セックスの時に濡れないのは体質? 5つの理由と解決法
腟が濡れない5つの理由
セックスになると濡れるはずの腟がなかなか濡れない、ということもしばしばあります。その理由として、以下のようなことが考えられます。
(1)興奮もしくはコミュニケーション不足からくる性反応の不足
腟が濡れない理由として多いのは、前戯が十分でないなど、セックス前のコミュニケーションが不十分なことによる性反応の不足です。
ムードの盛り上がりに欠けていたり、愛撫の時間が短かったり、性的興奮を十分に得られていないと性器の充血や潤滑液の分泌などの性反応がしっかりおこらず、濡れにくいということが多々あります。
(2)エストロゲン不足
エストロゲンは女性ホルモンの一種で、生殖には欠かすことのできない存在です。エストロゲンはさまざまな働きを持っていて、その中には腟粘膜を厚くしたり、性的興奮時に潤滑液を分泌させたり、腟内の清浄度を保ったりなど、スムーズにセックスを行えるようにするというものもあります。
このエストロゲンの分泌が大きく減ってしまうと、腟のうるおいも減ってしまいます。エストロゲン不足になる原因として多いのは更年期ですが、20~30代の若い世代でも急激なダイエットなどをすると、エストロゲン不足に陥ることがあり、注意が必要です。
(3)乳がん治療の影響
乳がんの薬物療法により卵巣機能が低下し、濡れにくくなることがあります。通常、そのような場合にはエストロゲンの補充療法を行うのですが、エストロゲンは乳がんの発生に関わりがあるため、乳がん患者にはそれができません。そのため乳がん患者の術後の注意には「性交痛がある場合は潤滑ゼリーを使用すること」という項目が示されています。
そうした腟環境の変化については乳がん患者自身が自覚していることも多く、「腟の中が乾いている感じがする」「下着におりものがつかず、すれる感じがする」といった感想を持つ人も少なくないようです。
(4)水分不足
乾燥や水分不足も濡れにくくなる原因となります。腟の潤滑液は水分ですから、若い世代の女性でも水分が不足し、脱水状態に近くなると体液が分泌されなくなり、濡れにくくなることがあります。
(5)セックスへの嫌悪感やストレス
身体的原因だけでなく、心理的な原因でも「セックスで濡れない」状態はおこります。何度もお伝えしているように、腟の潤滑液は性的興奮反応によって生じます。したがって適切な性的興奮が得られれば、潤滑液は分泌されるはず。
なのに「濡れない」ということは女性が楽しみ、性的興奮が得られるようなセックスができていないと考えられます。その裏にはセックスへの嫌悪感やストレスなどが隠れている可能性もあるでしょう。