「SNS使い放題プラン」って本当にお得?
ドコモ・au・ソフトバンクが発表した新ブランドの始動を皮切りに、訪れようとしている“スマホ料金戦国時代”。スマホ代を節約したいけど調べるのすら面倒という全ての働く女性たちのお悩みに、携帯料金見直しの専門家である鮎原透仁さんが回答します。
今回のお悩み:SNSをたくさん使う人向けプランってある?
私は1日7時間以上もスマホでSNSを見てしまいます。中でも、TikTokやInstagramのリールなど、SNSで動画を見ることがほとんどです。その代わり、電話はLINE通話以外ほぼしないですし、キャリアメールも使いません。こんな私が節約するために向いているキャリアやプランはありますか?
SNS上で動画を見ると、Netflixと同じくらいパケットを消費する!
最近はTikTokやインスタグラムなど、動画を投稿できるSNSが増えてきましたね。日常的にスマホで動画を見るのが当たり前になっている方も多いと思います。
SNS上で動画を見ると、NetflixやAmazon Prime Videoで映画やドラマを見るのと同じくらいパケットを消費してしまいます。
今回は「1日7時間以上もSNSで動画を見る私に合うプランはありますか?」というご質問ですが、先に結論を言うと「“何をどれだけ見るか”じゃなく、“パケット消費量”から合うプランを考えましょう」。
その理由をこれから説明していきます。
最近よく聞く「SNS使い放題プラン」本当にお得?
SNSに特化したキャリアやプランでいえば、以下の2つがよく知られています。
LINEMO「LINEギガフリー」
LINEのトーク、音声通話、ビデオ通話のパケット消費量がゼロ。20GBを超えても使い放題、速度も落ちない(※1)というメリットを謳っています。
ただし、よく調べてみると、LINEではトークを50万回、音声通話でも約56時間しないと1GBに達しないんです(※2)。毎月20GBを超えて「LINEギガフリー」の恩恵を受けられる人はごくわずかでしょう。
そう考えると、わざわざこのサービスを目的にLINEMOで契約する必要性はあまり感じられないのではないでしょうか。
※1 時間帯により速度制御の場合あり。
※2 ビデオ通話の場合は3時間
BIGLOBEモバイル「エンタメフリー・オプション」
YouTube、ABEMA、U-NEXTなど全21種類の対象サービスをどれだけ使用してもパケットが消費されないオプションです。
動画サービスをよく使う人には魅力的に感じますが、BIGLOBEモバイルは格安SIM品質で動画再生速度が遅い傾向にあるのがデメリット。
そもそも、動画をどれくらい見てもパケットが消費されないことにメリットを感じる人は、この遅さに耐えられないかもしれません。
動画を立ち上げて再生するまでのスピードも比較的遅めで、高画質で再生すると固まってしまうことも……。使用状況にもよりますが、快適に見られないことの方が多いようです。
まずはパケット消費量をチェックすることから
ここまでSNSに特化したキャリア・プランについて見てきましたが、やはりまずは「何をどれだけ使うか」じゃなく「実際のパケット消費量」をチェックするのが大切です。
チェックしてみたら、実は自宅のWi-FiにつないでTikTokを見ていたから全然スマホのパケットは使っていなかった……ということに気づく人もいるでしょう。
逆に、外出中や移動中など、Wi-Fiにつながず動画を見ることが多いなら、スマホはデータ無制限プランに変更して、自宅のWi-Fiは解約した方がお得になることもあります。
気をつけたいのが、スマホやWi-Fiを契約する時、店員さんに言われる売り文句。
たとえば、家電量販店で「動画をめちゃくちゃ見たいんです」と言ったら「それなら光回線を入れて快適に見ましょう」と返され、光回線のWi-Fiを契約してしまう。
その後、スマホの機種変更で「動画をめちゃくちゃ見るんです」と言えば「それなら大容量のプランにしましょう」と返され、スマホの大容量プランを契約してしまう。
結果、Wi-Fiとスマホ両方のメリットが重複してしまい、無駄な費用が発生してしまうことはよくあります。
店員さんの言うことって、本当に人それぞれ。言われるがままに契約してしまうのではなく、自分の使い方を正しく把握した上で契約しましょう。
最後にもう一度言いますが、「SNSや動画を見ているから……」という基準は捨てましょう。「使い方に合ったプラン」より「パケット消費量に合ったプラン」を選んでくださいね。
今回のポイント
- 「SNS使い放題プラン」は意外と節約にならないことも
- 「何をどれだけ使うか」じゃなく「実際のパケット消費量」をチェックしよう
- 店員さんの言うことは鵜呑みにしすぎない。自分のパケット消費量に合ったプランを選ぼう
(監修:鮎原透仁、取材・文:高橋千里)
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※この記事は2021年07月26日に公開されたものです