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「いたたまれない」の意味は? 類語や例文、使い方を解説

前田めぐる(ライティングコーチ・文章術講師)

「いたたまれない」の類語(例文つき)

ここからは、「いたたまれない」の類語を紹介します。

「居心地が悪い」

「その場に心地良く居続けることができない、じっとしていられない」という意味です。気まずさや恥ずかしさなどいろんな感情が原因で、その場にいるのがつらい時に使います。

例文

・店長から接客のまずさをみんなの前で指摘され、居心地が悪かった。

「(〜と思うと)たまらない」

「つらくてたまらない」「苦しくてたまらない」「〜を思うとたまらない」など、「いたたまれない」と同じように、さまざまな気持ちが我慢できないほどに募っている時に使います。

ただし、「その場にいられないほど」という意味は含まれていません。

例文

・こうしている今も彼女のつらさを思うと、たまらない。

「穴があったら入りたい」

穴があったらそこに入って身を隠してしまいたいほど、恥ずかしい時に使います。「いたたまれないほど恥ずかしい」と同じ意味です。

例文

・みんなに爆笑され、穴があったら入りたかった。

「汗顔の至り(かんがんのいたり)」

 

顔から汗が出るほど恥ずかしい、という意味です。「汗顔の至り」も、「恥ずかしさでいたたまれない」場合に使います。

例文

・この度の失敗、誠に汗顔の至りです。

「針のむしろのよう」

「むしろ」とはわらなどを編んで作った敷物のこと。「針のむしろのよう」は針を編んで作った敷物に座っているかのように、少しも安らかになれないことのたとえです。自分が受けている仕打ちをつらく感じる場合に使います。

例文

・在職中は、誰も理解者がおらず、針のむしろのようでした。

「いたたまれない」は日本的な表現

周囲との協調性や和を重んじる性質が強い日本人。

「いたたまれない」という心情に至るには、「腹立たしい」「悲しい」「申し訳ない」などさまざまな原因があります。

これらの原因をはっきり伝えずとも「その場にいられない」という気持ちが伝わる「いたたまれない」という言葉は、日本人独特の共感性が生み出した言葉であるといえそうです。

(前田めぐる)

※画像はイメージです

※この記事は2021年11月16日に公開されたものです

前田めぐる(ライティングコーチ・文章術講師) (ライティングコーチ・文章術講師)

コピーライターとして長年「ことば」に関わってきた経験値を元にまとめた「ほどよい敬語」(https://ameblo.jp/comkeigo/)が好評。過剰さや不適切さを排し、明快に説く内容は「違和感の理由がわかりスッキリした」と質問サイトなどでたびたび引用される。

自治体・団体・医療機関向けSNS活用、文章術研修の講師でもある。

著書に『この一冊で面白いほど人が集まるSNS文章術』(青春出版社)『前田さん、主婦の私もフリーランスになれますか?』(日本経済新聞出版社)『ソーシャルメディアで伝わる文章術』(秀和システム)など。公益社団法人日本広報協会アドバイザー。

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