キャリアビジョンが描けない……。どうしたらいい?
仕事で大成功を成し遂げたいとか、そんな大それた野望はないけど、なんとなくうまくやりたい。いつもの働き方を小さくアップデートする「お仕事ハック」を紹介します。
今回のお仕事ハックは「キャリアビジョンが描けない」とのお悩みに、ライターのぱぴこさんがアドバイス。
キャリアビジョンが描けない……。
職場の人と話していると皆それぞれのキャリアビジョンを持っています。
「何歳までにこのスキルを身につけて~」「いずれは独立して~」などという話を聞く度に焦りを感じます。
かといって自分のキャリアビジョンを描こうと思ってもなかなかできません。
目先の仕事をこなすのに精いっぱいな自分は情けないのでしょうか。
皆さんがどうやってビジョンを掲げているのか知りたいです。
その職場は、実は特殊なのでは???
私がこの疑問を持つ理由は2つあります。
1.体形的にキャリアプラン(ビジョン)を考える訓練がある環境でなさそう
2.友人を含めた周囲の人とキャリアプラン(ビジョン)を語る人は多数派ではない
1点目。上司との四半期から年次フィードバック面談などが頻繁にある環境であれば、多かれ少なかれ「キャラプラン(ビジョン)」を描く機会があるはずです。
真面目にやる1on1ミーティングがあれば、上司向きのコメントとは別に「今後どうするか」を少なからず考えるものです。
しかし、周囲と比べて焦るということは、キャリアプラン構築が社のスキームとしてはないが、周囲の人の意識は高いという状況なのかな? と推察しました。
2点目。本原稿も含めてキャリア相談はよく舞い込みます。しかし、案外「周囲の人とキャリアについて語る」ことは一般化していません。
また、Twitterで「友人とキャリアやお金の話をするか?」という趣旨のアンケートを取った際も、「ふんわりとする」がボリュームゾーンで、「しない」という回答も少なくありませんでした。
この2点から、「環境、または周囲の意識が高めなのではないか」と感じます。なので、「皆ビジョンを掲げて、それを周囲と話しながら仕事をしているか?」という疑問に対しては「それは一般的ではない」と回答します。
また、意地悪を言うと「何歳までにこのスキルを身につけて~」「いずれは独立して~」という話を、頻繁にしゃべっているのも少し気持ちが悪いなって思ってしまいました。
いや、ちゃんと考えて言葉に出すのは大事なのですけどね。言霊はあるっていうし……。
プランは必要だけど、ビジョンはどうかな?
キャリアビジョンとは「どう働くか」の理想です。
私のキャリアビジョンは突き詰めると「働きたくない」になります。が、あまりにも抽象的なので、「働かなくてよい状況とは?」「なるべくリスクが少なくなるためには?」とブレイクダウンして、現在のキャリアと必要なキャリアを擦り合わせて「キャリアプラン」を作成します。
相談者さんは「ビジョンがない」と悩んでいますが、「キャリアプランをきちんと考えていない」ことへの不安に見えます。
個人の理想追求が最重要課題になりがちな現代ですが、ぶっちゃけ仕事の動機なんて、「働かないとおまんま食べられないから働く」くらいでいいと思っています。悩むくらいなら。
ただ「食っていくためにも戦略は必要」なのでプランニングは必要です。ビジョンだなんだと掲げる方がやる気がでるのであればそうしたらいいし、そうでないならそんな部分考えなくていいです。所詮、労働ですよ。
キャリアは積上げ。近視眼的にならないために必要なのが計画。
「目先の仕事をこなすのに精いっぱいな自分は情けないのでしょうか。」とのことですが、キャリアは積上げで未来ばっかり見てても、現実のスキルが身についていなければ意味がありません。
なので、今の仕事をやることも、余裕がないことも情けないなんてことありません!
ただ、ずっと「目先の仕事だけ」に従事してしまうと、気が付いたら「役に立つのか立たないのか不明な人材」になるリスクはあります。そうならないために必要なのが、先にも述べたキャリアプラン設計(戦略)です。
私は定期的にキャリアの棚卸と、今後必要になるキャリアを考えてプランを作ります。プランの中には実際にカジュアル面談を挟んだり、エージェントと意見交換をすることも含まれます。
例えば、転職するつもりがなくても求人を見て「どんな人が市場に求められるか」を確認すれば「この能力があると高値で売れる」ものが見えてきます。
あとは自分の今のキャリアをそのまま進んで到達できるのか、できないのか。できないのならば、それはどこかで給与ダウンを含んでも得るべきものなのか、などの選択になります。
これがいわゆる「何歳までに〇〇という経歴を取った方がいい」という発言につながる源です。
往々にして「キャリアプランをどうしていけばいいのか」に関してはリサーチ不足が大多数です。特に若年層のキャリアプランに関しては明確に「知らない」ことがボトルネックになるので、まずはリサーチをすることです。頑張って!
Point.
・キャリアビジョンを語り合う環境は一般的ではない
・キャリアビジョンを掲げなくてはならないこともない
・キャリアプランは必要なので、プラン作成のための情報収集はしよう
(文:ぱぴこ、イラスト:黒猫まな子)
※この記事は2021年03月26日に公開されたものです