マイナビウーマンで結構な数の「仕事にまつわる記事」を書いていますが、その中でもコミュニケーション関連の記事は多いです。ど直球でも書きました。
「依頼が多い=悩んでいる人が多い」という図式です。ビジネス曖昧語ながら「コミュニケーション能力」は、それだけ重視されているのでしょう。
特に「伝え方」は、報告・プレゼンテーション・商談・調整・日々の会話など多くの場面でその人の見え方に直結するため、上手な伝え方を身に付けたいものですね。
■伝え方で9割決まる!?
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みなさんは、コピーライターの佐々木圭一さんが書いた『伝え方が9割』(ダイヤモンド社)というベストセラーをご存じでしょうか? なんと世界累計256万部の本で、端的に言えば伝え方の技術が凝縮して記されています。
「さまざまな伝え方1つでほぼ全てが決まってしまう」という危機感は多くの人が共通して持っており、だからこそそれを見直すための書籍がここまで注目されたのでしょう。
つまり、伝え方が重要であることは、^世の中の共通認識^というわけです。
■伝え方が上手い人の話し方とポイント
伝え方の重要性は前述の通りですが、「上手な伝え方」ができる人にはどんな特徴があるのでしょうか。
◇(1)話のゴールと方向性を示す
相手に上手く伝えられる人は「何を話すか」を事前に共有した上で話すようにしていることが多いです。例えば、^会議でアジェンダを最初に示すのは「今日はこの道筋で話すので理解してね、聞いてね」という共通認識を作るため^です。
その道筋通りに話し、同じ方向を向けているかを考えながら話すことで伝えたいことが齟齬なく伝わるのです。
◇(2)結論からまとめて話し、後から詳細を説明する
いきなり詳細から説明する人は意外と多いです。「自分がやったこと」をアピールしたくなるのは人のサガですが、本当に伝えたいことは「やった上で出た結論」のはずです。
伝え方が上手な人は、相手への伝わりやすさを考えて、^まず初めに結論を言い、その後必要であれば詳細を伝えるようにしている^はずです。
参考記事はこちら▼
結末から話す「アンチ・クライマックス話法」とは? 伝え方のテクニックを解説します。
◇(3)無駄に「いただく」を使わない
伝え方が上手な人は回りくどい表現や妙な敬語を使うことがありません。だめな例として「いただく」の多用があります。
☆NG例文
*「〇〇を××していただくためにご承認いただく機会をいただいてありがとうございます」。*
上記の例文では短い文章の中に3回「いただく」が入っていますが、このように過剰に「いただく」を使ってしまう人は珍しくありません。
ぶっちゃけ分かりにくい上に、ばかっぽいので癖になっている人は直しましょう。メールも同様です。^丁寧な言葉遣いをしようとして、逆に日本語がおかしくなっていないかをチェック^しましょう。
◇(4)つなぎ言葉や周りくどい表現を避けるよう意識している
(3)と関連しますが、人に伝わりにくくなる言葉として以下があります。
・~に関して
・~の方から
・~といたしましては
・~として、~こととして
・けど、ちょっと
伝え方が上手な人は伝えたいことを鮮明にするために、こういった回りくどい言葉を意識して排除しています。
日本語は文章を無意味に長くするのが容易な言語です。気を抜くと^「丁寧に話す」ことが「無駄な文字数を話す」ことにすり替わっていることもある^ので注意しましょう。
◇(5)相手にとってわかりやすい言葉を使う
相手に伝わらない要因でありがちなのが、専門用語や一般的でない言葉を気付かず使ってしまうことです。
会話の中でわからない言葉が出てくると、そちらに気を取られて話の全体を把握できなくなります。
伝え方が上手い人は、^相手に合わせてわかりにくい言葉は補足を入れたり、一般的な言葉に言い換えている^ことが多いです。
▶次のページでは、伝え方を向上させるトレーニング方法を解説します。
■伝え方が下手な人の特徴と課題点
伝え方が上手な人の特徴があるように、下手な人にも同じく共通点があります。具体的には、以下のようなポイントです。
*
・話が長い
・言い回しがくどい
・余計な配慮をしすぎている
・起承転結なく感情のままに話す
・聞き手の顔色はスルー
*
これを見て、ギクッとした人もいるかもしれません。ですが、弱点が分かっているのは改善の余地があるチャンスです。これらのポイントは、以下のトレーニングで改善することができるはずです。
