イライラしない方法は? イライラする原因&怒りのコントロール法
最近すごくイライラしてしまうという人はいませんか? このイライラ、どうにかしたいですよね。人がイライラしてしまう理由と、抑える方法について、心理カウンセラーの服部希美さんに教えてもらいました。
最近、ちょっとしたことでイライラしてしまう。
人に冷たく当たってしまったり、嫌味を言ってしまったりする。
イライラしてばかりいる自分が嫌だけれど、どうしたらいいか分からない。
カウンセリングの現場でも、こんなご相談を受けることが多いです。
今回は、心理カウンセラーの立場から、イライラしない方法をお伝えします。周りのことを大切に思う、心優しいあなたの参考になれば幸いです。
考えられる原因は? 人がイライラする心理
人それぞれ、イライラを感じるポイントや原因は違います。まずは、あなたのイライラの原因をチェックしていきましょう。
(1)仕事が忙しい
忙しいという漢字は「心」を「亡くす」と書くように、私たちは忙しさに追われると心の余裕がなくなるので、イライラしやすくなります。
これは比較的、自覚しやすい理由だと思います。
(2)家族や職場などの悩み事を抱えている
「家族とけんかをしている」「職場の対人関係や恋愛がうまくいっていない」など悩み事を抱えている時、幸せそうにしている人に対してイライラしやすくなります。
人の幸せを喜べなかったり、ケチを付つけたくなったりする人は、このタイプかもしれません。
(3)自分に厳し過ぎる&完璧主義
「上司だったら、こうするべきでしょ」「新人だったら、こうあるべきでしょ」。
そんな風にイライラしているとしたら、他人に対してだけではなく自分に対しても厳しく、プレッシャーをかけ過ぎているかもしれません。
また、過ぎたことをクヨクヨ悩んでしまうのも、自分に厳し過ぎるから。完璧主義の傾向がある方は要チェックですよ。
(4)体調不良
体の不調は心に大きな影響を与えます。
体の調子が悪いのに無理をして頑張り続けていると、疲れからイライラしやすいです。また、持病を抱えていたり、治療中の病気などがある場合も、体への不安から心に余裕がなくなりがち。
睡眠不足も要注意。心や体が十分に休まっていないためイライラしやすくなります。
(5)寂しさや悲しみを感じている
心理学では、怒りは二次感情といわれています。本当は感じているネガティブな感情を抑え込むために、代わりに怒りを感じるようになっているのです。
例えば、デートの別れ際、彼に嫌な態度を取ってしまう。周りの人たちが楽しそうに雑談しているとイライラする。
こんな方は、寂しさや悲しみを怒りで抑え込んでいる状態かもしれませんよ。
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心理学で解決! イライラしない方法10選
イライラすると自分も消耗しますし、周囲との人間関係を壊してしまうことにもなりかねませんよね。
ここからは、イライラした瞬間にできる対応策、そして、継続的にイライラしない方法を心理学的な観点からお伝えします。
【即座にできる方法】イライラを抑えるには?
