「考慮」の意味と使い方は? 類語「配慮」「勘案」との違い
類語「配慮」や「勘案」との違い
「考慮」に似た意味の言葉として、「配慮」や「勘案」が挙げられます。ただ、どの言葉を使うのが適しているのか、迷ってしまうこともありますよね。
「考慮」とこれらの言葉がどのように違うのか、例文なども含めて一緒に考えていきましょう。
「考慮」と「配慮」の違い
「慮」には、「考える」「思いを巡らす」といった意味があります。そのため「考慮」と「配慮」どちらも「よく考える」ということを表します。
ただし、「配慮」は「心配り」「心遣い」を表す場合に使用する言葉。「考慮」のようなじっくり考える意味としては用いられません。
ポイントは何を目的にしているのか。「配慮」は「人や物事への影響」、「考慮」は「答えを出すこと」です。
そのため、「考慮」は相手の気持ちとは関係なく決断し、「配慮」は相手の気持ちを可能な限り組んで決断をくだすニュアンスの違いがあります。
一文字の違いで大きく意味が異なるため、状況に合わせてきちんと使い分けましょう。
例文
・環境に配慮した製品を作る。
・彼女の希望に配慮して、人事異動を決定しよう。
「考慮」と「勘案」の違い
「勘案」には「考え合わせること」という意味があり、さまざまなアイデアや意見をまとめるという意味で使います。
一見すると「考慮」と同じような意味ですが、「考慮」の場合は単一のことを考える際にも用いられます。
つまり、「勘案」は複数のことを同時に考える時だけ使用できる一方、「考慮」はどんな場合でも使えるという違いがあるのです。
使い勝手の面ではあらゆるシーンに対応できる「考慮」が上回っており、あえて「勘案」を使う場面は少ないでしょう。
ただ、「勘案」は「考慮」よりもかしこまった表現となるので、大勢の人の前で意見を述べる時などには、積極的に使ってみてくださいね。
例文
・AとBの事情を勘案して、新しい計画を作ろう。
・さまざまな意見を勘案することで、より使いやすい商品が生まれる。
「考慮」「配慮」「勘案」を使い分けるコツ
「考慮」「配慮」「勘案」は、それぞれ使いどころが似ており、間違って使いやすいため、きちんとした使い方をここでマスターしましょう。
手軽に3つの言葉を使い分けるポイントは、「結論に柔軟性があるか」「考えることの数はいくつか」の2つです。
対象の事柄について、相手の意見などを取り入れられる状況の場合は「配慮」、分からない場合や余地がない場合は「考慮」もしくは「勘案」が適切です。
そして、考えることが1つの場合は「考慮」、複数の場合は「勘案」が当てはまります。
慣れるまでは難しいかもしれませんが、2つのポイントに気をつけるだけで的確な言葉を使えるようになりますよ。