史上初、女性2人にフラれたバチェラー黄が“地蔵”と化した日
毎回大きな反響となる大人気シリーズ「バチェラー・ジャパン」のシーズン4が、2021年11月25日より配信スタート。4代目バチェラー・黄皓さんのたった1人のパートナーの座を勝ち取るのは誰なのか? 性格もバックグラウンドも異なる女性たちが本気で競い合う「婚活サバイバル番組」を、シリーズの大ファンであるコラムニスト・やまとなでし子さんが考察します!
※このコラムは「バチェラー・ジャパン」シーズン4 エピソード7〜8のネタバレを含みます。
今回は3人の女性への実家訪問回。穏やかなお宅訪問で終わるかと思いきや、まさかの予想外の展開に荒れ狂う回となりました。
おとんと黄さんにとって過酷すぎる実家訪問
今までの実家訪問は、女性がバチェラーを紹介して家族団欒で仲を深めてから、ご家族のお1人とバチェラーの2人きりの場を設ける、という流れが多かったのですが、今回はお父様と黄さんにとって非常に過酷な回となりました。
パン教室講師・休井美郷さんは、しょっぱなからはじめまして同士の父と黄さんの2人を海辺に放置し、日が暮れるまで半日釣りをさせるという容赦ない実家訪問の洗礼を浴びせていました。
釣果は昭和の八百屋換算でいう2万匹(2匹)だったので、釣りに関してはほぼほぼ大した盛り上がりもなく、長時間ひたすらトークでつながなくてはならない凪の時間があったことが想像されます。
また、鍼灸師・藤原望未さんの場合は「疲れているからマッサージをしてもらえるかも?」とちょっと下心を持っていた黄さんを体育館に連行。
マッサージどころか、ガッツリバドミントンをさせてキモい下心を浄化させた挙句、父と黄さんを風呂にぶちこみ裸の付き合いをさせながら、自分は茶をしばきおかんと談笑するという鬼畜プレイをかましていました。
「出会って数秒で合体」ならぬ「出会って数秒で夕暮れまで釣り」「出会って数時間で入浴」というあのゲスいタイトルが脳内でオーバーラップしてしまいました。すみません。
マッチングアプリでの出会いばりに情報が少ないはじめましての状態で、男同士のデート。彼氏でもなければ婚約が確約されているわけでもない、よく知らん男と突然2人きりにされたお父様方、そして黄さん、本当にお疲れ様でした。
しかし、藤原母の「運動で体を交えて黄さんの性格を判断する」というのは“少年マンガみ”があってめちゃくちゃ良かったですね。拳を交えて相手の実力を判断する「このパンチ……お主、できる……!?」的なマンガでよく見るやつ。
秋倉父の真実の愛講座
パーソナルトレーナー・秋倉諒子さんの実家訪問では、突如真っ赤なスポーツカーが登場。3代目バチェラー・友永真也さん以来の登場スタイルで車から降りてきたのは、なんと全身白のワントーンコーデに身を包んだ秋倉母。
この仕上がりまくったかっこいいコミュ力抜群なおかんに対し、秋倉父は寡黙で実直。このお父様がすてきすぎて、一気に心を持っていかれた女性も多いのではないでしょうか。
黄さんが結婚したい理由に「守る家族ができると同時に、自分が弱ったときに守られたい。そういうものは結婚すると手に入るのか?」と質問したのに対し、「わからない。(僕は)少し違うから」と、「愛する人に尽くすことが自分の幸せであり、見返りを求めたことはない」と、無償の愛について穏やかに答えていました。
しかもこれ、黄さんの考え方を否定するでも押しつけるでもなく、「僕はこういう考え」としてだけ伝えているのがまた秋倉父のできた人間性を裏づけていてすごく良かったですね。ここだけ切り取って全国の学校の「愛と結婚」の道徳教材として配布したいくらいジーンときてしまいまいした。
お父様が大きな愛で家庭の礎を作り、その上で母が雰囲気を明るく作り上げているすてきな夫婦の姿に、ひとつの真実の愛の形を見ました。
餃子を作っている時に秋倉父が黄さんに「つまんでいいよ」と味見を促して緊張をほぐしてあげていたのも、あったかくて良かったです。
秋倉パパ、全国の女子が胸を打たれました。今世では我慢するので、せめて来世でぜひバチェラー出演を!
休井さんへの好きの違和感
休井さんが黄さんに「一度も好きって言われてない」と伝えた後の「核心つかれた〜」という表情と間が気になった方も多いのではないでしょうか。
それ心入ってます? って感じの「え、好きだよ?」を返した時、チャラララ〜といい感じのBGMが流れていたのも違和感が……。とりあえず残るからこのBGMをあてたんでしょうけど、藤原さんが残ってたら不穏なBGMをあてられて落とされるフラグに使われてましたよね。
ドレスペイントの時は黄さんも休井さんのこと結構お気に入りだったと思うんですよ。でもその後盛り上がりもなく、藤原さんにギアチェンジしてしまったもんだから気持ちが落ち込んでしまった。戦い方が違ったら、もしかしたらぶっちぎりいけた世界線もありそうでなんだか勿体ないです。
ところで、黄さんって発音だと苗字も名前も“コウ”なんでわかりにくいんですけど、休井さんの手紙での呼び名が“皓さん”だったので、実は下の名前で呼んでいたことが今回分かりました。発音では一切分からない、“黄さん”から“皓さん”に呼び方が変わったタイミングはいつなのか聞きたいものです。
まさかの本命脱落。恋の“金の玉”現象発動?
