結婚したら扶養に入った方が良い? メリット・デメリットと手続き方法
結婚後、扶養に入るための「収入の壁」とは
扶養に入ると受けられるメリットはたくさんありますが、無条件に受け取れるわけではありません。
そこには「収入の壁」があり、それ以上の報酬を超えてはならないなどといった条件があるのです。それぞれの条件を見ていきましょう。
103万円の壁(配偶者控除)
配偶者控除には、「103万円の壁」と呼ばれる基準があります。税金での優遇を受けるためには、被扶養者の給与収入が年収103万円以内であることが条件です。
103万円の内訳は、以下の通り。
・基礎控除:48万円
・給与所得控除:55万円
2つの合計が103万円となります。つまり、給与収入が年103万円以内ならそれぞれの控除額と相殺され、所得税が掛かりません。
それでは年収が103万円を超えるとどうなるのかというと、所得税を支払う必要が出てきます。
超えた所得に対して支払わなければならない税金は以下の通り。
・所得税:5~45%
・住民税:約10%
103万円の年収を超えると扶養から外れることになり、世帯の払う税金が高くなります。このため、103万円を超えないように調整しながら働く人が多いのです。
しかし、年収が103万円を超えた場合でも、被扶養者の年収が201万円以下、扶養者の年収が1,220万円以下の条件を満たしていれば、配偶者特別控除の対象に。
配偶者特別控除については次の章で説明していきます。
150万円の壁(配偶者特別控除)
次は、「150万円の壁」と呼ばれる配偶者特別控除です。
前項の通り、パートなどの年収が103万円を超えると、配偶者控除が適用されなくなり、今度は配偶者特別控除の対象となります。配偶者特別控除の上限は、年収150万円です。
これは配偶者の年収が、103万円以上150万円以下なら配偶者特別控除の満額(38万円)が受けられるというものです。
150万円の内訳としては以下の通りです。
・配偶者特別控除が受けられる配偶者の所得上限:95万円
・給与所得控除:55万円
上記2つの合計が150万円。
もしも150万円を超えてしまうと、控除額は減っていき年収201万円を超えると控除額が0円となってしまうので注意が必要です。
また、配偶者を養う納税者本人の年収によっても控除額が異なります。相手の年収とも照らし合わせておきましょう。
106万円や130万円の壁(健康保険・厚生年金)
健康保険や厚生年金など、社会保険における扶養のラインは、年収130万円未満であること。これは、「130万円の壁」と呼ばれます。
・年収130万円未満:被扶養者と見なされ、社会保険料を支払う必要がなくなる
・年収130万円以上:扶養から外れ、自身で社会保険料を支払う必要がある
一方、以下の条件に当てはまる被扶養者の年収が106万円を超えると、社会保険に加入する必要が出てきます。
・正社員の人数が501人以上の会社で働いている
・収入が月に88,000円以上ある
・雇用期間が1年以上の見込みである
・所定労働時間が週に20時間以上である
・学生ではない
これらの条件をふまえて、働き方を考えてみるのも良いでしょう。