【File10】爽やかな男友達(仮)に幻滅した恋
今振り返れば「イタいな、自分!」と思うけれど、あの時は全力だった恋愛。そんな“イタい恋の思い出”は誰にでもあるものですよね。今では恋の達人である恋愛コラムニストに過去のイタい恋を振り返ってもらい、そこから得た教訓を紹介してもらう連載です。今回はりのこさんのイタい恋。
爽やか系の男友達に片思い。夏フェスで急接近
はじめまして。りのこです。
今回は思い出すだけでアイタタタ……と思った、夏の恋の思い出をお話しします。
学生時代、私は一緒にライブに行く友達とよくつるんで飲み会をしていました。その中に、当時好きだった人(仮称:Kくん)がいたんです。Kくんは社交的な陽キャで、いつも飲み会で気さくに話しかけてくれることが嬉しくて、隠キャな私はそれだけで恋に落ちてしまったのでした。
Kくんは、とある関東の夏フェスに参加すると言っていたので、「一緒に楽しみたい! あわよくばお近づきになりたい!」と思い私もチケットを購入。
夏フェス当日はKくんの友達とも合流して、グループでライブを観たり、ご飯を食べたりして、フェスの閉会まで一緒にいました。友達も増えてとても楽しい時間を過ごせたのですが、Kくんと2人で話す機会がなかなか持てなくて少し残念に思っていたところ、Kくんからこんなお誘いが。
「俺、車で来てるんだよね。家の方向途中まで一緒だし、送っていこうか?」
うおおおおおお!!! 好きな人の車に乗せてもらえるとか激アツ!!!!(歓喜)
お言葉に甘えて、Kくんの車の助手席に乗せていただくことになりました。
のぼせあがっていた私は「ミスチルの曲みたく、車の中で隠れてキスしちゃったらどうしよ~」と思ってました。しかしこの後、キスどころではない出来事が起きたのです……。
「俺、ドSだよ?」車でゲストーク展開
はじめは高速を走りながら、2人でたわいのない話をしていました。仲良い友達の話だったり、好きな食べ物の話だったり。最初の方はいたって健全な内容でした。
しばらくすると、Kくんからの質問にゲスなネタが混じりはじめます。Kくんを勝手に爽やか陽キャなイメージで見ていた私は、突然のきわどい話題に戸惑ってしまいました。
「ん〜? よくわかんない~」などとすっとぼけていたところ「えー? 何かあるでしょ? ちなみに俺、ドSなんだよね。りのはMっぽいよね」などと、更にどぎつい話題を振ってきました。
私の中では、自称ドSとMだと勝手に決めつけてくる男は地雷だと思っていたので、この時点で気持ちが揺れ動きます。
(はて……? スカな男を引いてしもうたか?)
せめてもっとロマンチックな流れにしよう! と思い、「キスは好きかも……」と答えたら、「俺はキス嫌い」とバッサリ。
えええええええ~~~!
ゲスな無茶ぶりに戸惑い……
「いつも女友達とそんな話を?」と聞いたら、これまで知り合った女性との数々の武勇伝を披露されました。
まさかここまでクズだったなんて……。普段は仲間から慕われていて、共通の友達からも「あいつは信用できる奴」と聞いていたのに。ここまでの豹変っぷりはさすがに驚きました。
そうこうしているうちに、私の自宅に到着。家に入りたいとは特に言われず、軽くハグをされて、その場で解散しました。
解散後に突然画像が送られてきて……
Kくんの闇を垣間見た一夜でしたが、実はこのエピソード、まだ終わりじゃないのです。
「一旦これでひと段落……もう私の片思いは終わったんだ……」と思っていた束の間、少し経った後にKくんからLINEが届きました。
するとそこには……!
「家ついたー。寝る前に一緒に楽しもう?」
というメッセージとともに、Kくんのヤバい写真が添えられていたのです! ただの変態じゃねーか!! さすがにこいつヤバい!! 何もしなくて正解だった!!
なんで好きだったんだろう? 私のバカ! さすがに見る目なさすぎ!! と思いながら、そのLINEに対しては返信せずに既読スルーしていたら、
「さっきはごめんなさい。○○くん(共通の友達)には言わないでください……」
といった謝罪文が届きました。謝るくらいなら送るなよ(笑)。
とはいえ、早めにKくんの本性を知れたのは良かったのかもしれません。
イタい恋から得た教訓「違和感を感じたらUターンせよ」
この時の出来事をきっかけに、私は「ちょっと良いな、と思ってもまずは信頼関係を築こう」と心に決めたのでした。
また、付き合っていない男性と密なスキンシップを取る流れになったときに、なんらかの違和感をキャッチしたらそこでストップして良いのだと学びました。ビミョーだな……と思いながら肉体関係を結んでしまったら、後々黒歴史になりかねません。
今回は私の失敗談を紹介しましたが、みなさんも“隠れダメンズ”に気を付けながら、夏の恋をエンジョイしてくださいね!
(文・りのこ、イラスト・菜々子)
※この記事は2021年07月25日に公開されたものです