「メタ発言」の意味とは? 使い方やメタ発言が多い作品例を解説
「メタ発言」とは? 今回は「メタ発言」の意味や使い方、類語や対義語・派生語について、例文とともに解説。また、ドラえもんや銀魂、おそ松さんなど「メタ発言」が多く登場するアニメの事例も紹介します。
「メタ発言」という言葉をSNSやインターネットなどで見かけたことはありませんか? しかし「正直何のことを言っているか分からない!」と疑問に思った人も多いことでしょう。
「メタ発言」とは一言で言うと、「アニメや映画などフィクションの世界から発せられた言葉」です。では、それはどんな言葉なのでしょうか。
エンタメ作品が好きでいつも欠かさずチェックしている人には理解できるかもしれませんが、特にそれらを見ない人には「例えばどんな発言?」とクエスチョンマークが浮かびますよね。
今回は、そんな「メタ発言」の意味や語源について解説します。
メタ発言とは
そもそも「メタ発言」とは何なのでしょうか。ここでは、意味や語源などを説明していきます。
「メタ発言」の「メタ」って何?
「メタ発言」に使われる「メタ」の語源は、メタフィクション。
これはある出来事を異なる次元から客観的に見ることを意味します。この異なる次元とは現実には存在しない、映画やアニメなどの世界。
もっと簡単に言うと、架空のストーリーであるフィクションをフィクションとして扱うことを指しています。
「メタ発言」の意味
従って、これから派生した「メタ発言」とは、現実には存在しない映画やアニメの登場人物が、自分がその作品の登場人物であることを意識した発言を指します。
例えば、物語の登場人物が「マンガの終わりまであと3ページしかない! 犯人を早く捕まえないと伏線回収できない!」などと発言するようなイメージです。
「メタ発言」による効果
本来、物語の登場人物が「この話は架空ですよ」と認めるようなメタ発言をするのは、型破りなこと。だからこそ、メタ発言はそれを逆手に取って、ギャグ要素を加えたり、新感覚を視聴者や読者に与える効果があります。
後述しますが、さまざまな有名作品でこの「メタ発言」が取り入れられており、型にはまらないストーリー展開がなされています。
「メタ発言」は好きor嫌い? ぶっちゃけ萎える?
賛否両論分かれがちな「メタ発言」。フィットすれば、作品の面白さを助長できる手法ですが、場合によっては真剣な雰囲気に水を差したり、世界観を壊したりすることも……。
従って、「嫌い」「萎える」と感じる人もいる様子。あなたは「メタ発言」が好きですか? それとも嫌いですか? アンケートに回答し、みなさんの意見をチェックしてみてください。
「メタ発言」の使い方(例文)
では実際に「メタ発言」という言葉を使ってみましょう。ここでは、使い方を例文と共に紹介していきます。
ここまで説明を読んでも、「いまいちメタ発言が何か分からない!」という人も、理解が深まるかもしれません。
例文1
・この作品の主人公はメタ発言をしていた。
この例文は「メタ発言」の意味そのままを言っています。作品の中などで主人公が視聴者に向かって「メタ発言」をしていた様子を伝える表現です。
例文2
・登場人物が作者の名前を喋っていた。これは明らかにメタ発言である。
フィクションの登場人物が、作者の名前をストーリーの中で喋るのも「メタ発言」の1つ。
視聴者から見ると、フィクションの世界から飛び出してきた発言となり、2次元にいる登場人物が3次元を認識しているということになります。
例文3
・メタ発言が多い作品は好きではない。
これは「メタ発言」に対してあまり良い印象を持っていないことを言っています。
確かに異次元の世界観を楽しめるから「メタ発言」が面白いと思う人がいる一方、物語に没頭できず、「メタ発言」のある作品が苦手だという人も中にはいるでしょう。
異次元の世界を取り入れて惹きつけるやり方に違和感があり、純粋に作品を楽しみたい人には「メタ発言」は受け入れにくいかもしれません。
メタ発言が多い作品とは?
