お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

【File28】面白い女を演出するために消火器をぶん回した話

#イタい恋ログ

怒りの葡萄

今振り返れば「イタいな、自分!」と思うけれど、あの時は全力だった恋愛。そんな“イタい恋の思い出”は誰にでもあるものですよね。今では恋の達人である恋愛コラムニストに過去のイタい恋を振り返ってもらい、そこから得た教訓を紹介してもらう連載です。今回は怒りの葡萄さんのイタい恋。

はじめまして!! 怒りの葡萄です。Twitterでは一週間に一回、発作のように「浮気するやつ最低」とbotのような浮気に対する怒りを中心にツイートしております。

そんな浮気反対アカウント代表の私も、今までいろいろな恋愛をしてきました。

20歳から27歳までは一人の方とお付き合いをし、一途王として活動していたのですが、27歳で別れ、野良に放り出され、「新しい彼氏を見つけなければ!」と始めたマッチングアプリで出会った男性とのエピソードを今回はご紹介させていただきます。

「変わった女が好き」と言われ……

とあるマッチングアプリで「お笑いが好き!」という共通の趣味があった広告代理店・港区住み・実家東京親太い系のいわゆる”ハイスペ”の男性とマッチング。私と同じくよくルミネtheよしもとの劇場にも足を運んでいるそうで、「○日の見に行きませんか?」とチケットを取ってくれ、一回目のデートがスムーズに決まったのです。

新宿で待ち合わせをすると、写真よりもずっとかっこよくてかわいい男性が現れました。そのままルミネに行って、ステージを見始めたものの、緊張して豚っぱなで笑ってしまうほど。終わってから新宿で軽く飲むことになり、いよいよちゃんと顔を見て会話をしました。

「好きなタイプは?」と聞かれ、私はなんて答えたか忘れたのですが、逆に「好きなタイプは?」と聞き返すと「面白い人。変わった人」と答えが返ってきました。最近いろいろな恋愛コラムでも「へー、おもしれー女」と思うような、”面白い女性がモテる!”と、取り上げられていますが、その時「あ、ほんとに流行ってるんだ!」と思いました。

そして「面白い人」という回答で、私は勝ちを確信しました。だって、女性の中でも私は異常おもしろ人間を自負しているからです。

そのまま飲み屋を出て、私のホームである新宿二丁目へ。二丁目の友達たちに「今からマッチングアプリで出会った男性と二丁目行くから、会ったらよろしく」とジャブを打つLINEを居酒屋のトイレで送りまくっておきました。

事前の仕込みは成功? 失敗?

二丁目に着いて、行きつけのゲイバーに行き、爆笑をかっさらいまくる私。彼からも「こんな面白い人出会ったことがない」と大絶賛され、ゲイバーの店子の友達も、あらかじめ連絡をしておいたので、「本当に葡萄ちゃんはいつも面白いんだよ~!」と株を上げてくれました。

そして帰ろうとした時に「今日うち来る?」とお誘いが。「はい、完璧に落ちたな~。ちょろ~(笑)」と思い、「行く行く~!」と言って店を出ることに(※初回で家に誘われて、断る方が非モテ、モテる女はフッ軽で断らない、というのが自論です)。

そんなこんなで二丁目を歩いていると、正面から二丁目で一番ヤバイと言われているオネエが登場。「あんたら今日アプリで出会ったんでしょ~。どこ行くのよ~」と絡まれてしまいました。

彼女にもあらかじめ「よろしく」とLINEをしておきましたが、それは「良いように対応してよ!」という意味なのに、意味が通じていなかったのです……。今から家に行く旨を伝えると「あたしも行く!!!」と着いてくることに。まあ面白い展開だし、逆にチャンスだなと思ってハイスペ男性の家にオネエと突撃することになりました。

どこまでが「面白い女」の範疇なのか

この頃には酒がかなり入っており、ヤバいオネエが加わって、私は最強モードになっていました。ハイスペ男の家にある冷凍の唐揚げを50個揚げたり、部屋中にガムテープを貼ってバリケードを作ったり……。とにかくやりたい放題やりまくりました。そうしたら、「付き合ってほしい」と彼から告白が。

初日に完全勝利をし、次のデートをすることに。Twitterで友達になった女の子に「面白い女が好きって男は、部屋で消火器ぶんまわしたりするといいよ!」とアドバイスをもらったので、早速実践しようと思っていました。

家に着いてしばらくしてから、家中の物を壊したり、消火器をぶん回したり。「これでもう完全に落ちたな~」と思っていると、「流石に限界。無理。面白いの境界線くらいわからないの?」と言われ、家を出ることに……。そこから音信不通になりました☆

イタい恋から得た教訓「変わった行動にも限度があるので、相手を見極めて調整しよう」

「面白い女が好き」と言ったハイスペ男性でありましたが、やはり器物破損には耐えられなかったようです。「面白い女性が好き」という男がいても、どこまでが許容範囲なのか見極めてから行動するべきだと思いました。

まだ出会ったばかりで、相手のことも深く知らないのにやってしまったのが今回の反省点です。ま、消火器でビビる男なんてこちらから願い下げなので、さよならできて良かった良かった!!

そして男性は中途半端な覚悟で「面白い人が好き」と言うのは危険ということも覚えておいてほしいなと思います。本当に面白いヤバいやつはあなたの想像をはるかに超えてきますからね。

(文・怒りの葡萄、イラスト・菜々子)

※この記事は2021年12月05日に公開されたものです

怒りの葡萄

ライター。碇ブドウというライターネームも。『週刊SPA!』『恋愛jp』など。

Twitter:@ikari_budou

この著者の記事一覧 

SHARE