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よくあるケースは? 職場で嫌がらせを受けたときの対処法

鮫島唯(弁護士)

第三者に嫌がらせを相談する場合は?

上記のような、自分でできる嫌がらせの対処法をとっても、全くなくならないどころか、どんどん状況が悪化していくような場合には、会社や労働局、弁護士に相談しましょう。

まずは証拠集め

第三者に相談をするためには、まず、あなたが職場で嫌がらせを受けていることを証明できる証拠を集める必要があります。

証拠になるものとは?

証拠としては、暴言などの嫌がらせを受けている際の録音や動画、写真、メール等があればいいでしょう。

もしそういった客観的な証拠がない場合には、ご自身で書かれた日記(いつ、どこで、誰から、何を言われたか、目撃者の有無、その際どういった気持ちだったか等。継続的かつ詳細に記載してあるもののほうが強い証拠となります)や、家族や友人に嫌がらせを相談している際のメール、あなたが嫌がらせを受けていたことを知っている友人の証言といったようなものも該当します。

また、嫌がらせによって心身に支障をきたし、通院をした場合には、診断書や診療明細書等も保管しておきましょう。

証拠がそろったら相談

証拠がそろったら相談をします。パターンとしては以下の3つが考えられます。

1.職場に相談する
2.労働局または労働基準監督署に相談する
3.弁護士に相談する

1.職場に相談する場合

比較的軽度な嫌がらせであれば、職場の相談窓口や上司、人事課に相談をし、嫌がらせをしている人に指導をしてもらったり、部署異動などの配慮をしてもらったりすることによって解決する場合もあります。

2. 労働局または労働基準監督署に相談する場合

会社内には相談できるところがない、あるいは、相談したけれども取り合ってもらえなかった、というような場合には、職場がある地域の労働局または労働基準監督署に相談することもできます。

相談は無料で、あなたの状況に応じた具体的な助言をしてくれたり、加害者とのあっせん(和解の話し合い)の場を設けてくれたりします。

ただし、あっせんの場を設けたとしても、加害者があっせんの手続きに参加する義務はありません。加害者が参加しない場合には、実施せず打ち切りになります。そのため、問題を終局的に解決できないケースもあります。

3.弁護士に相談する場合

問題の終局的な解決をめざし、相手や会社を訴え、損害賠償請求をしたいというような場合には、弁護士に相談しましょう。

訴訟(裁判)となると、判決が出るまでに1〜2年程度かかることが多く、時間的・精神的な負担はありますが、弁護士が味方となって、全面的にバックアップされます。

集団訴訟の検討

また、被害者があなた以外にも複数いるような場合には、集団訴訟を検討するパターンも。被害者が複数となれば、その分証拠を多く提出できることとなり、自身の主張が裁判所に認められる可能性も高くなります。

相性もあることなので、信頼できる弁護士が見つかるまで、複数の弁護士に相談してみるのもよいでしょう。

大切なのは自分を責めすぎないこと

職場での嫌がらせにもいろいろありますが、大事なことは、自分を責めすぎないこと。ひとりで抱え込まず、誰かに相談をすることです。

戦うのが辛すぎるなら、退職をするというのもひとつの方法です。

とにかく無理をせず、ご自身が心穏やかに、笑顔で過ごせる選択を考えてみましょう。

(鮫島唯)

※画像はイメージです

※この記事は2020年03月04日に公開されたものです

鮫島唯(弁護士)

アディーレ法律事務所(東京弁護士会所属)。

家事全般を担当、ドメイン長を務める。具体的には、男女トラブル、不貞慰謝、不倫、離婚、親権、猥褻、ストーカー、セクハラ、パワハラなどの分野を主に担当。ほかに交通事故(被害者側)、債務整理、家事事件等の実務実績があり、面談実績総数は450件を超える。

ワーキングマザーであり、一児の母。実際に「ワーママ」になり、働きながらの育児の大変さを実感として抱きながら、育児と仕事どちらも全力投球で取り組む。現在、テレビ静岡『ただいま!テレビ』にコメンテータとして出演中、他メディア出演多数。

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