不満爆発!? 「冬のボーナス」支給額の理想と現実
キャリアや就職・転職全般に関する研究や各種調査を行う機関「Job総研」はこのほど、548人の社会人男女を対象に「2022年 冬ボーナス実態調査」を実施しました。
物価高騰が続き生活へのダメージが広がる中、収入と支出のバランスが崩れ、生活逼迫の層が増加傾向にある日本。厚生労働省が発表した毎月勤労統計調査によると、実質賃金は前年同月比でマイナスが続いています。
コロナ禍に入り3度目の冬を迎える中、冬ボーナスの支給有無と支給額の推移にどのような影響が出ているのでしょうか。
同調査では、冬ボーナスの支給有無と支給額の平均及び中央値のコロナ禍推移や、今冬ボーナスの納得度と理想のボーナス支給額、またその使い道と貯金に回す割合やその金額などについて調査しています。
【今冬ボーナス支給有無と支給額】「支給あり」が61.3%に
今冬のボーナス支給有無について、「支給あり」が61.3%で「支給なし」が38.7%でした。また「支給あり」と回答した336人に支給額を聞くと、平均が69.8万円で、中央値は54.5万円の回答結果になりました。
【今冬ボーナス額の納得度と理想額】“不満派”は半数以上に
今冬ボーナス支給額の満足度については「とても不満」14.1%、「不満」17.0%、「やや不満」21.4%を合算した、52.5%が“不満派”の回答をしました。
“満足派”の回答は47.5%で、内訳は「とても満足」4.4%、「満足」14.8%、「やや満足」28.3%で“不満派”が過半数を占める結果になりました。
また今冬ボーナス「支給あり」と回答した336人に理想の額を聞くと、平均では173.0万円で中央値は100万円になり、理想の額と実際の額とで大きな差があることがわかりました。
具体的には実際の額が平均額で103.2万円、中央値で45.5万円低く、理想と現実のギャップが大きいことから、不満派の回答が多数派を占める結果となっています。
【冬ボーナス支給有無の推移】コロナ禍に関係なく毎年増加傾向に
冬ボーナス支給有無を2018年〜2022年の推移で見ていくと、昨対比では7.3ポイント増加。コロナ禍に入り初となる2020年冬ボーナスの支給有無と比較しても、今冬は11.3ポイント増加しています。冬ボーナスの支給有無はコロナ禍に関係なく毎年増加傾向にある結果になりました。
【冬ボーナス支給額の推移】2018年以降、平均額と中央値共に2番目に高い結果に
冬ボーナス支給額を2018年〜2022年の推移で見ていくと、平均で最も支給額が高いのは2020年の71.3万円に対し、中央値で最も支給額が高いのは2019年と2021年の同額55万円という結果になりました。今冬ボーナスは2018年からの推移で、平均額と中央値共に2番目に高い結果になりました。
【ボーナスの主な使い道】6割以上が「貯金」をする
今冬ボーナス「支給あり」を回答した336人の主な使い道では「貯金」が63.4%で最多回答に。次いで「買い物」36.6%、「旅行」33.6%で上位3つの回答になりました。
さらに、ボーナスから貯金に回す割合を聞くと「ほぼ全額使う」が13.7%で最も低く、“貯金派”は全体の86.3%に。内訳は「ほぼ全額貯金」が32.7%、「半分以上を貯金」が34.2%、「半分以下を貯金」19.4%で、全体の66.9%が“半分以上を貯金に回す”と回答しました。
また“貯金派”と回答した290人に聞いた“貯金に回す額”では、平均が42.4万円で中央値が30万円になりました。今冬ボーナスの支給額平均69.8万円に対して、60.7%を貯金に回すという回答結果なっています。
回答者コメント
・物価高騰がこの先も続くことを考えるとボーナスもらっても使えない
・物価高騰で生活がギリギリの状態だったのでボーナスはありがたいです
・日本経済が先行き不透明で不安なのでボーナスはほぼ貯金に回します
・老後のための自己資金を貯めるためにボーナスの半分以上は貯金する予定です
・ボーナスは貰えたけど少ない額なので資産運用に回して地道に増やします
※ボーナスを貯金に回す背景に情勢が影響しているなど、同様のコメントが顕著に見られました
調査概要
調査対象者:全国 / 男女 / 20~50代
調査条件:1年以内~10年以上勤務している社会人・20人~1,000人以上規模の会社に所属
調査期間:2022年11月16日~11月21日
有効回答数:548人
調査方法:インターネット調査
(エボル)
※この記事は2022年12月11日に公開されたものです