参考記事はこちら▼
上司や目上の人など、あまり仲良くない人と上手く話せずに悩んでいるませんか。なぜ上手く話せないのか解説します。
■伝え方を鍛えるには? 改善のためのトレーニング方法
伝え方が上手い人がいれば、もちろん下手な人もいます。しかし、ビジネスでは求められる型があるため、下手な人でもトレーニング次第で伝え方が上手になります。ここからは、すぐに実践できる伝え方のコツについてお伝えします。
◇(1)言いたいことを一言で伝える練習をする
^「要するに〇〇だ」という〇〇部分を伝える練習^です。これは訓練するほどスキルが上がります。伝わりやすく話すということは、自分の言いたいことがメッセージ化できているか? にかかっています。
話している相手から「何が言いたいのか分からない」と言われることがありますが、^「要するに〇〇」の〇〇に入る言葉を、伝える側がちゃんと理解できていないのが原因^です。
「よくわからない」と言われた時に一言で「つまり、〇〇です」と返せるかどうかは日々の訓練と、伝えたいことをしっかりと考え抜いたか? にかかっています。
◇(2)伝わる言葉に言い回しを変える
専門性が高い説明において、^相手が同等の知識を持っていない場合は「伝わる言葉に置き換える」ことが非常に重要^です。技術者の説明が専門用語のオンパレードでよく分からなかった……などはありがちな「伝え方」のミスといえます。
もちろん、受け手側の勉強不足はありますが、相手の知識レベルに合わせた言葉を選択すると伝わるハードルはぐっと下がります。
◇(3)事実・要望・相談を分ける
伝え下手な人は、事実・要望・相談が曖昧かつ混線しやすいです。^自分が何を伝えたいのか、どのカテゴリの話をしているのかを意識し、整理^して話しましょう。
◇(4)聞き手の気持ちに共感・理解する
相手の表情や態度を観察する癖を付けましょう。相手の気持ちに共感する習慣を付けることで、状況に合った話をすることができます。
^自分が話したいことだけを話さない、興味が無い態度の相手にレジュメの目次通りの説明をしない^など、状況に応じた話の切り出しができると「伝え上手」への道が開けます。
▶次のページでは、伝え方が大事な理由と仕事や恋愛などのケース別に伝え方のポイントを紹介する参考記事をピックアップします。
参考記事はこちら▼
会話が上手な人にはいくつか共通点があります。特徴を見ていきましょう。
■ビジネスで「伝え方」のスキルが大事な理由
ここまで伝え方が上手な人の特徴や鍛え方について見てきました。最後に、仕事においてなぜ伝え方が重視されるのかについて解説します。
◇(1)自分の意図が正確に伝わる
「上手な伝え方」というと、柔らかいニュアンスや人と衝突せずにやり過ごすなどの受動的な印象を受けませんか? しかし「伝え方」を考える上で最も重要なことは、「自分が伝えたいことが、齟齬なく相手に伝わるか」です。
^結論が分からずに議論がまとまらないなどの「無駄」を省く^ためにも上手な伝え方が重要なのです。
◇(2)不要なもめ事を生まない
「言い方が悪い」といった批判は本質的ではありませんが、同じメッセージを発していても^伝え方によって衝突が発生する^ことはあります。自分の伝えたいことが上手に伝えられると、意図しないもめ事を避けることができます。
◇(3)コミュニケーションコストが減る
「上手な伝え方」とは相手にとって心地良いコミュニケーションであるともいえます。
理解力が乏しい、重箱の隅をつつくようなことばかり言ってくる……などの^厄介な相手にも心地良いコミュニケーションを提供することで、スムーズに仕事を進める^ことができます。
また、伝え方が下手だと何度も説明する必要が出てくるため、その分コミュニケーションコストがかかるともいえるでしょう。
◇(4)信頼・信用を引き出せる
「伝え方が上手い」と意思疎通がスムーズになるだけでなく、相手から見て「分かりやすく話してくれる人」になります。それが^信頼につながり、信用される人間になれます。^
◇(5)相手のモチベーションを下げない
「宿題やりなさい!」「今やろうと思ったのに!」論争は家庭内での言い方問題の代表例ですが、「やってほしいこと」をそのまま伝えた結果「期待している行動」につながらないことはよくあります。
伝え方が上手であれば、^相手のモチベーションを下げず、むしろ上げる形でのコミュニケーションが取れます。^
■ケース別・伝え方のコツはこちらの記事をチェック!
