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処女膜とは。初体験の痛みを和らげる5つの方法

宋美玄(産婦人科医・医学博士)

初体験の時、なぜ痛みを感じるのか

さて、処女膜の役割や概要について理解したところで、いよいよ本題です。初めてのセックスでは痛みを感じたり、出血したりするという話をよく聞きます。このとき、処女膜が痛みや出血の原因となっていることが多々あります。なぜ痛みを感じるのでしょうか?

処女膜の孔の大きさや膜の伸び縮み方に個人差があるから

セックスの際、ペニスは処女膜中央部の孔を通って挿入されます。処女膜には伸び縮みする性質がありますが、どれくらい伸びるのかには個人差があります。また、処女膜の厚さも孔の形や大きさも、人によってさまざまです。こうした違いにより、セックスで痛みを感じる人と、そうでない人との差が生じます。

処女膜が伸びやすければ、勃起したペニスの太さも受け入れることができますが、処女膜が比較的厚くしっかりしている場合などは、ペニスが挿入された衝撃で処女膜が裂けて痛みを感じたり、出血したりすることがあるのです。

出血しない人もいる

「初めてのセックスは痛いもの、出血するもの」という俗説がありますが、上記のように痛みや出血があるかどうかは人それぞれです。初めてのセックスでも血が出ない人は少なくありません。「処女ならば必ずセックスで血が出る」というのは間違った考えです。

なお、初セックスでの出血は、主に処女膜の裂けた部分からおこりますが、そのほかにも慣れないセックスで腟が傷つき、腟の内壁から出血することもあります。

小指すら入らない処女膜強靱症

多くの人は初セックスの際、痛みや多少の出血があってもペニスを受け入れることができますが、中には処女膜がとても硬く、ペニスどころか小指すら入らないような人もいます。処女膜が完全に閉鎖しているわけではないけれど、経血やおりもの以外を通さないくらい強靱(きょうじん)である場合は、処女膜強靱症と呼ばれます。

処女膜強靱症がセックスの妨げとなっている場合は処女膜切開といって、処女膜に切れ目を入れ、伸びやすくする治療を行います。これは保険適用の手術となっていて、数千円の自己負担で治療を受けることが可能です。

自分で処女膜をさわってみたとき、腟の入り口につかえるような感じがあり、小指すらも挿入できないという場合、処女膜強靱症である可能性が考えられます。処女膜強靱症に当てはまる人はそれほど多くはないようですが、気になることがあれば婦人科に相談してみましょう。

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