お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

ラグビー日本代表・丸の内パレードで号泣した話 #ラグビーにわか女子入門

【連載】ラグビーにわか女子入門

いくえちゃん

2020年1月からいよいよジャパンラグビーのトップリーグ開幕。この連載では、ラグビー大好きライターいくえちゃんが、にわかでもラグビー観戦を楽しむためのポイントを教えます!

2019年12月11日、丸の内でラグビー日本ナショナルチームが丸の内仲通りをパレードした。

31人の選手たちが、5つのグループに分かれ、徒歩で通りを歩いた。日本中からたくさんの人が集まり、丸の内は大いに盛り上がった。

連載「ラグビーにわか女子入門」第1回は、ラグビーの基礎ルールについて解説しようと思っていた。けれども、先日行われたばかりのパレードがとてもスルーできないほどに感激してしまったので、まずはパレードにまつわるアレコレからお話させてください。

なぜ行かなかった? 自分を責める

思えば私は、昔から、あまりジャニーズ事務所のメンバーには興味を示さなかった。なぜなら、みんなジャニーズが大好きだからだ。しかし、今回はこの、ひねくれ体質が裏目に出た。

パレード数日前から私のもとには、前に執筆したラグビー偏愛コラムを読んだ友人から「11日、丸の内行く?」というLINEが入ってきていた。それに対して私は「行かない」と返した。

ちなみに、パレードが終わった今日でさえも、「パレード行った?」ってLINEが入ってくる。「行ってない」と返すと、なぜか「あ、ごめん」と返事がきたりする。

たしかに、行かなかった自分を、今は人生で一番くらいに責めている。なんで行かなかったのか。

でも、これが恋する乙女心というものではないか。行けば、みんなに取られた気がしそうだった。現実で会えば、距離が遠くなりそう。複雑だ。

結局、YouTubeで

12月11日は、できるだけパレードのことは考えないように仕事をしていた。

なのに、お昼どき、会社でとあるおじさまの席の近くを通ったら、パレードのライブ中継をインターネットで観ているではないか。もう釘付けだ。一歩も動けず。

無言で見入っていたら、おじさまはパソコンにつけていたイヤホンを外してくれた。もう、最後までおじさまと一緒に観ようと思った。

なのに、おじさまはいきなりブラウザを違うページに変えてしまったのだ。びっくりしていると、「じゃ、今日はこの辺で」と。「どういうことですか?」と声を荒げてしまった。

もう我慢ができず、自席にもどって、YouTubeでパレードの動画を探した。

私もワンチームのメンバー

結局会社のモニターで、しかも弁当を食べながら、観ることとなった。音はもちろん、イヤホン。危うく、黄色い声援を送りそうになる。

キャプテン・リーチのあいさつが心にささる。あんなやさしい目、するんだね。やー、緊張してる。一気にラブが盛り上がる。カメラ越しだけど、私と目が合った! なんか、私に語りかけている(気がする)。

彼らが歩きはじめると、黄色い声援が飛ぶ。みんなガタイがいいから、スーツが似合う。ときどき選手同士が話している声が聞こえてきて、とてもなごやか。そう思えば、私もワンチーム(※)のメンバー。

※「ワンチーム」とは……ラグビー日本代表のスローガン。その言葉通りチーム一丸となり、史上初のベスト8進出を達成した

それにしてもふみふみはパレードの主役も持っていく

リーチの最初の挨拶のあと。すでに“ふみふみ”こと田中史明は号泣していた。そう、最近、スケート選手・織田信成以上に、泣きキャラが板についてきた田中史郎だ。

そんなふみふみをスマホで写真に撮ったりしているメンバーがまた、あたたかい。ウルウル。「もうやめて」って言うふみふみの声をマイクが拾っていて、笑ってしまう。

歩いている間も、ずっとお辞儀をしていて、手をふることもしない。大きな選手たちに囲まれ、パレードというよりお詫び行脚だ。

そんなふみふみを見てたら、こっちももらい泣き。ラグビーが本当に好きなんだろうな。

黄色い声に混じって

女子ファンの黄色い声に混じって、男子の声も聞こえる。丸の内だからか、ラグビーだからか。「トップリーグいきまーす!」なんて声も。断末魔的「ありがとう!」もなかなかよい。

「イヤボイ」(※)で人気の中島イシレリも、特別出血大サービスで、イヤボイを連発。沿道の人たちとイヤボイを一緒に叫んでいる。イヤボイ!

※「イヤボイ」とは……ラグビー日本代表・中島イシレリ発の謎語。選手たちの間で密かに流行中

“ガッキー”こと稲垣啓太は、ほかの選手のように手をふることはせず、呼びかけにむかって片腕を上げてあいさつしている。 手を振る行為は、自分をアピールすることにつながるらしいが、あくまで自分をアピールすることはしないガッキー。男前だ。

それにしても稲垣って案外声が低いのね。最後の写真撮影では、徳永祥尭が稲垣にちょっかいを出している。それをまったく意に介しない稲垣って、稲垣らしいね。

インタビューに答えている選手のうしろでは、ほかの選手が顔を出す。まるで中学生だ。“ぐーくん”こと具智元のインタビュー中に、ぐーくんをつっつく松島幸太朗ってこどもっぽいところがあるのね。うふふ。

なんなんだろう、この雰囲気は。素敵すぎて、また泣けてくる。こんなあたたかな思いは久しぶりだ。なぜ、わたしは丸の内に行かなかったのだろう。

申し訳ありません、田村は別格でした

テレビのバラエティでは見かけることが少なかった、日本の司令塔で、キッカーでもある田村優だが、ここにきて雑誌のインタビュー記事が続々と世に出ている。しかも、腰がくだけるくらいにかっこいい。私はもう、骨抜きにされている。

サッカー選手でも似たようなシチュエーションがあるけれど、男子はやっぱりタキシード姿がセクシーだ。これは女子の本能だろうか。雑誌を見ながら、そんなシチュエーションの田村にうっとりしている自分が恥ずかしくて、赤面してしまう。いやーっ。

というわけで、パレードの田村さんもかっこよかったです。立ち姿、話す姿、田中ふみふみをいじる姿さえも、セクシーです。ときどきスマホを見ている様子が気になったり。なんか、生まれ持ったモテキャラかもしれない。

4年後もパレードが見られますように

こうして切なくも楽しい、YouTubeランチは終わりました。

気がつけば、周囲に迷惑をかけないようにイヤホンをつけていたはずなのに、自分が声を出していた。イヤホンをつけて、ニヤニヤしながら、ひとりでブツブツ言う女。

電車で出会ったら、遠くに逃げなければいけない、あれだ。その上、このとき私は、涙も流していた。そうとうやばいやつだ。

私はやっぱり、ラグビーが大好きだ。日本中がラグビーファンだらけになろうとも、大好きだ。ルールもめちゃくちゃ複雑で、わかりにくいけれど、前に進むことに一途で、仲間を大切にするなんて、単純にかっこいい。

4年後もまた、パレードが見られるように。これからも一生懸命に恋をしようと思う。きゃー!!

(文:いくえちゃん、イラスト:mame)

>第2回は「今からでも追いつけるラグビーの基礎ルール」1月公開予定!

※この記事は2019年12月28日に公開されたものです

いくえちゃん

ラグビーとサッカーが大好き。自分はイタリア人だと思っている。並外れたコミュニケーション力と積極性が魅力であり、欠点。

この著者の記事一覧 

SHARE