【第5回】現金とキャッシュレス決済の上手な使い分け方
コード決済、タッチ決済、アプリ決済……などなど、キャッシュレス決済が当たり前になった今、サービスがありすぎて何をどう使えばいいか分からない! そんな人に向けて、節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんがキャッシュレス活用術を伝授する企画です。今回のテーマは「現金とキャッシュレス決済の上手な使い分け方」。
キャッシュレス決済と現金払い、それぞれのメリットは?
キャッシュレス決済と現金払い、それぞれメリットデメリットがありますが、キャッシュレス決済の主なメリットはポイントが付与されたり、何かしらの特典が受けられ、支払いがスマートにできたりする点が挙げられるでしょう。
現金払いは、その場で支払いが完結して、後から請求もなく、家計管理がラクになるというメリットがあります。お金の管理が苦手で、毎月赤字になってしまう家計は、まずは現金管理をすると使い過ぎを防ぐ効果が期待できます。
キャッシュレス決済には、クレジットカードのような後払いと、電子マネーやコード決済のように現金をチャージして使うもの、デビットカードのように銀行口座から即時引き落とされるものがあります。これらを組み合わせるのか、1本に絞るのかも悩むところです。
キャンペーンを考えると、コード決済の方がお得に感じますが、家計管理を簡単にするならクレジットカード1本にするのも良いといえるでしょう。
普段の買い物ではキャッシュレス決済が便利&おトク
普段のお買い物は、キャッシュレス決済が便利でおトクです。コード決済の場合は、特定のお店で決済すると、ポイント還元率が高くなるイベントも多数あります。しかし、これらのイベントを追うと、無理にお金を使うことになったり、いろいろなキャッシュレス決済を使うことになり、家計がまとまりにくくなります。家計簿アプリなどを使って、キャッシュレス決済の入力を簡単にするといいでしょう。
スーパーの場合
スーパーは、独自の電子マネーを導入しているケースがあり、ポイント付与倍率が他の決済方法に比べるとやや高くなるのが特徴です。ただし、そのスーパーや関連施設以外では使えないこともあり、利便性は低め。いくつかのお店を使っているのであれば、クレジットカード払いにすると、家計がまとまりやすいでしょう。
コンビニ
少額決済でもキャッシュレス決済に抵抗がなくなった人も多いかと思います。現在のコンビニでは、レジ袋有料化でレジ滞在時間をどれだけ短くするかがキモとなっているよう。現金払いだと一番支払い時間が長くなるので、電子マネーもしくはクレジットカードのコンタクトレスが便利でしょう。
ドラッグストア
コード決済、クレジットカード払いなど、ドラッグストアもさまざまな決済方法を利用することができるようになっています。コード決済の場合、キャンペーンを利用することでポイント還元率を高くすることができるでしょう。
飲食店
ファストフード店のような飲食店も、コード決済で支払うとポイント還元率が高くなるキャンペーンが行われていることがあります。また、コード決済のアプリ内に飲食店の割引クーポンがあるので、ポイントUPや、割引などを受けることができてお得に利用することができるでしょう。
固定費はどう支払う?
固定費は、口座引き落としもしくはクレジットカード払い、一部コード決済が利用できます。紙の振込み用紙を利用している場合は、口座引き落としもしくはクレジットカード払いにすると、口座振替割引やクレジットのポイントを貯めることができます。
公共料金
金融機関やコンビニなど公共料金を支払う場合、現金払いもしくはセブンイレブンでのnanaco払いのみです。nanacoも、公共料金などの支払いではポイントが付与されませんので、現金納付以外の口座振替やクレジットカード支払い方法がおすすめ。
PayPay、au Payなどコード決済では、紙の請求書をスキャンして支払うことができます。au Payの場合、支払い金額に応じて0.5%のポイントが付与されます。コンビニへ行くことなく、自宅で支払いができてかつポイントも貯められます。
※PayPay請求書払いの特典付与は2022年3月31日をもって終了しました。
賃料
初期費用をクレジットカード払いにできる物件は珍しくはありませんが、クレジットカード払い可の賃貸物件も増えてきています。クレジットカード払いにすることで、ポイントも貯まります。
ただし、クレジットカードの利用限度額が50万円など低い場合、そのほかの買い物ができなくなる恐れもあるので、一時的もしくは継続して利用枠を引き上げておくのもいいでしょう。その際は、クレジットカード会社に連絡をするか、ネットで手続きをしましょう。
サブスクなど
定額で利用できるサブスクリプションも、今や固定費と呼べるでしょう。サブスクはクレジットカード払いが基本ですので、現金払いにすると手数料がかかってしまうことがあるので注意が必要です。
固定費は、現金とキャッシュレス決済どちらが手数料が少ないか、ポイントが貯まるのか、割引があるのかなど総合的に考えて選ぶようにしましょう。
衝動買いをしそうになった時は現金払いで
服やコスメは高額になる傾向があるので、クレジットカード払いを利用するときは、同額の現金を持っていることを前提に決済しましょう。つまり、衝動買いをしそうになったら現金払いにするといったマイルールを作るのも手です。
服やコスメ、ブランド品を購入するなら、デパート商品券積立もおすすめです。最近ではカード型になっており、満期がくると自動的にチャージされる仕組みです。デパートのネットショッピングの決済にも利用できるようになっていて便利ですよ。
交際費もキャッシュレスが便利かも
割り勘の基本は現金で、それは今も昔も変わらないかなと思います。しかし、ひとりずつクレジットカード払いをすることもできますし、コード決済の場合は送金サービスを使うことで現金のやりとりを減らすこともできます。ただし、コード決済で割り勘をする場合は相手も同じコード決済を利用していることが条件です。
今回のまとめ
最近は現金よりもキャッシュレス決済を利用した方がポイントや手数料を考えてもお得になる傾向があります。
また、キャッシュレス決済を利用すると履歴が残りちょっとした家計簿代わりにもなるので、細々した家計管理が苦手という人は、月のクレジットカード利用は10万円までとざっくりとした予算を持って、その中でやりくりするとよいでしょう。くれぐれも生活費が足りないから、クレジットカード払いを選択することのないように気をつけてくださいね。
(文・丸山晴美、イラスト・タテノカズヒロ)
※この記事は2022年04月04日に公開されたものです