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「お騒がせしました」の意味。ビジネスシーンで使うのは適切? 使い方と例文を紹介

にほんご倶楽部

謝罪会見などで耳にする「お騒がせしました」という言葉。ビジネスシーンで使うのは正しいのでしょうか? 意味や正しい使い方、例文を紹介します。

よく謝罪会見などで耳にする「この度はお騒がせしました」という言葉。それにより謝るときの言葉というイメージをもち、ビジネスシーンでミスをした際に使っている人も多いのではないでしょうか。

実は、謝罪会見で使用しているからといって、そのままビジネスシーンでの謝罪の言葉として使用できるわけではないのです。使えるかどうかは、謝罪の内容で変わってきます。

この記事では、「お騒がせしました」の正しい意味や使い方、言い換え表現などについて解説します。

「お騒がせしました」の意味

「お騒がせしました」を正しく使うためにもまずは「お騒がせ」の意味を紹介していきます。

お騒がせ
読み方:おさわがせ
人を心配させたり、動揺させたりすること。騒動を起こした際に「どうも、お騒がせしました」などのように相手に詫びる表現として用いられる。「ご迷惑お掛けしました」と言い換えられることもある。

出典:『実用日本語表現辞典』

この言葉のポイントは「お騒がせ」という言葉をどのようにとらえるかで意味が変わってくることです。

もう少し意味を深く知るために「騒ぐ」の意味も確認してみましょう。

さわ・ぐ【騒ぐ】読み方:さわぐ [動ガ五(四)]《上代は「さわく」》
1(ア)やかましい声や音を立てる。「子供が—・ぐ」(イ)ざわざわと音を立てる。「白波が—・ぐ」
2 多くの人が一緒になって反対したり、要求・不平を訴えて叫んだりして、不穏な事態が起きる。騒動になる。「判定をめぐって観衆が—・ぐ」
3 酒宴などでにぎやかに遊ぶ。「芸者をあげて—・ぐ」
4 落ち着きを失って冷静さに欠けた言動をみせる。あわてる。うろたえる。「今さら—・いでもどうしようもない」
5 不安や驚きなどのため気持ちが高ぶったり乱れたりする。「なんとなく胸が—・ぐ」「血が—・ぐ」
6 (多く「さわがれる」の形で)人々がさかんにもてはやす。評判にする。「環境問題が—・がれる」「マスコミが—・ぐ」「アイドルとして—・がれた俳優」
7 忙しく立ち働く。
「そを取ると—・く御民も家忘れ」〈万・五〇〉

出典:(『デジタル大辞泉』小学館)

「騒ぐ」は、「大きな声や音を立てる事」や「多くの人が同じ主張を訴えて行動をすること」その他には、興奮したり、不安や驚きて気持ちが乱れたりする様子を表す言葉です。

「騒ぐ」に「お」をつけて「お騒がせ」になると、「大きな声や音を出す」という意味ではなく、「世間や周囲の注目を集め、人を心配させたり、動揺させたりしたこと」という意味になります。

「お騒がせしました」の使い方

「お騒がせしました」はトラブルやミスが起こってしまったことに対して反省の気持ちを伝えているだけになるので、謝罪の言葉も一緒に使うのがポイントです。

例文

・この度は、私のミスでお騒がせして申し訳ございませんでした。

先述した通り「お騒がせしました」はすでに解決していることに対しての反省を示す気持ちになるので、この言葉だけで適切な謝罪と捉えられない可能性もあります。

特に取引先になどに使う場合は、謝罪表現と共に使うようにしましょう。

・入力ミスの件ですが、無事問題が解決いたしました。お騒がせいたしました。

また、自分はミスをしたわけではないが社内などを巻き込んでしまった場合なども「お騒がせしました」を使って解決の報告をすることがあります。

「お騒がせしました」を使う時の注意点

「お騒がせしました」は相手に直接迷惑をかけてしまったことに対する謝罪の表現としては、軽くとらえられることがあるので注意が必要です。

(1)謝罪の言葉も一緒に使う

「お騒がせしました」は反省の意を示す言葉であり、直接的な謝罪表現はありません。

相手を巻き込んでしまったトラブルの場合には、しっかりとした謝罪の言葉と一緒に使う必要があるので覚えておきましょう。

特に目上の人や取引先に対して、「お騒がせしました」だけでは無礼な人という印象を与えかねないので使う相手にも注意が必要です。

(2)既に解決している事象に使う

「お騒がせしました」は過去に対しての事象を示しているので、進行形でトラブルが発生しているときには「お騒がせしております」の表現に言い換えるようにしましょう。

他の人を巻き込んで解決に動いている中で「お騒がせしました」を使ってしまうと、無責任な印象を与え怒らせてしまう可能性もあります。

そのため、既に解決している事象に対しての反省を伝える言葉として覚えておきましょう。

「お騒がせしました」の言い換え表現

「お騒がせしました」は、一般的には反省の言葉として使用する表現ですが、軽い印象を与えることもあるため、ビジネスシーンで使用する際は別の言葉に言い換えた方がいいかもしれません。

(1)「ご迷惑をおかけしました」

「お騒がせしました」を「ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」に言い換えることができます。

「ご迷惑」は相手に不快な思いをさせてしまったり、不利益を与えてしまったりしたときに使う表現です。こちら側のミスや都合で、相手に不利益を与えてしまった場合には「ご迷惑をおかけしました」が適しています。

(2)「お手数おかけしました」

「お手数」は仕事をするのに要する労力や時間のことです。こちら側のミスや都合で、相手に仕事をさせてしまったり、余計な時間を使わせてしまったりした場合には「お騒がせしました」より「お手数おかけしました」と言い換えたほうが適切でしょう。

(3)「ご心配をおかけしました」

「ご心配」とは、相手を不安にさせたり、心を悩ませたりすることです。相手に労力や時間を使わせたわけではないものの、自分が不安にさせる原因を作った時の謝罪や感謝の言葉に使えます。

自分が病気をしてまった時や、仕事上でミスはあったものの自分でリカバリー出来た場合などで使用できます。

「お騒がせしました」は軽い謝罪のときに使う言葉

この記事では「お騒がせしました」の意味や正しい使い方、言い換え表現などについて解説しました。

「お騒がせしました」は自分や社内が原因で起きてしまったことに対しての反省の表現です。敬語として使用するのは問題ないですが、相手に直接迷惑をかけてしまった時の謝罪の表現としては、軽くとらえられることがあるので不適切となることもあるでしょう。

「お騒がせしました」は、使う相手や場面を選ぶ言葉にもなるので、言い換え表現を覚えて、状況に応じた正しい使い方ができるようにしましょう。

(にほんご倶楽部)

※画像はイメージです

※この記事は2023年04月13日に公開されたものです

にほんご倶楽部 (敬語・ビジネス用語専門編集プロダクション)

いつも使っているけれど間違った認識も多い「敬語」や「ビジネス用語」。人にはなかなか聞けない常識から応用編まで、日本語に関する情報を発信。

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