「今後ともよろしくお願いいたします」の使い方は? 言い換え表現と共に解説
「今後ともよろしくお願いいたします」の注意点
「今後ともよろしくお願いいたします」は、さまざまなシーンで使える言葉です。しかし、便利だからといって意味を考えずに多用してしまうのは避けましょう。
ここからは、「今後ともよろしくお願いいたします」を使う時の注意点について解説します。
(1)基本的に同僚や部下には使わない
「今後ともよろしくお願いいたします」を同僚や部下に使用すると、少し堅苦しい印象を持たれるかもしれません。
せっかく「これからも関係を築いていきたい」という気持ちを込めて使っていても、相手は「何だか距離を感じるな」と感じるかもしれません。
同僚や部下に対するメールの締めには、「これからも一緒に頑張りましょう」など、ややカジュアルな表現にすると親しみが感じられます。
(2)「よろしくお願い致します」は誤用
間違えやすいのが「よろしくお願い致します」と、「致す」を漢字で表記してしまう点です。「致す」を漢字で表記する場合は、「不徳の致すところ~」など動詞として用いる時に限られます。
一方、「よろしくお願いいたします」のように補助動詞として用いる場合は、ひらがなで表記するのが一般的です。
「よろしくお願い致します」と書いても意味は伝わりますが、ビジネスシーンでは正しい表記を用いる方がより好印象となるでしょう。

ライティングコーチの前田めぐるさんに、「いたします」「致します」の違いや使い方について解説してもらいました。
(3)関係が続かない相手には使わない
「今後ともよろしくお願いいたします」は、これからも継続的な付き合いが発生する相手に対して使います。そのため、取引が終了する相手や商談がまとまらなかった相手には使わないようにしましょう。
この場合には、「またご縁がございましたら、どうぞよろしくお願いいたします」といった表現が適切です。
(4)謝罪のシーンでは使わない
自らのミスで謝罪をする場合は、「今後ともよろしくお願いいたします」という言葉は使わない方が無難です。相手に迷惑をかけたにもかかわらず、「今後とも」と将来のお付き合いの話をすると、「反省していないのでは?」と思われる可能性があるためです。
この場合は、「今後はこのようなことがないよう、一層気を引き締めてまいります」など反省の言葉で締めくくるようにすると、相手に謝罪の気持ちが伝わりやすくなります。

メールでお詫びをする際に気を付けるべきポイントを、マナー講師の松本繁美さんに伺いました。