違約金って何? お得にキャリア変更する方法
ドコモ・au・ソフトバンクが発表した新ブランドの始動を皮切りに、訪れようとしている“スマホ料金戦国時代”。スマホ代を節約したいけど調べるのすら面倒という全ての働く女性たちのお悩みに、携帯料金見直しの専門家である鮎原透仁さんが回答します。
今回のお悩み:損せずにキャリアを乗り換えたい
今契約している携帯キャリアを解約し、別会社への乗り換えを検討しています。ただ、月々の料金が安くなるとしても、乗り換える時に色々とお金がかかってしまって結局損だった……とならないか心配です。乗り換える際に知らないと損することって何かありますか?
大手キャリアを解約する時にかかるお金って?
今契約しているキャリアから別のキャリアに乗り換える際には、さまざまな費用がこれまで発生していました。主に以下の3つです。
(1)2年縛り(※1)の契約を途中解約した場合の違約金:10,450円
(2)電話番号をそのままで乗り換えできるMNP(モバイルナンバーポータビリティ)手数料:税込3,300円
(3)乗り換え先のキャリアの新規事務手数料:税込3,300円
※1「2年縛り」……2年単位での契約を行い、2年ごとに自動更新される仕組み
上記3つの費用を合わせると、約17,000円かかっていました。
しかし、2019年10月から(1)の「2年縛り」の仕組みが変更に。国の法律で「違約金は1,100円までしか取ってはいけない」と制限されたので、これにより、今現在違約金が10,450円のプランに契約中の方でも、新しいプランに変更すれば違約金を減らすことができます。
さらに、今年の春から(2)のMNP手数料も各社撤廃。電話番号はそのままで、無料で乗り換え手続きができるようになりました。
ただし、ドコモだけは解約金留保(※2)期間があるのでご注意ください。あまりにも不評なため、今年の秋頃に廃止予定です。
※2「解約金留保」……法改正後のプラン(違約金1,100円)に変えても、次回の更新月までは法改正前のプラン(違約金10,450円)の解約金がかかってしまう制度
新規事務手数料がかからない「お得な乗り換え方法」って?
以上のような法改正・制度変更の結果、今年の春からは、他キャリアへの乗り換えにかかる費用は大幅に減額されました。
さらに、同じキャリア内でのブランド移行なら新規事務手数料は0円となります。その上、違約金が発生するプランであっても、違約金が免除されます。
<例>
・ドコモ→ahamo
・au→povo、UQmobile
・ソフトバンク→LINEMO、Y!mobile
なお、新ブランドのahamo・povo・LINEMOは、他社からの乗り換えであっても新規事務手数料はかかりません。
スマホを安く購入できる「乗り換え特典」を使うのも手
キャリア乗り換えの際に新しいスマホ端末を買うのであれば、「乗り換え特典」として端末の値引きが発生する場合があるので、この特典を使うのも手です。基本的にはauからドコモなど、別キャリアのブランドに移行する際の特典となります。
<例>
・au→UQmobile(auブランド):端末値引きなし
・au→Y!mobile(ドコモブランド):端末値引きあり
私自身も過去に乗り換え特典を活用して、約9万円の最新iPhoneを無料で購入できたことがあります(笑)。
ただしこれも2019年の法改正で規制が厳しくなり、値引きの上限が2万円になりました。逆にいえば2万円までなら値引きしてくれるということです。
新しいスマホ端末の購入を検討しているのなら、新規事務手数料はかかってしまうけれど、別キャリアに移行した方が結果的にお得な場合もありますよ。
今回のポイント
- 同じキャリア内でのブランド乗り換え、または新ブランドahamo・povo・LINEMOへの乗り換えがお得
- 新しいスマホ端末を買うなら、「乗り換え割」を活用して他キャリアに移行するのも手
(監修:鮎原透仁、取材・文:高橋千里)
※画像はイメージです
※この記事は2021年05月31日に公開されたものです