「ご教授願います」の意味は? 正しい使い方と注意点
シーン別「ご教授願います」の使い方
「ご教授願います」は目上の人に使うのが一般的ですが、具体的にどのように使うのが適切なのでしょうか。ここでは正しい使い方をシーン別に整理していきます。
プロに教えを依頼する際
先生や講師など、その道のプロに教えを乞う場合は「この道のプロとして活躍したいので、どうぞご教授お願いします」のように使用します。
初対面や身分の高い相手であれば、より丁寧な「ご教授お願い申し上げます」などと活用しましょう。
取引先へ締めの挨拶の例文
「今後とも末永くご教授願います」「ご教授くださいますよう、よろしくお願い申し上げます」は手紙やメールの締めの一文にも使えます。
この場合、特に具体的に何かを教えてほしいというわけではなく、挨拶として用いるのが一般的です。他にも、次会うことが決まっており、実際に教えてもらえる機会がある場合などに活用できます。
知識を教えてもらう際
知識の伝授を依頼したい時は「貴社の高い生産技術をぜひとも弊社にご教授くださいませ」「勉強不足でお恥ずかしいのですが、ご教授いただけませんでしょうか」のように用いましょう。
高度なスキルや技術を相手から学びたい時に適切です。学びたいのは「スキルや技術」なので「教示」ではなく「教授」を使います。
謝罪を伝える際
謝罪を伝えた上で、今後も指導をお願いしたい時は「貴重なご意見ありがとうございます。今後ともご教授願います」「この度は申し訳ございませんでした。今後も努力を重ねていく所存でございますので、ご教授のほど、よろしくお願いいたします」と丁寧な言い回しを使いましょう。
先輩や上司から指摘を受けた場合の謝罪文に適している他、「これからも気づいた点があれば指導してください」という謙虚な気持ちを伝えられます。
「ご教授いただけますよう、何卒よろしくお願い申し上げます」も最適です。
「ご教授願います」を使う際の注意点
「ご教授願います」は「ご教示願います」と混同しやすい他、気をつけるべき点がいくつか存在します。ここでは「ご教授願います」を使用する際の注意点を解説します。
「ご教授」を「ご享受」としない
「ご教授」と「ご享受」は、読みは同じですが意味が違います。「享受」は恵みや恩恵を受けて楽しむ、得をするという意味です。
そのため「ご享受願います」とすると「楽しんでください」のニュアンスになってしまうので気をつけましょう。
目上の人には極力使用を避ける
「ご教授願います」は誤りではないですが、丁寧さにはやや欠ける印象です。人によっては「願います」が命令口調のように感じる場合も。
より丁寧さを表すなら「ご教授いただけますか」とするのが良いでしょう。
口語ではあまり使わない
「ご教授願います」は口語だとやや堅苦しい印象を与えます。基本的には手紙やメールに用いる表現です。
ただし結婚式のスピーチなどフォーマルな場所での挨拶に使うのは問題ありません。
堅苦しい印象を避けるなら、「お教えください」など柔らかい言い回しを活用しましょう。
気遣いのフレーズを添える
気遣いのフレーズで前置きすると、丁寧で謙虚な姿勢が伝わります。具体的には、「恐縮」「恐れ入る」「お手数」「勝手を申し上げる」などの言葉を添えます。
「お忙しいところ恐縮ではございますが、ご教授願います」とすれば、不躾な印象が緩和されます。