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日本一のキャバ嬢エンリケに「心を開かせるコミュニケーション術」を聞いた

#この会社の片隅に

藤谷千明

ごく平凡な会社員として、会社の片隅で働く編集部・ライターが、今気になるビジネスパーソンにインタビューする連載【この会社の片隅に】。2019年11月30日、衝撃の引退を果たした「日本一のキャバ嬢」エンリケ(小川えり)さんにお話を聞きました。

取材・文:藤谷千明、写真:洞澤佐智子、編集:鈴木美耶/マイナビウーマン編集部

外出が自粛され、会社がリモートワークになったとて、季節は巡って春は来る。この記事を読んでいる読者の方にも、学校や会社で新生活をスタートさせる方も多いと思われます。そこで立ちはだかるのが、そう「コミュニケーション」です。

私はフリーランスのライターで、現在会社組織には属していませんが、学生&会社員時代は周囲とうまくコミュニケーションが取れずに苦労しました。

耐えかねて逃げるようにフリーランスになったわけですが、そこでもやっぱりコミュニケーションは必要……というか、むしろフリーの方がコミュニケーション能力が必要な場面もあったりします。取材現場でうまくコミュニケーションが取れず、布団の中でもんどり打ったことは一度や二度ではありません。

そんな私が今回会いに行ったのが、SNSやYouTubeで圧倒的な人気のエンリケ(小川えり)さんです。

エンリケさんは昨年まで名古屋の人気キャバクラ嬢として活躍しており、全国区の知名度を誇っていました。彼女の引退イベントは4日間にわたり、売上は数億円(!)を記録したそうです。スケールが大きすぎる……。

キャバクラ嬢引退後も、会社経営に本腰を入れ、BARやエステをプロデュースする中、書籍『#エンリケ空間』(宝島社)を発売するなど、慌ただしい日々を送っているエンリケさんに、コミュニケーションについて根掘り葉掘り聞いてみました!

とにかく“素直”が大切

動画やSNSでいつも仲間たちに囲まれている、「コミュニケーション強者」であるエンリケさんですが……。
いやいや〜! 初っ端からハードル上げてきますね(笑)。
すみません! 今日はコミュニケーションスキルの秘密について、聞かせてください!
ひええ〜(笑)。よろしくお願いします!
エンリケさんは、昨年まで名古屋の人気キャバクラ嬢として活躍されていました。キャバクラ嬢というのは、コミュニケーションでお客さんを楽しませるお仕事ですよね? 元々コミュニケーション力は高かったのでしょうか?
いいえ。

えっ?
昔は喋るのが得意じゃなくて、毎日この仕事を辞めたいと思ってたくらい。
今のイメージからは、とても想像がつきません。
最初はお客さんと、どんな距離感で何を喋っていいのか、全く分からなかったので、すごく苦戦していましたね。
エンリケさんほどの方でも……。では、人気キャバクラ嬢になるために、どのような努力をされたのでしょう?
お店の人やお客さん……。とにかくさまざまな人に出会う仕事なので、「私はどうしたら求められる存在になれるのか」と、周りの人たちに素直に相談しました。
おおっ、直球!
それをまた、素直に吸収していきました。なんせ何も分からなかったので。他には、テレビのバラエティ番組のトークを参考にしたりもしました。
なるほどですね、「素直さ」が大事だと。
そうですね。とはいえ、それですぐに成績が上がる、結果が出るものでもないので、コツコツやっていくしかないんですよ。

それに、「素直に」相手の話を聞くって実は難しくないですか? 「でもでも」「だって」とか思っちゃいません?
わざわざ言いにくいことを言ってくれる人って少ないじゃないですか。人って「どうでもいい相手」には、叱ったり注意したりしませんよね。
たしかに。
変な話、「“仕事”なんだから、受け入れずにその場をやり過ごしておけばいい」という考えもあると思うんです。それは人ぞれぞれだけど、私はやっぱり素直に受け入れることが一番大事だと思います。
でも、自分が傷付いてしまうかもしれない意見を受け入れるのって勇気がいりませんか?
その解決方法はですね、まずはメンタルを鍛えます!
直球!(※2回目)
「成長したい」という想いが強ければ、自分が傷付くことを恐れることもなくなるんじゃないかな!
なるほど……。素直さ、そして傷付くことを恐れない強さが、コミュニケーション力につながるのだと感じました!

