「甲斐甲斐しい」の意味は? 語源や類語、使い方を解説(例文つき)
「甲斐甲斐しい(かいがいしい)」の対義語(例文つき)
続いて、「甲斐甲斐しい」と反対の意味を持つ言葉を紹介します。
「甲斐がない」
「やりがいがない。やっただけの効果が認められない」という意味です。
「甲斐甲斐しい」が「思っていた通り。期待していた効果が得られるさま」であるのに対し、正反対の意味です。
漢字表記の方が、意味が伝わりやすいでしょう。
例文
・あなたがそんな調子では、教育係を仰せつかった私も甲斐がないというものです。
「ふがいない」
多くはひらがな書きですが、漢字では「腑甲斐ない」「不甲斐ない」と書きます。
「甲斐甲斐しい」が「てきぱきと働き、頼もしい」という意味であるのに対し、「ふがいない」は「情けないほどだらしなく、意気地がない」という真逆の意味です。
主に、自分や身内について情けなく思う時や、身内のように応援していた人が歯がゆいほど期待外れに感じる時に使います。
例文
・なんという体たらくだろう。自分でもふがいなくて、泣きたくなる。
「だらしない」
「強い気持ちがなく、だらだらとけじめがないさま」を意味する言葉です。
仕事や家事はもちろん、生活全般についても使います。
「甲斐甲斐しい」が「てきぱきと立ち働く」のに対して、真逆の意味です。
例文
・だらしない生活から抜け出すためにも、早寝早起きから始めましょう。
本来「甲斐甲斐しい(かいがいしい)」の使い方に性差はない
「甲斐甲斐しい」という言葉を男性に使うのは、どんな場合でしょうか? これまでは「テキパキ仕事ができて頼もしい」「家事や育児に協力して頼もしい」という時が多かったように見受けられます。
また、女性に使うのは、どんな場合でしょうか? 「骨身を惜しまず人の世話をする」「夫や家族に尽くす」という時が多かったようです。
ただし、辞書ではそうした性差について限定しているわけではありません。
働き方や家族のあり方についても、今後ますます多様化が進むと考えられます。「甲斐甲斐しい」という言葉も男女の枠にとらわれずに使われるような社会になった時、真の多様性社会といえるのでしょう。
(前田めぐる)
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※この記事は2021年10月27日に公開されたものです