周りより残業が多くてしんどい時の対処法
仕事で大成功を成し遂げたいとか、そんな大それた野望はないけど、なんとなくうまくやりたい。いつもの働き方を小さくアップデートする「お仕事ハック」を紹介します。
今回のお仕事ハックは「周りより残業が多くてしんどいと感じた時の対処法」について、ライターのぱぴこさんがアドバイス。
周りより残業が多くてしんどい……。
私は一般企業の営業をしています。外回りを終えて夕方から事務作業をすると、いつも帰りは定時を過ぎてしまいます。そんななか帰りの電車で友人たちのSNSを見ると、定時後に自分の時間を楽しんでいる子たちばかりです。
「自分にはそんな時間ないのに……」と正直つらくなってしまいます。こういう時、どうやって気持ちを切り替えれば良いのでしょうか。
SNSは、会えなくてもコミュニケーションが取れるという意味では良いものなのですが、現実世界で交わらない人間同士の生活が見えてしまうという意味ではとても悪いものですよね。
今回は、そんな「ちょっと難しいSNSの側面」がモロに見えた事例です。
SNSは幸福度を下げる⁉ 研究結果が物語るもの
ピッツバーグ大学医学部の研究チームの調査結果では、SNS利用者の25%以上がうつ病になる可能性が高いということが判明しています。さらに、SNSの利用頻度が低い人に比べ、頻度が高い人がうつ病になるリスクが2.7倍だと論じています(※1)。
また、ペンシルベニア大学の研究でもSNS利用を1日30分程度に制限することで幸福度が上がる、という結論を出しています(※2)。
その他『Journal of Social and Clinical Psychology』の中にはSNSが孤独感や抑うつ状態を加速させることを結論づける論文が多数掲載されています。
と、いうように「SNSを見すぎると、他者との比較をしてしまい、それによって気分が憂鬱になったり幸福度が下がる」という事象はもはや現代病のひとつと言っていいのです。
相談者さんだけじゃない! 私は毎日のようにTwitterをやっているツイ廃なのでやめることで幸福度が爆上がりする可能性は高いですね……やめないけども。
嫌なものは封印するに限る
最も簡単な方法は「見ない」こと。
研究結果はそれぞれ1日の利用時間を制限することで幸福度が上がる、もしくは抑うつ状態が改善すると結論づけています。
困った時は物理遮断が最も良く効くというのは世界の真理です。ヤバイものは封印する。古来から脈々と取られた行動はやはり重要な示唆をはらみます。
正直、見て凹んでしまう気持ちはどうしようもありません。「他人をうらやんでも仕方がない」「自分は自分と割り切る」というのは正しいのですが、「それができたら悩んでないよ!」という話。
ネガティブな感情を抱える時は、自分でも「こんなことをしていてもしょうがないのに」と自分を責めてしまうので、正論は置いておきましょう。
「ヤバい時は距離を取る! 見ない! 臭いものを嗅ぎに行かない!」これでメンタルはずいぶん守られます。
仕事自体がつらいなら、異動や転職も視野にいれて
「見ない」という選択肢はあくまで対処療法です。仕事が本当につらくて、本来は自分もアフターファイブを楽しみたい……という気持ちが強いのであれば、異動や転職で根本的に「残業が発生しない仕事」に環境を変えることも視野にいれるのがいいでしょう。
臭いものには蓋をしたっていいんです。とりあえず自分が心地良く、元気になれたら受け取り方も変わってくるかもしれません。
弱り目にたたり目を自らSNS行脚によって深めないように潔く封印! これに限ります。
(※1)出典:Association between Social Media Use and Depression among U.S. Young Adults
(※2)出典:Journal of Social and Clinical PsychologyVol. 37, No.10
Point.
・メンタルがやられている時のSNSは毒性が強め
・研究結果でもSNSを制限することで幸福度が上がるという結果が出ている
・自分がベストでない状態の時に、他人の生活を見てしまうのは危険なので封印
・「嫌なものから距離を取る」は簡単で効果的な対処法
(文:ぱぴこ、イラスト:黒猫まな子)
※この記事は2021年04月20日に公開されたものです