周りと比べて焦った時に。窪田正孝が教える「焦燥感を吹き飛ばす生き方」
「一方通行」から生まれたリアルな表現
――主人公の珠美役を演じた黒木華さんとは別々にアフレコを行ったのだとか。
そうですね。華ちゃんとは一緒にアフレコができなくて、彼女が先に入れてくれた声にキャッチボールできているかできていないか分からない微妙な具合のまま声を入れていきました。
でも、完成したものを見た時に結果的にあの形で良かったのかもしれないと思ったんですよね。
――というのも?
珠美と凛にはお互いに“恥ずかしさ”や“初心さ”があるんです。
それは実際に華ちゃんと声で掛け合ってできるものではなくて、むしろお互いが一方通行でやったからこそ生まれたいい“ズレ”みたいなもので表現できたのではないかと思います。
――窪田さんが演じた梶谷凛は、窪田さんから見てどんな印象の少年ですか?
彼は学校が好きじゃないし、文化祭準備で盛り上がるあの中に入りたいとあまり思っていないんです。
学校というひとつの社会の中で友達を作らなきゃいけないとか、いろんな人の目が気になるし、子どもだから恥ずかしさもあるだろうけれど、彼は恥ずかしさとかではなく自分の好きなもの・嫌いなもの・苦手なものがすごく明確にあるんですよね。そういった意味では大人びている印象なのかもしれないです。
――窪田さん自身は学生時代、学校行事に積極的に参加するタイプでしたか?
学校行事は(仕事もあったので)あまり参加できなかった気がするな~。いや、でも文化祭はサボった記憶があります(笑)。むしろ他校の文化祭に興味がありました。今思うと、僕は共学に憧れていたのかもしれないですね。