フィクションの作品が好きな人は、映画やアニメなどで「メタ発言」を実際に見たことがあるのではないでしょうか。作者によっては「メタ発言」を楽しんでもらいたいために、結構な頻度で使うこともあります。
ここでは代表的な「メタ発言」が使われている作品を紹介します。興味があればぜひ一度作品を通して「メタ発言」を体感してみてくださいね。
『銀魂』
『銀魂』という作品は、マンガ、アニメ、実写、ゲーム全てにおいて「メタ発言」が使われています。
それはSNSでも話題になっており、「メタ発言」を多く使うことで読者や視聴者の心をつかんでいる代表的な作品の1つです。
登場人物自らマンガで「ページ数が足りん」と発言したり、映画ではエリザベスというキャラクターのことを指して「実写になると急に着ぐるみ感出るね」と話されたり。散りばめられた「メタ発言」を探すのも楽しいかもしれません。
『ドラえもん』
実は、誰もが知っている『ドラえもん』にもメタ発言が。「メタ発言」という言葉が生まれる前からそれを使っていた歴史の長い作品と言えるでしょう。
代表的な「メタ発言」は「マンガの人気が落ちる」「このマンガ6ページしかないから」などというものです。ドラえもんやのび太くんが、自分自身がマンガに出てくる登場人物だということを自覚している発言です。
『おそ松さん』
こちらもドラえもん同様、歴史のある作品ですよね。2015年に『おそ松くん』から『おそ松さん』にタイトルが変わり、再び放映されました。
そんな『おそ松さん』も「メタ発言」が盛りだくさん。気になる方はチェックしてみてください。
『ポプテピピック』
『ポプテピピック』は多くのファンがいるマンガ・アニメです。
こちらの作品は「メタ発言」でできているとさえ言える程、多く使われています。「メタ発言」が使われすぎて、慣れていないとついていけないなんてこともあるかもしれません。
「メタ発言」の類語と対義語
ここからは、「メタ発言」と似た意味の言葉と、反対にある意味の言葉を解説していきます。
「メタ発言」の類語・派生語
まずは、メタを使った他の言葉や、言い換え表現を紹介していきます。
「メタ認知」
メタ認知とは、自分の考えや言動を客観的に認知すること。従って、キャラクターなどのメタ認知の先にあるのが、「メタ発言」というわけです。
哲学の発祥ともされる概念で、心理学など専門用語として使われることもあります。
「高次元」
「メタ発言」を高次元の発言と言い換えることもできるでしょう。高次元とは、文字通り高い次元のこと。
通常とは異なる上のレイヤーの視点で、物事を見たり言及したりするさまは、まさにメタ発言。メタという言葉が難しければ、こんな言い換えも可能でしょう。
「俯瞰」
メタ発言とは、つまり俯瞰の発言とも言えます。
自分が今いる空間における目線では、「メタ発言」は生まれせん。まるで神の視点のように、上から自分を見下ろすことで生まれる概念と言えるでしょう。
従って、「メタ発言」=俯瞰の発言であると捉えても良いかもしれません。
「メタ発言」の対義語
「メタ発言」を直接的に反対の意味にした言葉は存在しないと言えるでしょう。あえて挙げるとしたら、以下のような言い回しが可能です。
同次元
先ほど紹介したメタの類語である高次元から、反対語を考えた場合です。
すると、「メタ発言」=同次元の発言となり、俯瞰などのない、同じレイヤーの中での言葉という意味で使えるでしょう。
言葉の意味を知って漫画やアニメ・映画をもっと楽しもう!
何だか難しく聞こえる「メタ発言」という言葉。一度意味を理解したら、何を差すかすぐにイメージできるのではないでしょうか。
普段フィクションに触れる機会がない人も、「メタ発言」を探すという目的で作品を見ると、新たな面白さが発見できるかもしれません。
今回紹介した「メタい」作品たちを通して、ぜひ「メタ発言」の世界を楽しんでみてくださいね。
(ひらり)
※画像はイメージです
※この記事は2021年08月29日に公開されたものです