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東京に疲れたあなたへ。逃げじゃなく“次のステージ”に進むという選択

#お仕事ハック

ヨダエリ

仕事で大成功を成し遂げたいとか、そんな大それた野望はないけど、なんとなくうまくやりたい。いつもの働き方を小さくアップデートする「お仕事ハック」を紹介します。

今回のお仕事ハックは「上京して3年、そろそろ心が限界……」とのお悩みに、コラムニストのヨダエリさんがアドバイス。

上京して3年、そろそろ心が限界……

私は親の反対を押し切って就職と同時に上京し、今は憧れだった丸の内OLとして働いています。ただ、3年経った今、東京での生活に限界を感じるようになりました。電車に乗れば満員電車、ランチは1,000円以上、狭い1Kに11万円の家賃……こんなに東京で生きていくことが大変だとは思っていませんでした。

また、周りを見ればかわいい服を着て、きれいなネイルとまつ毛を光らせながら働いている人たちで気が抜ける瞬間もなく、心も休まらないです。だからと言って地元に戻るのはカッコ悪いし、どうすればいいのか分かりません。私と同じような人はどうやって社会人として生きているのでしょうか?(営業/20代)

傍から見ると、おしゃれでスマートに人生を乗りこなしているように見える丸の内OL。

でも実際は、水面下で全力で水をかいていますよね。

真面目に働きつつもバリバリしすぎないようマイルドさを意識し、笑顔を絶やさず、服やメイクにも気を抜かない。キラキラして見えても、心はヘトヘト、体はクタクタ……。その大変さ、痛いほど分かります。

私も親の反対を押し切って今の仕事(フリーライター)を選び、一人暮らしを始めた部屋は家賃10万円の狭い1Kでした。

東京出身なので上京の苦労こそなかったものの、親が頻繁に口を出してくるという別の息苦しさがありました。なので、自分の進みたい道を反対せず見守ってくれる親がいる人が正直うらやましかったです。

一方で、反対されても折れない気持ちがあったからこそ、この仕事を続けられたとも感じています。親の反対で揺らぐようなら、どのみち長くは続かなかったでしょう。楽な道ではないことへの覚悟だけはあったのです。

その上であなたに伝えたいのは。これからどんな道を選んでもなんとかなるよ! ということ。

これまで電話相談も含め、さまざまな相談を受けてきましたが、「親との関わり方」は、その後の生き方に深く影響します。あなたは自分の意志で上京し、反対を押し切って丸の内OLとして3年間働いてきた。その事実は、あなたの強さを証明しているのです。

だから、今、東京での生活に限界を感じると思うのは逃げではなく、次のステージに進むサインだと私は思います。進化の前にカオスあり。「今のような生活を続けるべきだろうか」「違う生き方もあるかも」という、自然な転機の訪れです。

だから、地元に帰るのも全然カッコ悪くないし、別の職種に挑戦するのもいい。もっと家賃の安いエリアに引っ越したっていい。

実際、最近は東京の西エリアや、千葉・埼玉・茨城など近県に移住する20〜30代が増えているようです。テレワークの普及や交通網の発達なども助けとなり、「働き暮らす場所=東京」と決めつけない価値観が広がりつつある。近県だけでなく、遠方の地域でこれまでとは全く違う生活を始める人たちもいます(私の友人にもいます)。

私自身も、東京の狭くて高い部屋より、神奈川の少し広くて落ち着いた物件を選んで暮らしています。

ただ、いつ、どんなステージに進むかのタイミングは、人それぞれ。「ここでやれることはやりきった」と感じるなら転職もアリあり、全く違う生き方にシフトするのもアリ。「もう少し踏ん張ろう」と思うなら丸の内OLを続けるのもアリ。

大事なのは、“他人の期待”や“他人の目”ではなく、“自分の心”に従うこと。

そうは言っても、色々な気持ちがゴチャゴチャしていて……と悩む場合は、「自分にとって一番つらいのは何か」「そのつらさがない場所はどこか」を考えてみてください。

頑張ってきた人がつらさの元から離れるのは逃げではなく、次のステージに進むために必要な準備です。

自分の人生を自分で切り開いてきたあなたは、強い意志と行動力のある人。でも、だからこそ無理をしてしまうところもあるはず。たまには仕事帰りにおいしいものを食べたり、心を許せる相手に弱音を吐いたりしながら、焦らず歩いて行きましょ!

Point.

・頑張ってきた人がつらさの元から離れるのは逃げではなく、次のステージに進むために必要な準備
・親の反対を押し切って上京し、実はハードな丸の内OLを3年間続けてきたあなたは、既に充分頑張ってきた人
・自分の意志で自分の人生を切り開いてきたあなたなら、今度どんな道を選んでも大丈
・進路に悩む場合は、“他人の期待”や“他人の目”ではなく、“自分の心”に従おう

(文:ヨダエリ、イラスト:黒猫まな子)

※この記事は2025年11月04日に公開されたものです

ヨダエリ (コラムニスト)

コラムニスト/恋愛アナリスト。慶應義塾大学文学部卒業後、PR会社勤務を経てフリーに。思春期はドイツ在住。メトロセクシャルについて分析したコラムが『AERA』『anan』など多数の媒体で話題になると同時に、携帯サイトで連載していた恋愛相談コラムが口コミで人気に。現在は新聞・雑誌・ウェブでライフスタイルやトレンド、男女の心理にまつわる記事を執筆するかたわら、エキサイトお悩み相談室で電話相談も実施。著書に「その恋、今のままではもったいない!」(情報センター出版局)「今度こそ『信じられる人』と恋愛する本」(すばる舎)など。

●ブログ「cafe dayorin」
https://ameblo.jp/dayorin/

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