大手キャリアが発表した「新プラン」「新ブランド」って?
ドコモ・au・ソフトバンクが発表した新ブランドの始動を皮切りに、訪れようとしている“スマホ料金戦国時代”。スマホ代を節約したいけど調べるのすら面倒という全ての働く女性たちのお悩みに、携帯料金見直しの専門家である鮎原透仁さんが回答します。
今回のお悩み:大手キャリアが発表した「新プラン」「新ブランド」って?
携帯キャリアの値下げプランや、携帯キャリアの新ブランドが話題になっていますが、これってそもそも何なんですか? いろいろなプランやブランドがありますが、それぞれどんな特徴があって、どれが自分に合っているのか知りたいです。
大手3社が打ち出した「値下げプラン」って?
まず、「値下げプラン」が出された背景を説明すると、2020年9月の菅政権発足後に、総務省が携帯料金の引き下げを大手キャリア3社に要請しました。ニュースなどでもよく取り上げられていたので、知っている人も多いのではないでしょうか?
その後NTTドコモが先手を打ったのに合わせて、auとソフトバンクも追随していったような感じですね。
各大手キャリアが打ち出したのは、基本的には「大容量プランの値下げ」です。例えばドコモだったら「ギガホ」と「ギガライト」という2種類のプランがあって、大容量プランである「ギガホ」だけを値下げしています。
ただ、そもそも大容量のデータ通信が必要な人じゃないと、値下げの恩恵は受けられないので要注意ですね。
ブランドを変えずにプランを変更するのがスマホ代の節約としては1番楽ですが、本当にお得になるかは人によるでしょう。ただし、ソフトバンクだけは小容量プランの値下げも発表しているので、ソフトバンクユーザーはプラン変更を検討してみても良いかもしれませんね。
新ブランド「ahamo」「povo」「LINEMO」の特徴
2021年3月からは、新ブランドがスタートして話題になっていますよね。2020年12月から順次、大手3社は新ブランド「ahamo」「povo」「LINEMO」を発表しました。
これらの特徴は、オンライン申し込み専用で、キャリアメールが使えない点です。店舗の人件費とキャリアメールをコストカットすることで安くなるという仕組み。そしてデータ容量は「20G」一択です。
かけ放題に関しては、「ahamo」は5分かけ放題がついて現在は2,970円(※1)。「povo」はかけ放題を外して2,728円(※1)。「LINEMO」もそれに追随して2,728円(※1)にしたという流れです(※2)。実際はあまり大差がないんですけどね。
ただ、今ドコモの携帯を使っている人が「かけ放題いらないからpovoにしようかな」とキャリアを変更するのは要注意です。月額で税込242円安くなるけど、キャリアを移るための費用(違約金・新規事務手数料など)が数千円かかったりしますから。
無駄な出費を出さないためにも、基本的には同じキャリアの中で動いた方が良いですよ。
ドコモの携帯を使っている方が「ahamo」に乗り換えるなど、同じキャリアの中で新ブランドに変更した場合、今発表されている金額だけを見たら月4,000〜5,000円は安くなります。1年で換算すると5〜6万円はお得になりますね。
※1 全て税込表記
※2 その後LINEMOは5分かけ放題(500円)オプションの1年間無料キャンペーンを発表。
マイナビウーマン世代は新ブランドに変えた方がいい?
今回発表された新ブランドは、20代後半から30代前半のマイナビウーマン読者にはかなり合っていると思います。
電車通勤中にスマホで動画を見ることはあるかもしれませんが、最近はリモートワークも普及して自宅にWi-Fi環境が整っている人が多いですよね。携帯のデータ容量も規定の20Gに収まるはずです。
「格安SIMに乗り換えるほど突き詰めて節約したいわけでもないし、ネットの通信速度も遅くしたくない」そんな人にはピンポイントでハマると思います。
気を付けたいのが、「留守電機能がオプションで付けられない」という点。仕事で頻繁に電話を使う人は注意しておいた方が良いですね。
あとは、基本的には店舗でのサポートも受けられないので、人にとってはそこがデメリットになるかもしれないですね。
でも、だからこそ安い料金で契約できるので、これを不親切だと批判するのは少し違うかなと個人的には思っています。セルフのガソリンスタンドと一緒ですね。
スマホ代を節約するのに少しだけ行動を起こす気持ちがあるのだとしたら、良い選択肢の1つであると思いますよ。
今回のポイント
- 大手キャリアの新プランは実質「大容量プランの値下げ」。データ通信量が多い人はお得になる可能性あり!
- 今年3月にスタートした大手キャリアの新ブランドは、オンライン申し込み専用でキャリアメール無し、容量は「20G」一択。新ブランドに変えるなら、同じキャリア内で動くべし。
- スマホ代を節約したいなら、大手キャリアの新ブランドはマイナビウーマン世代におすすめ! ただし、注意点もよく確認しよう。
(監修:鮎原透仁、取材・文:高橋千里)
※画像はイメージです
※この記事は2021年03月22日に公開されたものです