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「再三にわたり」の意味とは? 使い方や例文・言い換え表現を解説

にほんご倶楽部

「再三にわたり」は、一定期間の間に2回、3回と続けて起きる様子を表した言葉です。ネガティブな内容を伝えるときに用いることが多いフレーズなので、使う際には注意が必要。今回は「再三にわたり」の意味や使い方、注意点について例文を交えつつ紹介します。

「再三にわたり」は、一定期間の間に2回、3回と続けて起きる様子を表した言葉です。

「再三にわたりお願いしておりますが」といった、相手に同じお願い事をしている状況のときや、自分が同じミスを繰り返したときなど、ネガティブな内容を伝える際に使うことが多いフレーズです。

デリケートな言葉だからこそ、「再三にわたり」を使うときには十分に注意が必要です。

しっかりと意味を理解した上で、相手を気遣った表現を心がけましょう。この記事では「再三にわたり」の意味や使い方、注意点を紹介します。

「再三にわたり」の意味とは?

「再三にわたり」とは、一定期間のうちに何度も同じことを繰り返すという意味を持っています。

再三に渡り
物事が幾度となく起こることなどを意味する表現。
(『実用日本語表現辞典』)

このように「再三にわたり」は、何度もお願いをする場面や、短期間で同じ結果を繰り返している様子を表すときに用いられます。「たびたび」と似た意味を持っており、丁寧な表現として使われています。

「再三にわたり」はビジネスフレーズとして使える?

「再三にわたり」はビジネスフレーズとしてよく使われています。

しかし、「再三にわたりお願いをしていますが」といった、相手に同じことを何度もお願いするときや催促する場面など、ネガティブなシーンで使うことが多いです。

それゆえ、相手によっては「再三にわたり」というフレーズ自体に抵抗がある人もおり、使うときは慎重になる必要があります。

「再三にわたり」の使い方(例文付き)

「再三にわたり」は、こちらから謝罪する場合や相手に対して特定の物事を催促するときなどに使います。

例えば、何度もお願いしている事柄について、催促してもまだ実行してもらっていない場合、「同じことをお願いするのは恐縮だ」という姿勢を示しつつも、相手に早くしてほしいというニュアンスを伝えるために使います。

また、「再三にわたり乗り越えてきた」など、ポジティブな意味合いでも使うこともあります。

例文

・発表会のために再三練習を重ねました。

再三のご連絡で恐縮ですが、請求書をお送りいただきますようお願い申し上げます。

再三のご連絡ですが、○○の件についてお願いしたく、折り入って参りました。

「再三にわたり」を使うときには、相手にとってネガティブな印象になりすぎないように、丁寧な言葉づかいを心がけましょう。

特にビジネスシーンでは、期限を守らないなど相手に非がある場合でも、しっかりと敬語を使って相手を気遣う表現が求められます。

「再三にわたり」はマイナスなお願い事のときに使うフレーズのイメージが強いため、お願いをするときは「恐縮ですが」や「申し訳ありませんが」などを文頭に付けましょう。

ほかにも、「短期間で同じことを繰り返した」という意味を丁寧に表した言葉としても「再三にわたり」を使うことがあります。

「再三にわたり」を使う際の注意点

「再三にわたり」を使う際には、事前にきちんと意味を理解した上でビジネスシーンに役立てることが大切です。特に使う相手によっては失礼にあたる可能性もあるため、十分に注意しましょう。

ここでは「再三にわたり」を使うにあたって、知っておきたい3つのポイントを紹介します。

(1)目上の人には使わない

「再三にわたり」は、相手に催促するときや相手が行動をしてくれないことに対して意見を求めるときに用いられる場合が多いです。

どうしてもネガティブなイメージがある言葉のため、上司や取引先などの目上の人には基本的に使わないよう気をつけましょう。

例えば、相手が支払期日を守らないなど、こちらにとって大きな不利益になってしまうような場面など、相手にしっかりと意見したいときなどには用いてもいいでしょう。

上司などに前回お願いしたことを再び催促するときは、「前回お願いした件ですが」という程度に留めましょう。

(2)高圧的な言い方にならないよう気を付ける

「再三にわたり」は「再三にわたりお願いしておりますが」や「再三にわたってご連絡していますが」など、相手に何らかの行動を催促する場面で使うことが多いです。

ただ「再三お願いしていますが」といった使い方ではなく、「お忙しいところ恐縮ですが、再三にわたりお願いしております○○の資料について、送付いただけますと幸いです」など、丁寧な言い回しを心がけましょう。

「してください」ではなく「していただけますと幸いです」や「ご検討お願い申し上げます」など、相手に決定権をゆだねるような表現だと、さらにマイルドなお願いの表現ができます。

(3)数カ月など期間が空いている事柄には使わない

「再三にわたり」は一定期間のうちに何度もお願い事をしたときなど、短期間で同じことを繰り返すときに使うフレーズです。

そのため、同じお願いでも数か月の期間が経過している事柄にはふさわしい言い方ではありません。

具体的には、1週間前にお願いしたことを再び相手に伝えたいときなど、相手も記憶に残っているうちに再び伝える状況で使いましょう。

「再三にわたり」の類語・言い換え表現

「再三にわたり」は、「短期間で繰り返す」という意味を持った言葉です。ネガティブなイメージがあるフレーズのため、状況によっては似た意味を持った別の言い換え表現を取り入れていきましょう。

ここでは「再三にわたり」の類語について紹介します。

「度々」

「度々」は、相手に何度もお願い事をするときや、こちらの同じ行動について説明するときに使う言葉です。

「度々」は「度重なる」と同じ意味を持っており、例えば同じミスを繰り返してしまったときや同じ内容をお願いするときなどに使います。

「再三にわたり」よりもややカジュアルで、なじみのあるフレーズです。ネガティブなお願い事だけでなく、ポジティブな内容でもよく使うため、しっかりとマスターしておきましょう。

「重ね重ね」

「重ね重ね」は「重ね重ね御礼申し上げます」など、複数の似たような事柄をまとめたいときに使う言葉です。

ほかにも、ミスが続いたときに「申し訳ありません」だけでなく、ミスが重なった状態でますます迷惑をかけてしまったことに謝罪する姿勢として「重ね重ねお詫びいたします」と使うことがあります。

「一度ならず」

「一度ならず」は、一回だけでなく何回もお願いをしたときや、ミスを繰り返したときに「一度ならず二度までもこのような結果になり申し訳ございません」といった使い方ができます。

「再三にわたり」が「複数回」を意味する言葉だとすると、「一度ならず」は1回に終わらずに2回目がある、それ以上の回数を繰り返したといった状況で使います。

「再三にわたり」は同じ事柄を伝えたいときに使えるフレーズ

「再三にわたり」は、ビジネスシーンでは主にお願い事をするときに使います。相手に催促する場面でも使うことが多く、失礼にあたらないように言い方などに工夫が必要です。

シーンによっては別の言い換え表現を取り入れていき、ビジネスフレーズとして役立てていきましょう。

(にほんご倶楽部)

※画像はイメージです

※この記事は2023年06月06日に公開されたものです

にほんご倶楽部 (敬語・ビジネス用語専門編集プロダクション)

いつも使っているけれど間違った認識も多い「敬語」や「ビジネス用語」。人にはなかなか聞けない常識から応用編まで、日本語に関する情報を発信。

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