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「掲題の件」の意味は? 標題・表題との違いやビジネスメールでの使い方【例文】

にほんご倶楽部

ビジネスメールの件名で見かける「掲題の件」。今回はその意味や使い方、「標題」「表題」との違いについて解説します。

「掲題の件」とは、ビジネスメールでタイトルなどに使うフレーズです。「掲げられた題」を意味する言葉で、件名のことについて本文で詳しく説明するときにもよく使われています。

この記事では「掲題の件」の意味や使い方、注意点も説明しているため、ぜひ参考にしてみてください。

「掲題の件」の意味とは?

「掲題」とは、「題として掲げた件」のこと。件名に書いたことや、最初の方に触れたことなど、そのメールでのメインになる事柄のことを意味しています。

掲題の件(けいだいのけん)
題目として掲げた案件。文書のタイトルや電子メールの件名に記した事柄に言及する際などに用いる。
(『実用日本語表現辞典』)

特にビジネスメールでは「掲題の件について」といったタイトルでメールをすることが多く、件名に具体的な事柄を記載しなくても相手に伝わる用事や事柄について使います。

「掲題の件」はビジネスフレーズとして使える?

「掲題の件」は、主にビジネスフレーズとして使われます。対面で使うよりも、ビジネスメールの件名に使うことが多いです。

「掲題の件」と表すことで説明を省けるため、文章を短くすっきりとした内容にできます。

ただし、「掲題」は近年使われるようになったフレーズで、まだ『広辞苑』にも記載されていない言葉です。そのため、公用文や正式なビジネス文書では用いない方が無難でしょう。

「掲題の件」の使い方(例文付き)

「掲題の件」はビジネスメールや書類でのメインとなる話題に使うフレーズです。複数のテーマを取り扱っている書類やメールに使ってしまうと、相手に意味が伝わりづらくなるため注意しましょう。

また「掲題の件」を使うことで件名や本文を短くできますが、述べられる内容について事前に把握していない人には理解してもらえない可能性があります。特に不特定多数に向けた書類やメールでは「掲題の件」だと分かりづらくなってしまうため、使い場面や相手には注意しましょう。

例文

掲題の件は主に文章で使います。そのため、話し言葉よりも丁寧な敬語表現を心がけましょう。

「掲題の件について」よりも「掲題の件につきまして」など、細部も丁寧な表現を取り入れることで、取引先など目上の人にも使える表現になります。

次のように掲題の件を使った例文をもとに、ビジネスメールや文書で活用していきましょう。

例文

掲題の件につきまして、○月○日の○時から打合せをお願いできますでしょうか。

・このたびは掲題の件についてお伺いしたく、ご連絡いたしました。

掲題の件につきまして、不明点などございませんか?

「掲題の件」を使う時の注意点

「掲題の件」をビジネスシーンで使うときには、使う場面や相手に合わせて表現を変えたり、別の言い方にしたりと工夫が必要です。

ビジネスシーンではよく使うフレーズではあるものの、実生活ではあまりなじみのない表現です。「掲題の件」にこだわらず、「○○につきまして」といった説明文を使った方が相手に伝わりやすいこともあります。

「掲題の件」を用いる場合は、次の注意点に気をつけましょう。

(1)正式な・重要な場面では「標題」「表題」を使う

「掲題の件」は近年の電子メール普及に伴って使われるようになったフレーズとされ、『広辞苑』にもまだ記載がない言葉です。そのため、メールで「掲題の件」と使うと、受け取り手のなかには違和感を覚える人もいるかもしれません。

「タイトル」を表す他の表現として「標題・表題」という言葉があります。これらは政府の公用文でも使用されている言葉なので、正式なビジネス文書や公用文では「掲題」ではなく「標題・表題」を用いるようにしましょう。

(2)メールでのみ使う

「掲題の件」は主にビジネスメールで使うフレーズです。実際に相手と対面しているときや電話口では「掲題の件につきまして」と使う機会はほとんどありません。

なぜなら「掲題」とは掲げた題名のことであり、ビジネスメールにおいて件名に掲げた内容について説明するときに使う言葉だからです。会話しているときには件名が存在しないため、ビジネスメールなどタイトルがある連絡手段で使いましょう。

(3)複数の内容を含むメールには使わない

「掲題の件」とは、ビジネスメールの件名や本文で触れたテーマを表す言葉です。「掲げている題名」と意味している通り、メールの中でも掲げるようなメインとなる内容に対して使います。

そのため「掲題の件について」という件名のメールを送るときには、極力その掲題のみを説明する内容に留めましょう。

それか「掲題の件とは別にご相談したいことがございます」など、これから説明することは掲題のものとは関係ないことをきちんと触れたうえで、別の用件を添えるといった分かりやすい文章構成が求められます。

「掲題の件」は書類やメールのメインテーマを意味するフレーズ

「掲題の件」はビジネスメールや書類でよく使うフレーズです。「掲題」は「掲げた題」を意味しており、特に中心的なテーマのことについて触れるときに使います。

話し言葉で使う機会は少なく、文章で使われる機会が多いため、前後の敬語表現も丁寧な言い回しを心がけていきましょう。

(にほんご倶楽部)

※画像はイメージです

※この記事は2023年06月02日に公開されたものです

にほんご倶楽部 (敬語・ビジネス用語専門編集プロダクション)

いつも使っているけれど間違った認識も多い「敬語」や「ビジネス用語」。人にはなかなか聞けない常識から応用編まで、日本語に関する情報を発信。

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