【No.7】かわいさに包まれているのは熱意。カンテレ・アナウンサーのバッグ
いつも輝くあの人は、仕事でどんなバッグを使っているんだろう? バッグとその中身は、仕事への姿勢や価値観を映す鏡。企業で働くマイナビウーマン世代の女性をインタビューし、彼女たちの仕事バッグをのぞく連載です。
撮影:須田卓馬
取材・文:照井絵梨奈/マイナビウーマン編集部
「今まではバッグにこだわりはなかったけど、仕事を頑張ろうと気合いを入れるために、初めて自分で良いバッグを買ったんです」
テレビで見る笑顔そのままに語ってくれたのは、関西テレビ放送アナウンサーの谷元星奈さん。「おかべろ」や「所JAPAN」「よ~いドン!」などの番組で活躍し、忙しい日々を送っている。出張も多いと語る人気アナウンサーは、どんなバッグを持っているんだろう。
谷元星奈さん(25歳)
関西テレビ放送のアナウンサー。「おかべろ」「所JAPAN」「よ~いドン!」「2時45分からはスローでイージーなルーティーンで」などに出演。第37回 FNSアナウンス大賞「番組部門」で1位にあたる『アナウンス賞』を受賞。
「学生時代は鉛筆1本で大学へ行っていたくらい、持ち物に頓着が無かったんですよね。アナウンサーになってからも自分には不相応なのでは……と“良いバッグ”を避けていました。でも、4年目になった時に記念やご褒美の意味も込めて、ドラマで見て憧れていたバッグを買ったんです」
そう語って見せてくれたのは、ステラマッカートニーのピンクのバッグ。SNSが発達したこの時代でも、アナウンサーの彼女はテレビ番組の衣装などを参考にすることが多いのだとか。
「やっぱりテレビが好きでこの仕事を選んだので、“インスタ映え”よりも、テレビを見てこれ可愛いな、おいしそうだな、楽しそうだな、と心躍るタイプです。
このバッグもドラマで一目ぼれして買ったのですが、かわいいだけじゃなく大きくてなんでも入るところが仕事バッグとして役立っています。担当番組の兼ね合いで出張などが多く、荷物が多いんです」
●バッグの中身
1 手帳
2 テネリータのタオルハンカチ
3 常備薬用ポーチ
4 コクヨのCampusノート。R-1グランプリ勉強用
5 iPhone 12Pro
6 関西テレビ制作ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」のエコバッグ
7 Apple Watch
8 Aesopの香水 マラケッシュ インテンスパルファム
9 uka nail oil 18:30
10 AUX PARADIS sabonの香りのハンドクリームとathletiaアロマラッピング ハンドクリーム 03 EARLY AFTERNOON
11 LONGCHAMPの財布。父からのプレゼントで高校生から愛用中
12 マリークヮントの化粧ポーチ。雑誌の付録
13 プロテインシェイカー。現在パーソナルトレーニングジムに通っているんだとか
14 Samantha Thavasaのペンケース
15 COACHのパスケース。母からのプレゼントで社員証を入れている
全体的にピンク系のものが多く、可愛らしい印象。ピンクのアイテムは意識的に選んでいるそう。
「ピンクが好きというのもありますが、持ち物を同じ色でそろえることで購入時に迷わなくなるのも良いかなって。あとは性格があまりおしとやかではないので、せめて持ち物でかわいらしさを保とうかと(笑)」
屈託のない笑顔で語る彼女だが、メイク道具は一式持ち歩くなどのこだわりも。肌が弱いため、現場で使用するメイク道具はベースアイテムからポイントメイクに至るまで自分に合うものをそろえているんだとか。
「メイク道具がたくさんあるので、ポーチはサイズが大きく、自立して、汚れても大丈夫なものが良い! でも、あまりその条件に合うものが見つからず……。今は雑誌の付録を使っています」
付録のポーチを使っているなんて、華やかな職業からは想像できないほど庶民派だ。その親しみやすさが高い好感度の理由にもなっているのだろう。
動物のイラストがあしらわれたアイテムも目を引く。米津祐介のイラストが特徴的な手帳にはどのようなことが書かれているんだろうか。
「スケジュール管理は紙派です。アプリも試したけど、予定の変更も多い仕事なので紙の方が使いやすく感じています。書いたら覚えられますしね。複数の番組について同時に進行していることも多い中、並行して予定を見られるのも紙ならではのメリットです」
手帳の内容は仕事のことがほとんど。書き込む際のペンなどにこだわりはなく、その時手元にあるものを使うと語る様子からも忙しさが伝わる。手帳の他に、「R-1グランプリ」と表紙に書かれたノートも。これはなんだろう。