まずは、イライラした時にとっさにそのイライラを抑えたり、気持ちを切り替える方法をお伝えします。
(1)別室に行き1人になる
怒りの感情から衝動的に相手を攻撃してしまい、大切な対人関係を壊してしまった経験のある方も少なくないと思います。
そんな時には、一度その場から離れるのが効果的。クールダウンすることで、少し客観的に物事が見られるようになり、自分が取るべき行動が見えてくることも多いですよ。
(2)怒りのピークが過ぎるまで待つ
その場から離れられない時には、頭の中でゆっくりと「1、2、3……」と6まで数を数えてみましょう(6、5、4……という順番でも大丈夫です)。
心理学では「人の怒りのピークは、大体6秒」と言われています。
怒りに任せての言動から対人関係を壊してしまうことが多い方は、とりあえず6秒待ってみることをおすすめします。できるだけ無心で数えるのがコツですよ。
(3)深呼吸する
怒りを感じている時、私たちの心は高ぶり、呼吸は浅くなっています。感情と呼吸は連動しているのです。
そのため、意識をして深呼吸していると、だんだんと心が落ち着き、地に足が着いてきます。
そうやって少し落ち着いた後に、自分がどう行動するか考えても遅くありません。いい案も浮かびやすいですよ。
(4)目線を上げて切り替える
私たちは悩んでいる時、下を向いていることが多いです。実は目線と気分は連動しています。
なので、イライラしているなと感じた時には、サッと上の方に視線を動かし、気持ちをポジティブな方向に切り替えてみましょう。
イライラしてしまった自分に落ち込んだ時には空を見上げてみるのも効果的ですよ。感情に振り回されるのではなく、意識をして切り替えていきましょう。
(5)好きなものに触れる
ハンカチに好きな香りのアロマを染み込ませておき、イライラしたら香りを嗅いでみたり、飼っているペットの写真を見たり、好きなことを考えたり触れることで、気持ちを切り替えてみましょう。
私たちの心は、好きなもののことを考えたり触れている時に同時に怒ることはできません。ポジティブな感情で切り替えましょう。
【長期的な方法】イライラしない毎日を送るには?
続いては、継続的にイライラしない方法をお伝えします。
(1)時間に余裕を持って生きる
時間に余裕がある時、私たちは大らかな気持ちでいられますよね。時間の余裕は、心の余裕に直結します。
勤勉な方ほど、体力や時間の限界ギリギリまで頑張ってしまいがちです。
「時間的余裕があるのが当たり前」という生活スタイルに変えていきましょう。
(2)自分の怒りのパターンを知ってコントロールする
何にイライラしたのか、どうしてイライラしたのか、どのぐらい怒りを感じたのか、どのように対処すればいいか、などを毎日紙に書き出してみましょう。マインドセットの1つとして、自分を客観視することで怒りをコントロールできます。自分の怒りのタイプを知れば、対応がスムーズになるはずです。
この方法は長期的に取り組んでいくことが大切になりますが、身に付くと一生使えるコントロール法です。
(3)イライラの原因を取り除く
1人で不安を抱えているなら、信頼できる人に相談する。体調が不安であれば、きちんと病院に行く。疑っていることがあるなら、本人に直接聞く。
イライラの原因が分かっているならば、いまできる対応策を全て試しましょう。
悶々と考えているだけでは、イライラは募っていくばかりです。小さなことでも、行動に移すことが大切ですよ。
(4)無理に抑え込もうとしない
私たちの心は「イライラしてはいけない」「イライラするのは悪いこと」と思えば思うほど「イライラが増してしまう」という性質があります。
イライラするにも、あなたなりの理由があるはずです。イライラしちゃう自分を許し、寄り添ってあげてください。
(5)本当に欲しいものを手に入れる
幸せそうにしている人や、甘え上手な人を見てイライラしてしまうのは「その人が羨ましい」からではないでしょうか。
あなたが本当になりたい自分になったり、欲しいものを手に入れたりすることができれば、イライラは感じなくなります。
自分の人生のためにも、自分の望みをかなえる方向に積極的にエネルギーを注いであげましょう。
ストレスのない毎日を手に入れよう
イライラしちゃう自分が嫌い。そんなあなたは、間違いなく、頑張り屋で優しい方なのだと思います。これまでたくさん、1人で頑張ってきたのではないでしょうか。
周囲にばかり向けていた優しさを自分にも向けて、周りからの助けを受け取ること。これが最大の「イライラしない毎日を手に入れるコツ」です。これを心理学では「相互依存」といいます。
ぜひ、記事を参考にしてストレスのない毎日を手に入れていただけたらうれしいです。
応援しています!
(服部希美)
※画像はイメージです
※この記事は2020年09月08日に公開されたものです