20代から始める「膣トレ」。膣プランナーにやり方を聞いてみた
最近、フェムテックやフェムケアという言葉をよく耳にするようになりました。よく聞く言葉ではあるけれど、具体的にどんなことを指して、なぜ必要なのか分からない。そんな人も多いのではないでしょうか?
今回はフェムケア初心者であるマイナビウーマン編集部スタッフが、膣プランナーの山口明美さんに「膣トレ」についての疑問をぶつけてみました。
プロフィール
膣プランナー・山口明美さん
日本初の膣プランナー。美容業界で25年のキャリアを積む傍ら、激しい生理痛、子宮内膜症、子宮筋腫など、あらゆる婦人科系の不調に悩まされ、膣ケア・膣トレにたどり着く。現在、学校や家庭で学べない「膣」についての教育、商品開発、コンサル、セミナーなど幅広く活動中。
フェムカレ オンラインサロン:http://femalecollege.fun
「膣トレ」とは「骨盤底筋トレーニング」のこと
――さっそくですが「膣トレ」とは、どんなことを指すのでしょうか?
「膣トレ」とはずばり「骨盤底筋トレーニング」のことを指します。骨盤底筋とは、膀胱、子宮、腸をハンモック型に支えている筋肉のこと。この筋肉が衰えてくると尿漏れなどの泌尿器系のトラブルはもちろん、月経トラブルや臓器自体が下がってきてしまうなんてことも。さらに骨盤底筋がゆるむと内蔵が支えられなくなって下っ腹が出てきてしまうんです。こういったトラブルを予防し、健康寿命も美容寿命も延ばすために行いたいのが「膣トレ」です。
――骨盤底筋はなぜゆるむのですか?
骨盤底筋がゆるむ多くの原因は、妊娠・出産・加齢・閉経です。妊娠出産によって筋肉が延びたり傷ついてしまったり、加齢や閉経に伴い、女性ホルモンのエストロゲンが減少し、筋力が低下してしまうのです。
――ということは、出産・妊娠経験のない女性にとって「膣トレ」は不要なのでしょうか?
いいえ、そんなことありません! 今は出産経験がなくても、長時間のデスクワークでの運動不足や、エスカレーターやゆる着などの便利な生活様式のせいで、骨盤底筋がゆるみやすくなっているんです。なので、出産経験に関わらず、膣トレは重要です。
「膣トレ」は、血流を良くし体質改善効果も
――20代・30代女性に「膣トレ」をおすすめしたい理由を教えてください。
私自身、最初は産後ケアとして「膣トレ」を始めたのですが、始めてから食べても食べても太りません。しかも産後は運動を一切してません。骨盤底筋トレーニングと横隔膜の呼吸法をずっとやっていて、その効果か太っていないんです。
さらに、20代・30代の方におすすめしたい理由としては、不調が緩和して肌がきれいになるからです。なぜかというと、膣トレをすることで血流が良くなり、生理痛やPMSが緩和されたり、ホルモンバランスが整うことで肌がきれいになるんです。そのためにはストレッチやマッサージだけでなく、食事などに気をつけることも大事ですが、まずは簡単なトレーニングを始めるだけでも、効果はありますよ。
――「膣トレ」が無理のないダイエットや不調の改善にもつながるのですね。
そうです。本当は健康だったら生理痛やPMSは起こりません。炎症が起きるということは、どこかに不調がある証。美しくなりたい女性たちのことを否定はしませんが、無理なダイエットは、体の不調を招きますし、場合によっては不妊になってしまうこともあります。
マイナビウーマン読者には、これから妊娠を希望する方も多いと思いますし、健康的にダイエットしたい方にもおすすめなのが「膣トレ」なんです。
初心者でも簡単にできる「膣トレ」とは?
――興味があるけど、何から始めたらいいか分からない人も多いと思います。初心者でも始めやすい「膣トレ」について教えてください。
初心者でも簡単に始められるのが、呼吸を合わせた「ケーゲル体操」です。呼吸に合わせて骨盤底筋にある肛門・尿道・膣口を順番に締めていくというトレーニング方法です。
ケーゲル体操のやり方
1、4秒かけて鼻から息を吸う
2、8秒かけて口から息を吐きながら、肛門をじわじわと締める×10回
3、肛門が終わったら、尿道→膣口の順で各10回ずつ繰り返す
ここで重要になってくるのは、腹筋を使わずに骨盤底筋を使うこと。腹筋を使ってしまうと骨盤底筋の収縮運動が弱まってしまうんで注意が必要です!
この体操は、座ってでも立ってでもOK。移動中や仕事中にも簡単にできるので、働く女性にはおすすめの膣トレとなっています。
――移動中や仕事中にできるのはうれしいですね。ちなみにケーゲル体操を行う上でのポイントはありますか?
まず1つ目は呼吸を忘れないこと。骨盤底筋を動かすことに夢中になってしまいがちですが、膣トレをしながら呼吸をすることで、体幹を支える筋肉たち(インナーユニット)が動かされ、ダイエットにもなるのです。さらにインナーユニットを鍛えることで代謝が上がり、血流アップにもつながります。
2つ目は、姿勢を正すこと。椅子は浅めに、座骨周りのお肉をかき分けて座ります。その時、足は床にしっかりつけて、膝同士をくっつけるように。真っすぐな姿勢だと呼吸がしやすくなりますし、筋肉も動かしやすくなりますよ。
――最後に山口さんが考える「膣トレ」をするメリットを教えてください!
「自分の体に目を向けられる」ということが一番だと思います。自分の体としっかりと向き合うことで、さらに大事に扱おうと思えますし、結果的に健康で美しい自分へと導いてくれることがメリットだと思います。
(取材・文・撮影:マイナビウーマン編集部)
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※この記事は2022年07月29日に公開されたものです