バイセクシャルとは？　意味と特徴・パンセクシャルとの違いを当事者が解説

マイナビウーマン編集部から「バイセクシャルについて切り込んだ記事を執筆してほしい」と依頼があった。

近年よく目にするようになった言葉、「LGBTQ+」。最近はさまざまなメディアにも取り上げられることが多くなり、啓蒙の需要も増えたように感じる。

マイナビウーマンの編集者は、その中でもピンポイントで「バイセクシャル」を指定してきた。少し不思議に思い、依頼に至る経緯を聞かせてもらうことにした。

実は、その編集者にはカミングアウトしてくれたバイセクシャルの友人がいたそうだ。しかし、本人に正しい知識がなかったために曖昧な態度を取ってしまい、何となく後ろめたさを感じたのだそう。

「友人はきっと、勇気を振り絞ってカミングアウトしてくれたのに、私の知識が足りなかったせいで嫌な思いをさせたかもしれない。他の人に同じような思いをさせたくないので正しい情報を広めたい」と編集者は語った。

そこで今回は、バイセクシャルというセクシュアリティについて解説しようと思う。

バイセクシャルとは

現在バイセクシャルには、バイセクシャル+という複数のセクシュアリティをまとめた呼称が存在する。

一般的にバイセクシャルとは男女の両性愛者を指すが、バイセクシャル+となるとまた少し複雑だ。まず初めに、バイセクシャルのことについて大まかに説明しよう。

言葉の意味や定義

以前私が執筆したコラムから引用すると、こうなる。

「バイ」という言葉は「2つの」という意味があり、大まかにバイセクシャルを定義すると、「男性と女性を恋愛対象にしている人」となる。

バイセクシャルの特徴や取り巻く環境

ここからは、バイセクシャルの特徴についてさらに深堀していく。

バイセクシャルの恋愛対象

男女両方が恋愛対象なので、例えば異性と付き合っている時はヘテロセクシャル（異性愛者。

略してヘテロともいう）に見えるし、同性と付き合っていればホモセクシャル（同性愛者）に見えるという点で、誤解されることが多い。

カミングアウトに対する偏見の問題

現在、日本では異性同士でしか婚姻関係を結べないため、異性と付き合うのか同性と付き合うのかで、生きづらさが変わることがある。それに、異性と付き合っている時にバイセクシャルであることをカミングアウトすると、思わぬ差別発言を受けたり侮辱されたりすることもある。

例えばLGBTQ+に理解のないパートナーにバイセクシャルをカミングアウトしたら「じゃあ男女混合で3Pしよう」と誘われ、別れてしまったなんていう話も聞く。

逆に、同性としか付き合ったことがない人が初めて異性と付き合ったら「バイはどうせ異性になびく」と陰口を言われてしまったという話も聞いたことがある。

上記は10年20年前の話で、現代の若者はセクシュアリティに関して寛容な人が多く、こういった差別的扱いを受けたという話はあまり聞かなくなった。しかし、ある年代から上の世代はまだまだ先入観が強いのも事実である。

セクシュアルマイノリティとは？

バイセクシャルを語るには、まずセクシュアルマイノリティについて知っておく必要がある。従って、こちらも併せて解説しておこう。

セクシュアルマイノリティとは、日本語に訳すと「性的少数派」のことを指す言葉だ。現在はLGBT、LGBTQ+などの言葉も同じ意味で使われているが、実はこの表記、現在では「LGBTQQIAAPPO2S」まで伸びている。これを片っ端から説明すると10年くらいかかりそうなので、ここでは簡易化されたものを紹介しよう。

LGBTQ+とは、それぞれセクシュアリティの頭文字を取った言葉である。

▶次のページでは、バイセクシャル当事者から見た悩みや心理の現実を、傷つくセリフ例と基に解説します。