大本命であると思われていた藤原さん。皓さん、いや黄さん自身も最初から思いを寄せていたと発言していましたが、今回元カレが忘れられないと突然の告白がありました。その結果、「ここ鬼出るんですか?」というくらい藤の花が咲き乱れる鬼滅的にはめちゃくちゃ物騒な会場で黄さんはローズを渡さずお別れすることに。
黄さんのことは好きだったけれど、プーケットから帰国して2週間の隔離期間に未練が残る元カレの存在が大きくなってしまったと言っていましたが、そういうのありますよね。
好きだった人の思い出って、本当は悲しいこともあったはずなのに時間が経てば経つほどいい箇所ばかり思い出されて、泥団子みたいな思い出も時間をかけて磨きに磨き上げられて、ペッカペカの“金の玉”になってしまったりするんですよ。そうなってしまうと自分の中で価値が高まりすぎて、これがもうなかなか捨てられない。
しかもバチェラーという環境上、隔離期間もスマホなしでホテルの一室に軟禁されるという、修行僧みたいな過酷な環境ではひたすら考えるしかなく、この金の玉現象が一層起きてしまったのかもしれません。
黄さんのことも好きだったと言ってましたし、隔離期間がなければ勢いでそのまま気持ちを持って行けたかもしれない。キス騒動がなければ、もう少し黄さんに信頼を持てて好きな気持ちももっと大きくなっていたかもしれない。そんなタラレバが浮かんでしまいました。
しかし、この元カレってYouTubeの紹介動画で語ってた「別の女の下着を洗濯させてきた暴言浮気男」なんですかね? もしそうならこの動画を100回くらい見て踏みとどまってほしいです。答え出てます。
地蔵と化した黄さん
黄さんはプライドが高いからこそ追うタイプじゃないというか、負け戦はしないタイプなんですかね。これが林太郎や真也だったら「好きという気持ちが少しでもあるなら」と、藤原さんを追いかけたと思うんですよ。
黄さんが身を引くべきか問いかけた時、藤原さんは「う〜ん」としか言わず黄さんに最終判断を委ねましたし、断言できるほどではないということはゴリ押しで押し切れる余地もあったと思うんですよね。紹介動画を見ても、藤原さんは結構流されやすくて押しに弱いタイプに見えるので。
エピソード8の座談会では、藤原さんが来てから黄さんは目も合わさず、1人だけ不自然に真っ直ぐ前を見て地蔵のように固まっており、「あれ? 1人だけ時止まった?」と錯覚するほどでした。
好きだった女から、好きな男の話を大勢の前で聞かされるという心が凍りそうな状況で、私はこのかわいそうな黄地蔵に傘を被せてやりたかった……そうしたら後日大量の自社株を持って地蔵が家に御礼に来てくれたはず……黄さん今からでも傘間に合います? 株欲しいです。
この結末は萌子のしっぺ返し?
バチェロレッテでは福田萌子さんが「黄さんの気持ちが分からない。リスクヘッジやめない?」と、黄さんに心を開いてほしいことを訴え、それがかなわず結果として選ばないラストを迎えました。
そして今回、黄さんはバチェラーとして、藤原さんの考えていることが分からないと悩み、結果元カレの件も加わり同じように藤原さんを選ぶことはありませんでした。自分のしたことが皮肉にも返ってきた形となった今回の出来事は、まさに萌子のしっぺ返し。
おまけにバチェラー初、藤原さんとインスタグラマー・桑原茉萌さんの2人にフラれたバチェラーとなり、みんながバチェラーを取り合う前提どこいった? 状態に。
配信期間が短いのはもしかして? 説
今までのバチェラーは初回と最終話以外は基本的に毎週1話ずつ配信だったんですよね。数話まとめて配信で4週完結になったのはバチェロレッテから。バチェロレッテの場合は、「長期間、何週にもわたって見させておいてそのラストかよ!」という一部の視聴者の批判を想定して長引かせずに配信したのだと勝手に考察しておりました。
そして今回、ほぼ同様の配信スケジュール。これは何かある??
実際、大本命だった藤原さん脱落で黄さんは切り替えて恋をすることができるのでしょうか? もしかすると、誰も選ばないエンドもあるのかもしれません。
もし選ぶラストなら、今までの黄さんの言動から秋倉さんが強いのかな、と思います。休井さんは紹介動画で「(バチェラーは)私のストーリーなので」と言っていたので、これ言ってるやつもれなく落ちるジンクスがまだ裏づけられそうです。
ジャックナイフ秋倉説
秋倉さんが「友達として出会った時の私は過去の話で、そこから成長してる今の私を見て」的なことをアピールしていましたが、昔はもっと尖ってたようなことも言ってましたし、そんなに過去を切り離してほしいほど以前は荒れてたんですかね?
ジャックナイフ秋倉とココアぶっかけ中野の、荒れ狂う2人の過去を暴くスピンオフがぜひ見たいです。
黄さんのエセ関西弁の理由も分かりスッキリした今回。次回はとうとう最終回! 早すぎるラストに寂しさすら覚えますが、最後のローズは誰の手に渡るのか? 予想しながら楽しみに待ちましょう。
(やまとなでし子)
※この記事は2021年12月14日に公開されたものです