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「ご留意ください」の意味は? 正しい使い方と言い換え表現

にほんご倶楽部

「ご留意ください」は上司やお客様にも使える言葉? 意味や言葉の注意点を理解しながら、正しい使い方を習得しましょう。また、言い換え表現も解説します。

心に留めてほしいことを伝える時に使われる「ご留意ください」という言葉。文書でもよく見かけるビジネスフレーズですが、正しい使い方を知っているでしょうか。

「注意」と同じような意味だと、何となく感覚で使っている人は多いかもしれません。しかし、使い方を間違えば、相手に不快な思いをさせてしまうこともあるので注意が必要です。

この記事では、「ご留意ください」の正しい使い方を、例文と注意点を交えて解説します。スマートな言い換えを知りたい人も、チェックしてみてください。

「ご留意ください」の意味とは?

「ご留意ください」は、「留意」に接頭辞の「ご」と、丁寧語の「ください」を組み合わせた言葉です。

留意が指す「心に留める」「気をつける」ことを促しながらも、丁寧な言い回しになり、敬語としてビジネスシーンでも使用できます。

丁寧に注意喚起できる言葉として重宝されていますが、実際のところ「留意」とはどのような意味を持つのでしょうか。

りゅう‐い〔リウ‐〕【留意】
読み方:りゅうい

[名](スル)ある物事に心をとどめて、気をつけること。「健康に―する」「―点」

出典:『デジタル大辞泉』(小学館)

「ご留意ください」という言葉に組み込まれた「留意」とは、分かりやすく説明すると「物事に気を配り、気をつけてくださいね」と心情に訴えかける言葉。

通常より意識してほしい、重要な指示やマニュアルなどを共有するシーンに効果的です。

「ご留意ください」の使い方と例文

きつくなりすぎず、丁寧に注意を促せるのが「ご留意ください」という言葉です。

失敗が許されないビジネスシーンにおいて、リスクを回避するための助言として便利な表現。文書やメールはもちろんのこと、話し言葉としても違和感なく使用できます。

では、シーン別に使い方と例文を見ていきましょう。

(1)注意喚起に使用する場合

ビジネス上の予定や決定事項がある時など、忘れないよう「気に留めておいてほしい」という注意喚起の意味を込めた使い方ができます。

「ご留意ください」の前に、意識してほしい内容をセットで添えることがポイント。部下や同僚などに情報を共有する時に便利です。

例文

・ミーティングは13時からです。遅れないようご留意ください。

・先程渡した資料は重要なものとなりますので、取り扱いには各自ご留意ください。

(2)健康を気遣う場合

体調や健康と絡めた使い方をすることで、「お体に気をつけてくださいね」といった意味も表現できます。

そもそも「留意」の「意」には、「心」や「思い」などの意味があり、使い方次第ではこのように相手へ心を寄せる言葉にもできるのです。

・残暑厳しき折、体調にはくれぐれもご留意ください。

・これから忙しい日々が続きますが、各々体調管理にはご留意ください。

「ご留意ください」を使う時の注意点

心に留めておくことをスマートに伝えられる「ご留意ください」ですが、間違った使い方をすれば相手の機嫌を損ねることにもつながります。

そこで次に、「ご留意ください」を使う上での注意点を紹介します。相手に不快感を与えないよう覚えておきましょう。

(1)立場が上の人には使用しない

目上の人に使用する際は注意が必要です。本来「ください」は相手に行動を望む・懇願するなどの意味合いを持ち、上司やクライアント側に動いてもらう意を表すことになります。

中には「ください」の後に「ませ」を添え、より丁寧なニュアンスに直す場合もありますが、相手のアクションを望む根本の姿勢は変わりません。使う相手は選ぶ方が無難です。

(2)「ご注意ください」と混同しない

「留意」に似た言葉として「注意」が挙げられます。どちらも「気をつける」という点では共通しているものの、大きく異なるのが「警戒」の意味を含むかどうかです。

例えば、とあるプロジェクトでミスが出た時に、「次はミスを出さないように」と注意喚起する意味で注意や留意を使うとします。

「留意」は次のミスに対して「気を配っておいてください」という範疇に留まりますが、「注意」の場合は「警戒しておいてください」と、より厳しいニュアンスに受け取る人が多いので、慎重に使い分けましょう。

(3)「ご了承ください」と混同しない

「ご了承ください」も「ご留意ください」と同じ意味に捉えられがちな言葉です。いずれも相手に訴えかけているものの、要求の大きさに違いが見られます。

「ご留意ください」は、どちらかというと状況を汲んで配慮してくださいと心情に呼びかける言葉。

その一方「ご了承ください」は、相手の同意や納得を得た上での許可を望む意味合いがあり、強い訴えとなることを覚えておく必要があります。

▶次のページでは、言い換え表現を解説します。

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