稼げる人の特徴は? 経営者・ハヤカワ五味が考える「お金」のこと
キャッシュレス、資産運用、投資……。一見とっつきにくいけど、大人になった今だからこそ知っておきたい「お金」の話。賢い貯め方・使い方・増やし方まで、芸能人・著名人のみなさんと一緒に本気で考える特集です。
取材・文:太田冴
撮影:大嶋千尋
編集:高橋千里/マイナビウーマン編集部
今年は、お金のことを考えざるを得なかった人が多いのではないでしょうか。
コロナ禍で、ニュースを見れば「給付金」「助成金」「補助金」など、お金に関するワードだらけ。経営破綻に追い込まれる会社も多くありました。
その影響は、私たちの普段の生活にも及んだはず。給料やボーナスが減ったり、仕事自体が少なくなったり、働き方が変わって負担が増えたり……。私自身も、自分の仕事と向き合う時間が増えました。
そんな中、思ったことはただ一つ。ずばり、お金を稼げる人になりたい!!!!!!
……皆さんの分も叫びました。お金を稼げる人になりたいのって、私だけではないですよね? 稼げないより稼げる方が良いですよね?
そこで今回は、経営者のハヤカワ五味さん(@hayakawagomi)を取材。高校生の時から自作のタイツを販売するなど、早くから商売に目覚めていたハヤカワさんに、ずばり「お金を稼げる人になる秘訣」を聞いてきました。
「稼げる人」には、ある特徴があったのです!
一番の目的は“お金”ではなく“時間”です
お金の考え方・使い方にはこだわりがあると思います。中学生の頃からネットオークションで物の売り買いをしていたのもあって、早いうちからお金のことを考えるのは好きだったんです。
ただ、その頃はまだ「お金を稼ぐことは悪だ」と思ってました。
高校生の時ですね。自分でデザインして作ったタイツを販売していたのですが、元々利益をほとんど乗せていなかったため、自分のお小遣いの範囲でしか発注ができなくて。それだと在庫が抱えられないので、すぐに欲しいと言ってくださるお客様に届けることができなかったんです。
それって結局ユーザーにとって良いことではないな、と気付いたのをきっかけに、しっかり利益をいただいても良いからユーザーに還元していこうと思うようになりました。
そんなことないんですよ! 例えば私は週に1回、月あたり計8〜10時間で2万円強くらい家事代行サービスにお支払いしています。
ただ、プロの10時間なので、素人の30時間くらいのクオリティでやってくれるわけで。例えば自分が時給1,000円でバイトをしたとしても、30時間働けば3万円稼げる。
そう考えると、30時間は家事するよりも、バイトしてお金を稼ぐことに費やした方が良いですよね。だったら、(家事代行を)使わない理由なくないですか?
私にとってのゴールは「お金を稼ぐこと」じゃなくて「時間を得ること」なんです。一般的には、お金を稼ぐために時間を使う人が多いと思いますが、私は逆。時間を得るためのお金だと思っています。
やりたいことがいっぱいあるから、お金があるより時間がある方が私は幸せなんです。
稼げるようになるには“複利”の考え方を持とう
例えば1回お金を使う時に100円ケチったとして、100円ケチったからもちろん手元に100円は残るけれど、仮に100円使うことでその後毎月10円もらえるなら100円使ったほうが良い、という考え方です。
つまり、今この瞬間の損得ではなくて、1年単位・10年単位で考えた時に得な方を選んだほうが良い、ということ。
“無形資産”を持つと良いと思いますよ。例えば、体験にお金を使うとか。
今度、Go Toトラベル キャンペーンを利用して伊勢志摩の「アマネム」っていうラグジュアリーホテルに泊まりに行くんです。
ホテルってすごくビジネスの参考になるんですよ。サービスのクオリティとかオペレーションとか空間設計とか。その体験が後々自分の仕事に生きてくるし、結果としてより大きな利益として返ってくるんです。
もちろん、100%は返ってこないですよ。むしろ、10人に1人返ってくれば良い、くらいの気持ち。
でも、たった1人だけでもかけた時間やお金の10倍・100倍で返してくれたら、それだけで十分ペイしますから。
もちろん! ありすぎて忘れたくらい(笑)。
私はギブアンドテイク、という考え方はあまりしていなくて。自分がこれをしてあげたのに、と見返りを求めてしまっては、けんかになるしストレスはたまるし良いことないんですよ。だったら、返ってこなくても良いからとにかくギブをし続ける。
結果的に、自分が困っている時に助けてもらったことは何度もあるし、今の自分の人脈はその中で構築されたようなものですから。
そうなんです。だから、複利の利くお金の使い方をするには、ある程度の余白が必要なんです。
まずは自分が安心できるくらいの稼ぎを得て、カツカツの状況を脱することが優先だと思います。逆に、複利のステージに上がりさえすれば、そこからは増えやすくなりますから。
「お金がない」と言っている人こそ無駄遣いしてるかも
まずやった方が良いのは、生活コストの見直しです。
私、そもそもお金がない人の方が無駄遣いしてるんじゃないかなって思うんです。例えば安い物を買って1年で駄目にするくらいなら、3倍の値段する物を買って5年使った方が良い。1,000円引き出すためにATMで手数料取られるのも、金利が1%を切ってる中で5~10%を手数料として払うって本当に損なんです。
クレジットカードも「使いすぎちゃいそう」と言う人もいますが、家計簿をつけやすくなるしポイント還元もあって逆にお得なはず。ケチっているように見えて、決定的なところで損をしている、ということはあると思うので、まずはそこから見直すのが良いかな、と。
マイナポイントは、Suica(VIEW Suica カード)を活用して貯めました。マイナポイントってお金を使わないと還元されない場合もあるんですけど、Suicaの場合チャージするだけで良いんですよ。
まず2万円チャージして5,000円もらえて、さらにそれをルミネの商品券に換えるとビューカードでもプラス還元してもらえるキャンペーンをやっていたのでそれを使って。結局7,000〜8,000円くらいはゲットできたんじゃないかな。
「お金の交渉」は言ったもん勝ち!
まず、もっとわがままを言った方が良いです。上司に「給料上げてほしい」って。
私も会社を経営していて、社員が辞めるときに「給料がちょっと……」って言われた時があったんですけど、「早く言ってよ!」って思いました。言ってくれたら給料上げたのに、って。
私メルカリめちゃくちゃやるんですけど、すごいんですよ、メルカリユーザーって。3,000円で売ってるのに「1,000円になりませんか?」って平気でメッセージ送ってきますから(笑)。
でも結局「1,000円はさすがに無理だけど、2,000円なら……」ってなるわけです。とりあえず、言ってみないと始まらないですよ!
もちろん。仕事の取引の時は特に「2割下げてくれませんか?」とか「初期費用、ゼロにしてください」とかしょっちゅう交渉してます。ごねるだけごねてみたら、案外通るもんなんですよ。
だからお給料も、もっと気軽に交渉しちゃって良いはず。売上高が数億規模の会社だったら、1人の給料が月1〜2万円変わるくらい小さいもんですから、払ってくれる会社は多いと思いますよ。
「通貨」ですね。そりゃそうだって感じかもしれないんですけど(笑)、でも通貨って意外に本質的な言葉で。
お金ってそれ自体は何でもないけど、価値の媒介をしてくれる中間地点なんです。お金が、時間に替わったり、体験に替わったり、物に替わったりする。何物でもないからこそ、何にでも替えられる。すごく意味のあることだなって思います。
※この記事は2020年11月20日に公開されたものです