「気持ちばかりですが」の意味は? シーンに応じた使い方と例文
贈り物やお礼の品を送るシーンなどで使われる「気持ちばかりですが」というフレーズ。意味や使い方を正しく理解できていますか? 今回は「気持ちばかりですが」の意味、シーン別の使い方や例文、言い換え表現を紹介します。
「気持ちばかりですが」は、贈り物やお礼の品を送るときに使用される言葉です。日常生活からビジネスシーンまで幅広く使われる言葉であるため、ぜひ正しい使い方を覚えて活用しましょう。
この記事では、「気持ちばかりですが」の意味や使い方、使う時の注意点からシーンに応じた言い換え表現を詳しく解説していきます。
「気持ちばかりですが」の意味とは
「気持ちばかりですが」という言葉には、「ほんの気持ちばかりのものですが」や「気持ち程度のささいな品ですが」という謙遜の意味があり、相手に贈り物やお礼の品を渡す際に添えられる言葉です。
「粗品ですが」や「つまらないものですが」と同様に、贈り物を渡すときによく使われるフレーズなので、ぜひビジネスパーソンとして覚えておきたい言葉です。
シーン別「気持ちばかりですが」の使い方と例文
「気持ちばかりですが」は、贈り物やお礼の品、慶弔金を渡すときなどに添えられる言葉です。「たいしたものではないので、お気遣いなく」という配慮の意味合いも込められています。
配慮を表す言葉でもあるので、目上の人や取引先に贈り物をする際の表現として最適でしょう。
(1)贈り物やお土産の品を渡すとき
「気持ちばかりですが」は、相手へ贈り物やお土産の品を渡すときに使われます。あえて謙遜の言葉を添えて渡すことで、「受け取る相手が遠慮することのないように」という配慮の気持ちが込められています。
例文
・休暇中は大変お世話になりました。気持ちばかりですが、旅先のお土産です。どうぞ皆さんで召し上がってください。
・こちらほんの気持ちばかりですが、お菓子をお持ちしました。よければ社内の皆さまで召し上がってください。
(2)お礼の品を渡すとき
「気持ちばかりですが」は、お礼の品を贈る際にも使われます。ただ「お礼の品です」と渡すだけでは、相手が「わざわざ申し訳ない」と遠慮してしまうかもしれません。
そこで「気持ちばかりですが」と一言付け加えることで、「どうぞ遠慮せずに受け取ってくださいね」という気持ちが伝わりやすくなります。
例文
・先日は会食にお招きいただきありがとうございました。気持ちばかりですが、お礼の品をお受け取りください。
・先日はすてきなお土産を頂きありがとうございました。こちら気持ちばかりですが、よければお納めください。
(3)お祝い金や弔慰金などを渡すとき
「気持ちばかりですが」は、慶弔金や車代などを渡す場面でも使われます。
品物を渡すときと違って、現金を渡すときは「お祝い金です」と明確に言及することはありません。「気持ちばかりですが」とあえて表現を濁すことで、相手が受け取りやすいように配慮をしましょう。
例文
・ご結婚おめでとうございます。こちら気持ちばかりですが、お納めくださいませ。
・今日は遠いところわざわざお越しいただきありがとうございました。こちら気持ちばかりですが、どうぞお受け取りください。
「気持ちばかりですが」を使うときの注意点
「気持ちばかりですが」は、贈り物を渡す際に使われる言葉ですが、使い方によっては相手への配慮が伝わらない場合もあります。ここからは、「気持ちばかりですが」を使うときの注意点について解説していきましょう。
(1)高価な贈り物に対しては使わない
「気持ちばかりですが」は日常でのささやかな贈り物やお礼に対して使われるため、高価な贈り物や高額のお祝い金などを渡す場合には適していません。
「気持ちばかりですが」は、受け取った相手に気を遣わせない目的で用いられますが、高価な贈り物に対して使うとかえって相手が恐縮してしまう可能性があります。この場合は無理に謙遜して渡すのではなく、「お祝いの品ですので、良ければお受け取りください」といって渡すのがよいでしょう。
(2)相手からの贈り物には使わない
「気持ちばかりですが」には謙遜の意味が含まれているため、自分からの贈り物に対して使用し、相手から頂いたものに対しては使いません。
誤「○○さんからのお気持ちの品、ありがたく頂戴いたします」
正「○○さんからのお祝いの品、ありがたく頂戴いたします」
このように自分が受け取った贈り物に対して使うと、相手を見下した言い方となってしまいます。贈り物を「気持ち」と表現するのは、自分から贈る場合だけだと覚えておきましょう。
(3)一言付け加える
「気持ちばかりですが」を使うときは、もう一言付け加えるとより丁寧な表現となります。例えば、次のような言葉を用いるとよいでしょう。
・お納めください
・よければお受け取りください
・ご笑味ください
・ご笑納ください
「気持ちばかりですが」に加えてこれらの一言を付け加えるだけで、さらに相手へ配慮した言い方となります。
「気持ちばかりですが」の言い換え表現
「気持ちばかりですが」は、他の言葉にも言い換えができます。「気持ちばかりですが」はややカジュアルな表現であることから、使う場面や相手に応じて適切に使い分けましょう。
「心ばかりですが」
「心ばかりですが」は「気持ちばかりですが」と同じ謙遜の意味があり、より丁寧な言い方となります。上司や取引先、顧客など目上の立場の人に使う場合は、「心ばかりですが」を用いる方がよいでしょう。
例文
・開店祝いに際して、心ばかりですがお花をお贈りさせていただきました。よければお受け取りください。
・心ばかりですが、会食の席を用意させていただきました。ご都合がよろしければ、どうぞお気軽にご参加ください。
「つまらないものですが」
贈り物を渡す際は「気持ちばかりですが」の他に、「つまらないものですが」もよく使われます。この言葉にも、「あなたにとってはつまらないものかもしれませんが」という謙遜の意味が込められています。
例文
・こちらつまらないものですが、どうぞご笑納くださいませ。
・隣に引っ越してまいりました○○と申します。こちらつまらないものですが、お近づきの印にお受け取りください。
「お口に合うか分かりませんが」
食べ物を贈る場合は、「お口に合うか分かりませんが」へと言い換えができます。また、一緒に「よければ召し上がってください」や「ご笑味ください」といった一言を添えると、より丁寧な表現となります。
例文
・お口に合うか分かりませんが、よければ皆さまでご笑味くださいませ。
・お口に合うか分かりませんが、こちらの地域の銘菓をお送りします。ご家族の皆さまで召し上がってください。
「気持ちばかりですが」は贈り物やお礼の品を渡すときに使える言葉
「気持ちばかりですが」は、贈り物やお礼の品を渡すときに使われる言葉です。「ほんの気持ちですが」や「たいしたものではありませんが」という謙遜の気持ちが込められており、「粗品ですが」や「つまらないものですが」と同様の目的で使用されます。
「遠慮せずに受け取ってくださいね」という相手への配慮も伝えられる言葉であるため、ぜひ使い方を覚えて活用しましょう。
(にほんご倶楽部)
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※この記事は2023年06月02日に公開されたものです