良好な人間関係のキーワードは「親近感」

ここまで当たり前のことしか言ってないかもしれないけど……。
それが難しいんですよ! そして、お客さんを楽しませるコミュニケーションも大事ですが、職場の仲間とも協力することも必要になってくると思います。エンリケさんは、職場に苦手な人がいた場合、どう乗り切っていましたか?
嫌な人がいた場合ですか? 自分から率先して喋りかけたりしていました!
直球!(※3回目)
だって、人間関係が複雑になると、仕事がしづらくなるじゃないですか。スムーズに仕事をしたいので、苦手な人でも頑張って尊敬できるところを見つけたりして、自分にとってプラスになるように考えています。

自分の見方ではなく、その人自身を変えたいとは、考えませんか?
人間って、本人が変わろうとしない限り、なかなか変わらないと思うんですよ。身内や、すごく好きな人なら「変わってほしい」と思うかもしれないけど……。そこは仕事として割り切った方がいいと思います。
う〜ん、たしかに。そして、4月に入って職場や学校での新生活が始まる人も多いと思うんです。やっぱり「第一印象」って大事じゃないですか。エンリケさん的に、初対面で「話しやすい人」も教えてください!
初対面でも挨拶をしっかりして、対等に目を合わせて喋ってくれるような、親近感のある人は「話しやすい」ですよね。逆に、ツンケンしていたり高飛車だったりする人は、ちょっととっつきにくいかも。
エンリケさんご自身は、そういう第一印象を作るためにやっていることはありますか?
基本は敬語なんですけど、ギリギリ許されるくらいの、若干タメ語の入ったフランクな喋り方にしていますね。そっちの方が相手の緊張もほぐれると思いますし。キャバクラ時代も、いろんなお客さんが私に会いに来てくれましたが、「思ってたよりずっと話しやすい」と言ってくださる方が多かったです。
まさに今、私もそう思っています!
(笑)。

仕事のストレスは仕事でしか発散できない

そしてエンリケさんといえば、キャバクラ嬢時代は「週7日出勤」で知られていました。その超人的なモチベーションの保ち方も教えて下さい。
今でも、次の長期休みのことを考えてモチベーションを保っていますね! 「旅行いこう」とか(笑)。
たしかに、モチベーションにはなりますよね。でも、もっと目先のことで、仕事でストレスが溜まって、どうしても行きたくないときもあるじゃないですか……。
だけど、仕事のストレスは仕事でしか発散できないんですよ。遊んで気を紛らわせても、仕事の問題はなくならない。
真理!
それに、行く前はテンション上がらなくても、仕事に行ったら楽しいことがあったりするし、とりあえず出勤することが大事!
それができない人はどうしたらいいのでしょう。
行っちゃえばなんとかなる! それに、そこで休むか出勤するかの差って、1日だとわずかな違いだけど、いずれ大きく変わってくると思うんです。もちろん、二日酔いや生理痛だったり、彼氏と別れたりだとかいろいろありますよね。人間ですから。でも、私はそういうことがあった方が頑張れると思うんです。
うう……、ポジティブ〜! 仕事がつらいときは、今の言葉を思い出しますね。
うれしい(笑)。

「一緒に頑張りたい」その気持ちで見極める

そして、今現在エンリケさんは「エンリケ空間」という会社の経営者としての一面も持っています。会社を経営する上での、信頼できる人の見極め方も教えて下さい。
目を見て話していると、本音で喋っているかどうか、だいたい分かるんですよね(まっすぐな目でこっちを見ながら)。

