検定試験の質的向上および社会的通用性を高めるための調査研究・支援などを行っている、「」は、全国の高等教育機関(大学・大学院、短期大学、高等専門学校、専修学校等)733校を対象に、「検定に関する実態調査」を実施。「教育機関側から見た資格・検定」というテーマで、高等教育機関が資格・検定取得者に対してどのような評価をしているかなどを調査した。調査期間は1月15日~2月8日。
■国立大学・大学院では語学系民間資格・検定が入学の目安として考慮される
入学の目安として考慮している民間の検定・資格試験ついて聞いたところ、国立大学・大学院では「語学系民間資格・検定(17.2%)」が最多となった。また、公立大学・大学院では「国家資格(税理士、社会保険労務士など)(12.5%)」、私立大学・大学院では「教育系民間資格・検定(70%)」が最も多い回答となり、高等教育機関により異なる結果となっている。
一方、「設けていない/考えていない」という回答は、「専修学校(専門学校)(30.4%)」以外はかなり少ない結果となっており、入学の目安として民間の検定・試験を考慮している学校が多いことがわかった。
■実績がある検定は活用される傾向が高い
今後、民間の検定・試験を活用し奨励する場合の判断基準に関して、どのような検定・資格試験が信用度が増すと思うか質問したところ、「官公庁などが後援している民間の検定・資格試験」「検定試験の評価を行う第三者評価機関によって認証される民間の検定・資格試験」「検定実施団体が自ら自己評価(点検)をおこない、その結果を公開する検定・資格試験」のすべてにおいて、約半数がポジティブな評価となっている。
中でも、高等教育機関の67.9%が「信用度が増す」(「とても信用度が増す(5.9%)」、「信用度が増す(61.7%)」の合計)と回答した選択肢は、「官公庁などが後援している民間の検定・資格試験」だった。
民間の検定・資格試験を活用・奨励する際に、判断する基準を聞いたところ、最も多かったのは「実績があること(58.1%)」。次いで「官公庁等の公的機関が後援していること(48.6%)」となった。
「官公庁等の公的機関が後援していること」のほか、「知名度が高いこと(34.4%)」や「各種情報開示がされていること(30.6%)」も多くの学校が選択をしていることからどう団体では、「学校としては民間の検定・資格試験を活用、奨励する際に検定・資格試験それ自体の信頼性に対しての不安があるのかもしれない」と分析している。