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「優越感」とは? 意味や浸る人の心理・抑える方法を解説

笹氣健治(心理カウンセラー)

なぜ優越感に浸りたいと思ってしまうのか

優越感に浸りたがる人には、「うらやましがられたい」「自分の有能さを示したい」「特別扱いされたい」といった心理があることを説明しましたが、このような心理に至るには原因があります。

ここでは、優越感に浸りたいという心理の根底にどのような原因があるのかを1つずつ説明していきます。

(1)自分の価値が低いのではと恐れている

優越感に浸りたがる人は、自分の価値が低いのではないかという恐れが心のどこかにあり、それによって、心の底から自己肯定できず、自信を持てなくなっています。

そのため、有名ブランドを身に着けたりステータスを得たりして、その恐れを払拭しようとします。

これは「同一化」という心理です。同一化とは心の防衛機能のことで、自分の心の弱さを守るための無意識の働きのこと。有名ブランドやステータスを自分と一体化させることで、自分の価値も高いと感じようとしているのです。

「うらやましがられたい」という心理の背景には、自分自身の無価値感が大きく関わっている可能性が高いでしょう。

(2)優越コンプレックスを持っている

優越コンプレックスとは、何らかの劣等感があるために自信が持てず、優越感に浸って劣等感から目を背けようとする心理のこと。

優越コンプレックスを持つ人は、心のどこかで、こんな自分は価値がない人間だと思っています。そのため、自分を価値がある人間に見せるために、能力や知識をアピールして、「自分は有能な人間なんだ」と自己確認しようとしているのです。

「自分の有能さを示したい」心理の背景にも、自分の価値を感じられないという問題がひそんでいることになります。

(3)精神的に未成熟

人は、幼い頃は自分のことだけを考えて生きています。欲しい物をねだり、それが手に入らないと泣きわめきます。

やがて、年齢を重ねると共に他人と関わるようになり、全て自分の思い通りにはならないことを理解します。社会で生きていくためには、自分の欲求を抑え、他人の気持ちを尊重することが必要だと学ぶのです。こうやって、人はさまざまな経験を通して精神的に成長していきます。

ところが、中には大人になっても精神的に未成熟な人がいます。いつまでも自分を特別扱いされるべき人間だと思い込み、特別扱いされることで優越感に浸ろうとするのです。

この人にとって、世界の中心は自分であり、他人は自分を満足させるために存在しています。優越感を味わうことは、自分は特別だと感じられるという点で、とても重要な意味を持ちます。

「特別扱いされたい」心理には、精神的に未成熟であることが関係している可能性があります。

このように、優越感の裏には「劣等感」が隠されていることが分かります。では、それを克服して優越感を求めなくなるには、いったいどうすれば良いのでしょうか。

▶次のページでは、優越感の抑え方を紹介します。

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