あなたが「伝えにくい」「何て言ったらいいか分からない」と思う瞬間は、さまざまなケースがあるでしょう。
伝え方の根本は一緒ですが、場面に合わせて少し気を使うポイントを変えたり、言い回しの工夫をしたりすることが重要になってきます。
最後に、ケース別の伝え方が分かる記事をいくつか紹介していきます。
◇仕事編
まずは、仕事の場面での伝え方についてです。これらの気まずさを感じる場面では、何を伝えたら良いのでしょうか。
☆(1)仕事を休む時の伝え方
参考記事はこちら▼
波風を立てず、会社で休暇を取りたいことを伝える方法を解説します。
☆(2)仕事を辞める時の伝え方
参考記事はこちら▼
言いにくいけれど伝えなくてはならない。退職を会社に伝える方法を解説します。
☆(3)仕事を頼む時の伝え方
参考記事はこちら▼
同僚や部下へスムーズに仕事を頼むコツを解説します。
☆(4)何かを断る時の伝え方
参考記事はこちら▼
仕事や飲み会を断るって気まずい! そんな時の伝え方を解説します。
◇恋愛編
続いては、恋愛の場面における伝え方です。好きな人や恋人と向き合う時の参考にしてみてください。
☆(1)好きな気持ちの伝え方
参考記事はこちら▼
緊張するけれど伝えたい! 好きな気持ちを届けるコツを解説します。
☆(2)恋人への寂しい気持ちの伝え方
参考記事はこちら▼
寂しいと伝えたら重い? 恋人へ「寂しい」と伝えるコツを解説します。
☆(3)恋人への不満の伝え方
参考記事はこちら▼
不満って言ってもいいの? ケンカにならずに話すコツを解説します。
☆(4)生理になった時の彼氏への伝え方
参考記事はこちら▼
生理痛が重くて心配だから、彼氏に伝えておきたい。生理になったことの上手な伝え方を解説します。
☆(5)恋人と別れたい時の伝え方
参考記事はこちら▼
別れを切り出すのはつらいもの。どう伝えたらいいかを考察します。
■「上手な伝え方」は訓練で身に付く!
プレゼンやメール・チャット・日常会話など、仕事上のコミュニケーションは、口頭・文面のどちらでも「伝え方」に依存します。同じことを言いたくても、伝え方の上手さで結果に雲泥の差が出るのです。
日常的な会話力は明るい人柄や快活なコミュニケーションが取れるかなどの要素が大きく、一朝一夕で身に付くものではありません。しかし、ビジネスコミュニケーションスキルは訓練次第で向上させることができます。
伝えたいことを明確にして、情報量を絞り、短くシンプルな言葉で伝える点にフォーカスすれば、結果につながりますよ。頑張ってください。
(ぱぴこ)
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