「頑張ってください」は目上の人に使って良い? 正しい敬語・言い換え表現とは
「頑張ってください」の正しい敬語・言い換え表現は?
とはいえ、応援したい気持ちは貴重です。
努力を強要したくて「頑張ってください」と言いたいわけでなく、応援することで良い結果が生まれるよう願ってのこと。
相手にとっても、声援を送られること自体悪い気はしませんね。
ポイントは、「努力や忍耐を貫きなさい」ということよりも、「あなたならきっとうまくいく」「良い結果を望んでいますよ」という信頼や希望を伝えることでしょう。
いくつかの場面における言い換えの例を挙げます。
(1)行ってらっしゃいませ。どうぞお気を付けて
例えば、チーフが大口の取引先へ出張する場合。
「出張、頑張ってくださいませ」よりも「行ってらっしゃいませ。どうぞお気を付けて」の方がいいでしょう。出張の無事を願う気持ちで見送ります。
例文
・〇〇社の方もお待ちかねでしょうね。道中お気を付けて。
・向こうは雨になるようですね。どうぞお気を付けて行ってらっしゃいませ。
(2)よろしくお願いいたします
例えば、チームで作った企画書を持って、部長がプレゼンに出席する場合。
「プレゼン、頑張ってくださいませ」よりも、「よろしくお願いいたします」の方がいいでしょう。
例文
・部長、本日はプレゼンの件、どうぞよろしくお願いいたします。
・いよいよ、本日ですね。プレゼンの件、何とぞよろしくお願いいたします。
(3)ご活躍を祈念いたします
例えば、支店長が本店へ異動する場合。
「本店でも頑張ってください」よりも「ご活躍を祈念いたします」の方がいいでしょう。
昇進・栄転・受賞などについては心から祝いつつ、感謝の気持ちや今後の活躍を願う気持ちを伝えます。
例文
・ご栄転おめでとうございます。これまでご指導いただきありがとうございました。本店でもご活躍を祈念しております。
・おめでとうございます。寂しくなりますが、ご健康とご活躍を祈念いたします。
(4)応援しております
例えば、上司が定年退職して開業する場合。
「頑張ってください」よりも「応援しております」の方がいいでしょう。
成功・繁盛・健康を願う気持ちもしっかり伝えます。
例文
・きっと大盛況です。みんなで応援しております。
・開業されたらぜひご案内ください。応援いたしております。
(5)お大事になさってください
例えば、上司が入院している場合。
「ご回復に向けて頑張ってください」よりも「お大事になさってください」の方がいいでしょう。
例文
・どうぞお大事になさってください。一日も早いご回復を願っております。
・くれぐれもお大事にお過ごしください。お帰りになる日まで、みんなで協力して頑張ります。
対面では、笑顔で話したり、ガッツポーズをしたりと、言葉以外の要素を加えることができます。
ところが、メールで書く場合は相手の顔が見えません。言葉だけが頼りです。
上記のように祝福や応援の気持ち、より良い未来への希望を感じさせるような表現で、プラスのイメージを伝えたいですね。
「頑張ってください」の敬語・言い換え表現を知っておこう
私自身は、目上目下関係なく、「頑張ってください」と言われたら「ありがとうございます。頑張ります」と元気に答えたいと思っています。
「頑張って」が本当に必要な場面で使われて、相手の気持ちをパッと明るくできればいいですよね。
そのためにも、ビジネスシーンでのふさわしい使い方を知り、心のこもったメッセージを届けられるように日頃から心掛けたいものです。
(前田めぐる)
※画像はイメージです
(2022年11月30日)上記の文章は、筆者監修による元記事に編集部で加筆を行いました。
※この記事は2020年07月27日に公開されたものです