(見透かされる気がする!)
採用面接でも、心がピュアかどうかで判断していますね。
「ピュア」とは!?
要するに、興味本位だったり、別にウチじゃなくても良かったりっていう人よりは、この会社のために一緒に頑張りたいという気持ちがある人を雇っています。他にも、従業員の「普段の行い」は結構見ちゃいますね。遅刻をしないとか、常識的なことをできているかできてないかは、すごく重視しています。
たしかに、書籍担当編集者さんから聞いたのですが、エンリケ空間の従業員さんは、すごくレベルが高いとのことで。「誰かのために」という奉仕精神があるというか。みんな、エンリケさんの背中を見て、影響を受けているんでしょうね!
え〜〜、照れますね!
従業員の方とは、どんなふうにコミュニケーションを取っていますか?
何か不安なことがあったら、すぐ対応するようにしています。先日も、BARのスタッフから「辞めたい」と相談されたので、すぐ電話をかけて話をしました。不安材料を一つ一つ聞き出して、「引き止める」というよりは、「もう少し頑張ってみよう」と提案するようにしました。
そうしたら、辞めることを思いとどまってくれました。そういうのもスピードが大事というか、1日でも放っておくと、その人の心の中で不満が大きくなってしまうので、できればLINEよりは電話、会えるような状況なら顔を見てきちんと話したいですよね。
一人一人を大事にしているということですね。

「無理」と言われるくらい高い目標の方が燃える

また、BAR以外にも、コスメやエステのプロデュースなども手がけていますが、これまでとは違う業界に挑戦することに不安はありませんでしたか?
もちろん、不安でした。業種も違いますし、これまで暮らしていた名古屋から東京に拠点を移したこともあって、今でも不安です。でも、それよりも楽しみな気持ちが勝っています。
ポジティブですね。
それは、自分の力だけではなく、従業員さんたちがそう思わせてくれている、支えてくれている面もあります。それに、「失敗したらどうしよう」とか、負の感情が出てくると、お客さんにも伝わってしまいます。それに、「目標に向けて頑張るぞ!」とワクワクしている気持ちが強いのも本当です。

周りの人も、エンリケさんのそんなポジティブな魅力に惹かれているんだと思います。そのパワーはどこから湧いてくるのでしょうか。
昔から、負けず嫌いなんですよ(笑)。でも「負けず嫌い」って、出し方によっては人を傷つけてしまうこともあるじゃないですか。そこは気を付けています。
なるほど。ちなみに今のエンリケさんにとっての「目標」とは?
「会社を一部上場企業にする」かな?
失礼かもしれませんが、思った以上にスケールが大きかった!
皆から「無理」と言われているので大丈夫です(笑)。でも、そういう方が燃えるんですよね。失敗したとしても、それは「結果」として次につなげることができる。だからこそ頑張れる、ポジティブでいられるんです。
エンリケさんのポジティブさが眩しいです。どうしたらそんなふうになれる、いや、なるのは無理でも、近付けるのでしょうか?
まずは、本だったりYouTubeだったり何でもいいので、「尊敬できる女性」を見つけることが大事なんじゃないかな。
エンリケさんの尊敬する女性は?
たくさんいますよ〜! いろいろな女性の姿を見て、「私も頑張ろう」って、勇気をもらっています。私、女性が好きなんですよね。
今日は私も、エンリケさんという女性からたくさんの勇気をもらいました。ありがとうございました!
INFORMATION

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※この記事は2020年04月14日に公開されたものです

藤谷千明

1981年生まれ。自衛官、書店員、DTPデザイナーなどの職を節操なく転々として、フリーランスのライターに。∨系、YouTuber、恋愛リアリティ番組、ヤンキー系コンテンツなど趣味と実益を兼ねたサブカルチャーの領域での仕事が多い。

共著に「すべての道はV系へ通ず。」(シンコーミュージック)、「想像以上のマネーとパワーと愛と夢で幸福になる、拳突き上げて声高らかに叫べHiGH&LOWへの愛と情熱、そしてHIROさんの本気(マジ)を本気で考察する本」(サイゾー)など。

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