「入社1年目から “ひとり芸日本一決定戦”『R-1グランプリ』の配信番組や特番でアシスタントを務めています。担当するにあたり、R-1について猛勉強しました。R-1は2002年から開催されているんですけど、2018年までの回を全て見て、ネタや結果などをまとめています」
中を見せてもらうと中にはメモがぎっしり。多忙なスケジュールの合間にできる勉強量には思えない。
「勉強しているかしていないかは、芸人さんだけではなく視聴者の方にも伝わると思うんです。R-1は特にお笑い好きな方が見て下さっていると思うので……。色んな情報を貼り付けてメモを書き込んだり、準決勝を劇場まで見に行って会場の空気などを忘れないように記入したりしています」
他の番組も担当している中、そこまで徹底できるなんて相当なプロ意識だ。
「テレビにはたくさんの人が関わっています。例えば、ディレクターさんをはじめとする作り手、映像や音声で情報を届ける技術さん、そして、様々なジャンルで輝く出演者の皆さん。全員、その道を極めたプロ、全員なくてはならない存在です。
そんな皆さんの横にいると、時々アナウンサーができることって何だろう、アナウンサーって何だろうと思うことがあるのです。
たまたま採用試験に合格し、何の経歴もないのにピンマイクをつけてもらってテレビに出る。でも、それを当たり前だと思ったら大間違いです。私は何か秀でたものを持っているわけじゃない、だから最低限、勉強して番組に臨むという姿勢を忘れたくないんです」
語る姿は自然体だが、内容は非常に謙虚。その姿勢は共演者や視聴者にも伝わっているだろう。
「こういう風に勉強していると、本当に、ごくたまに役立つ瞬間があって。この仕事は99%、準備でできているんじゃないかな。丁寧に、念入りに。そうすることでちょっぴり自信をもって本番に臨める気がします。」
徹底したスケジュール管理や、番組のための勉強。プロ意識の高さがにじみ出るアイテムの他に、香りものも複数入っている。これはどんな時に使うんだろう?
「仕事が自分のキャパシティを超えそうでいっぱいいっぱいになってしまったことがあって。そんな時、スタイリストさんの手からものすごく良い香りがしたんです。それがAUX PARADISのハンドクリームでした。どこのものかその場で聞いて、すぐに買いましたね。この香りに当時は救われた気持ちになりました。
athletiaのハンドクリームも同じスタイリストさんからのプレゼントです。仕事柄あまり香水をつけないので、ハンドクリームやネイルオイルなどの保湿アイテムで香りを楽しんでいます。」
乾燥しがちなテレビ局。保湿もできるアイテムで賢くリフレッシュをしているのだろう。ストレスの多い一方で常に時間を意識する職業だからこそ、上手なリセット方法を彼女は知っているのだ。
一見仕事に関わりが無いように思えるアイテムも、目的を聞くと仕事につながっている。体やメンタルのケアにも気を使っている様子が分かるアイテムからも、彼女の真面目さが伝わってきた。
「仕事をうまくやっていくには体のケアも大事なんだなって最近気づいたんですよね。それまでは夜中に好きなものをおなかいっぱい食べて太っちゃったり……ということもあったんですけど(笑)。でもそれだとこの仕事を続けていけないと思って、今はパーソナルトレーニングも頑張っています!」
これまでの話に一貫しているのは、ストイックかつ謙虚な姿勢。忙しい日々を過ごす中で4年目ともなると気持ちにゆるみが出てきてしまいそうだが、彼女はなぜそこまで熱意を持ち続けていられるのだろう?
「私、中学生の頃からずっとアナウンサーになりたいと思っていたんです。当時は誰にも言えなかったんですけど、それくらいなりたかった職業に今、就けているんですよね。それってとてもありがたいことだし、幸せなことだなって思います。
大変なことももちろんあるけど、今、手を抜いてしまうことで、当時のピュアな気持ちを裏切りたくないとは思っています」
華やかに見えるアナウンサーという職業。しかし彼女の中にあるのは愚直なまでの熱意だ。真面目さが伝わるアイテムが詰まったピンクのバッグは、まさに彼女を表しているように感じられた。
Infomation
『2時45分からはスローでイージーなルーティーンで』
毎週 月曜~金曜 午後2時45分~午後3時45分(関西ローカル)
MC:(月)見取り図(火)アキナ(水)週替わり(木)ゆりやんレトリィバァ(金)ミルクボーイ
アシスタント:(月・火)谷元星奈(カンテレアナウンサー)、(水~金)川島壮雄 (カンテレアナウンサー)
“スロー&イージー”をテーマに、昼下がりに知りたい情報を若手実力派芸人と共に1時間生放送でお届けするライフスタイル番組。
若手芸人がネタを披露する「スロー&イージー笑活(わらかつ)ルーティーン」の他、知って得する情報のクイズや、視聴者からのお悩み相談などの日替わりコーナーにも注目です。
※この記事は2021年05月10日に公開されたものです