スメハラ(スメルハラスメント)とは? 代表的な4つの種類と対処法
スメルハラスメント(スメハラ)とは、においで相手を不快にさせてしまうことです。指摘すると相手を傷つけるかもしれないセンシティブな問題なので、なかなか伝えられず、解決が難しいのも特徴。今回はそんなスメハラの種類と対策について紹介します。
「におい」で恋や仕事を台無しにしてしまうことって、結構あるんです。しかも、本人はなかなか気づけない。
人は、他人のにおいに敏感です。その反面、自分はどんなにおいがするか、自分の好きなにおいを他人がどう感じるかは、なかなか理解できません。だからスメハラが発生します。しかも、センシティブな問題だから指摘もしづらく、改善されにくい。
今回は、スメハラとは何か、自分が加害者になっていないかどうかの確認と、対策やエチケットに関して解説していきます。
そもそもスメハラの意味とは?
スメハラとは、スメルハラスメントの略です。
スメルは「におい」、ハラスメントは「人を悩ますこと・地位や立場を利用した嫌がらせ」を指します。
つまり、においで相手を不快にさせてしまうことがスメハラなのです。
今まではたばこのにおい、口臭や体臭、加齢臭、疲労臭などが不快なにおいとされてきました。最近では、いい香りと思って身にまとっている香水や、香りの強い柔軟剤など自分にとって「普通」のにおいですら、スメハラになりかねません。
スメハラは、指摘することで「相手を傷つけるかもしれない」センシティブな問題なので、なかなか相手に伝えられず、解決が難しいのも特徴です。
ニオイ対策をしている人は多いと思いますが、自分のニオイを自覚するのは意外と難しいもの。この診断では、「スメハラ度」を診断します。
あなたは大丈夫? スメハラの種類と解決策
無意識に加害者になってしまう可能性もあるスメハラ。
ここでは、どんな香りがスメハラにあたるのかや、どんな対策があるのかをまとめました。
(1)体臭
基本的に、体臭は誰にでもあるものでしょう。その上で、スメハラになるかどうかはエチケットが大きく関わってきます。
例えば、風呂に数日入らないと自分では気づかないかもしれないですが、においます。また、汗をふかずにそのままにしているのも危険。部活の後の汗のにおいを想像してください。
その他にも、服を洗わないで何回も着回すなどの日常的な習慣も、においの原因になります。
臭い対策
体臭の対策はシンプルに、身につけるものの清潔さを保つこと。
できるだけ清潔に保つため、定期的にお風呂に入るのはもちろん、肌が触れるものは毎日替えるようにしましょう。汗をかいたらこまめに着替えたり、汗を拭き取ったりすることも大切です。
ドラッグストアには、制汗スプレーや汗拭きシートが多数あります。無香料のものも選べるので、自分にあったアイテムを利用しましょう。
あわせて、洗濯物自体がにおってしまう「洗濯物の生乾き臭」も要注意。衣類乾燥機を利用する、部屋干しをする時は専用の洗剤を使うなど、対策を考えましょう。
(2)口臭
口臭は本人が気づいていないことも多く、周囲も指摘しづらいことからスメハラに結び付きやすいと言えるでしょう。
口臭ケアを徹底し毎日歯磨きをしていても、加齢や生活習慣の乱れ、体調不良などからにおってくることもあります。もちろん、餃子やニンニク料理を食べた後のにおいも要注意です。
臭い対策
すぐ出来る口臭の対策としては、食後のこまめな歯磨きやマウスウォッシュ、フロスの活用などが挙げられます。
歯医者さんに定期的に通って虫歯は治療し、歯石を取ってもらったり、歯周病ケアをしてもらったりするのもいいでしょう。
また、口の中が乾かないよう、定期的にうがいをする、水分を摂る他に、ミント系のタブレットやガムなどで口臭ケアをすることも一般的ですよね。
においを0にすることは難しいかもしれませんが、口の中を清潔に保つ習慣をつけることで、スメハラにならないよう考慮できるのではないでしょうか。
(3)たばこ
現在は喫煙できる飲食店が制限されるなど、世の中としても大きな動きがあるたばこ。近年は「嫌なにおい」と感じる人や、近くで吸われると副流煙が気になるという人も少なくありません。
吸っている時だけでなく、吸った後の口臭はもちろん、服、車、指先、部屋、紙などににおいがついてしまうのも難点です。
臭い対策
たばこのにおいが苦手な人は、それに対してとても敏感です。苦手な人がいる空間で吸わないのはもちろん、喫煙スペースを活用し、吸ったあとは消臭グッズを活用してにおいが残らないように心がけましょう。
部屋や空間のにおいを気にするなら消臭スプレーを使い、会社の車などは車用の消臭剤など利用しながら、どちらもこまめに換気してください。
スメハラ対策として、においの少ない加熱式たばこに切り替えるのも一つの手段です。さまざまな商品が発売されているので、自分にあった仕様やフレーバーものを探ってみてはどうでしょう。
(4)香水
香水や柔軟剤のいいにおいは大好きな人も多いですよね。ただ、香りには個人によって好き嫌いが伴うだけでなく、それがもとで体調を崩す人もいます。場合によっては、コメスティック・バイオレンスや香害となってしまうのです。
コメスティック・バイオレンスとは、電車など公の場での化粧や厚化粧の他に、香水のつけすぎや強めの化粧品の香りなどで他人に不快な思いをさせることを指します。
香水や、柔軟剤、化粧品などのにおいで、頭痛や吐き気を覚える人もいます。
好きなにおいだからときつめにつけることで、人に不快な思いをさせることがあるのを念頭に置いておきましょう。
臭い対策
香水はつけすぎない、においが強い柔軟剤などは変えることが対策となります。
香水をつける時は、人に会う30分から1時間前くらいにワンプッシュ。体臭を消すためにと体のあちこちにつけたり、吹きかけたりするのは不快なにおいを生み、スメハラの原因になります。
また、体調の悪い方や妊婦さんなどがいる病院をはじめ、レストランやカフェなど、飲み物や食べ物を楽しむ場に強い香りを持ち込むのもマナー違反。場違いなにおいは周りの人に不快な思いをさせてしまいます。好きな香りはTPOを意識して楽しむのがマナーです。
「自分も人も気持ちいい」を目指してにおいと付き合おう
一度においが気になると、その空間も、食事も、相手との会話も楽しめなくなってしまいます。
どんなにいい人でも、苦手なにおいだと接点を減らしたくなるので、恋や仕事でのチャンスも逃しかねません。
無意識に自分がスメハラの加害者にならないようにするには、ちょっとしたケアや考慮が必要です。相手も自分も気持ち良くコミュニケーションがとれるよう、「香り」と上手に付き合ってくださいね。
(さかもとみき)
※画像はイメージです
※この記事は2020年12月27日に公開されたものです