上の人にも使える正しい敬語です。ただし「~ください」という補助動詞は相手の行動を促すような表現であることから、やや強い印象を与えてしまう可能性もあります。

目上の人に使う場合は「ご養生ください」「養生してくださいませ」など、少し表現を変えるとより丁寧です。

手紙やメールで伝える場合は、相手に返信の手間を与えない配慮も大切。「ご返信はお気遣いのないようお願いいたします」など一言添えると親切でしょう。

例文

・本日お休みの旨、承知いたしました。こちらのことは心配なさらず、ゆっくり養生してください。

・退院おめでとうございます。どうぞしばらくはご自宅で十分にご養生ください。なお、ご返信はお気遣いなくお願いいたします。

「養生してください」を使う時の注意点

「養生してください」の「ください」は、漢字ではなく平仮名で表記しましょう。

この場合の「~ください」は補助動詞であり、相手の行動を促したりお願いしたりする意味を持ちます。

「~下さい」と漢字で表記する場合は、「くれ」を意味する実質動詞で用いるのが一般的。表記の使い分けを理解しておくとスマートです。

「養生してください」の言い換え表現

「養生してください」は、他の表現にも言い換えができます。相手や状況に応じて使い分けましょう。

(1)「お大事になさってください」

「養生してください」よりもさまざまなシーンで使いやすいのが「お大事になさってください」という言い回し。

「(体を)労わってください」というニュアンスを伝えることができます。

聞きなじみのある言い回しですが、尊敬語を用いた表現なので、目上の人に対しても使える便利な表現です。

(2)「ご自愛ください」

「ご自愛ください」は「お体を大切にしてください」という意味の表現です。

「養生してください」と異なるのは、病気やケガをしていない相手にも使えるという点。例えば「近頃は朝晩の冷え込みが厳しくなってまいりました。体調を崩されませんよう、どうぞご自愛くださいませ」などと使うことができます。

なお、「自愛」という言葉が「体を大切にすること」の意味であるため、「お体をご自愛ください」は誤用です。注意しましょう。

「養生してください」は相手の体調を気遣う言葉

「養生してください」とは、体調不良の相手を労わる時に使える表現です。

相手やシーンに合わせて表現をアレンジしたり、言い換え表現を用いたりして、ぜひスマートに使いこなしてくださいね。

(にほんご倶楽部)

※画像はイメージです

※この記事は2023年06月12日に公開されたものです

にほんご倶楽部 (敬語・ビジネス用語専門編集プロダクション)

いつも使っているけれど間違った認識も多い「敬語」や「ビジネス用語」。人にはなかなか聞けない常識から応用編まで、日本語に関する情報を発信。

この著者の記事一覧 

SHARE