クリティカルシンキングとは? 簡単な鍛え方2ステップ
クリティカルシンキングが苦手な人の特徴
日本では一般的にクリティカルシンキングを鍛える教育を受けないため、クリティカルシンキングが苦手と言われても当たり前です。ですが、特に苦手な人にはこんな特徴があります。
(1)数字に裏付けられたら全部信じる
さっきの「犯罪者は100%全員がパンを食べたことがある。だから、パンには何かしら犯罪を増やす効果がある」論は、数字で裏付けられていますが、正しくはないですよね。
ですが、数字さえあれば信頼できると思っている人は、コロっとだまされます。これが、クリティカルシンキングが苦手な人が陥るミスです。
(2)1つのエピソードで結論を出す
例えば、「アフリカで飢えて死ぬ子がいる」という物語があったとして、それにより、人々は「アフリカの人=貧しい」というイメージを持つかもしれません。
ですが、アフリカには54もの国があります。アフリカの島国・セーシェル共和国は、国民1人当たりGDPランキング世界53位(※IMF統計)。ハンガリーやポーランドなど、ヨーロッパの国より実は上位なのです。
また、アフリカは貧富の差が激しい地域も多く、大富豪3人の資産がアフリカ大陸全体の半分以上を占めるともいわれています。
クリティカルシンキングで物事が考えられない場合、「アフリカの人たちを貧困から救いたい」と思って、何の疑いも持たずにこの大富豪たちに渡るような基金に寄付してしまう可能性だってあります。
こんなふうに、1つのエピソードを見たら「ほんとかな?」「全員そうなのかな?」と疑う考えを持たないと、助けたい人を助けることもできないのです。
(3)疑う=悪いことだと思っている
クリティカルシンキングは「それって、ほんとかな?」と疑う気持ちから生まれています。ですが、クリティカルシンキングが苦手な人は、そもそも疑うことを悪いことだと思いがちです。
クリティカルシンキングがもし、他人だけを疑う気持ちなら、確かに悪いことかもしれません。ですが、クリティカルシンキングのメリットは「自分の意見が正しいか、思い込む前に疑える」ことです。
私は、ロジカルシンキング(一貫した考え)よりクリティカルシンキングの方が、ずっと重要だと思っています。
ですので、かつて自分が書いた記事の内容でも「これって、ほんとかな?」と疑ったらアッサリ撤回したり、謝罪したりします。その方が、誤りに固執するよりずっと気持ちが良いからです。
クリティカルシンキングが苦手な人も、「自分を適切に疑うスキル」だと思ったら鍛えたいと思うのではないでしょうか。