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原因は何? 仕事の気分が上がらない時の対処法

大塚統子(心理カウンセラー)

Kaoru Sawa

仕事へのモチベーションが低くなっていたり、「最近気分が上がらないな」と感じたりすることはないでしょうか。気分が上がらない原因を、自分なりに考えてみてもかえって鬱々としてしまうもの。また、原因がわかっても、どのように気分を変えたらいいのか悩んでしまいますよね。そこで今回は、心理カウンセラーの大塚統子さんに、気分が上がらない原因と、そんな時の対処法について教えてもらいます。

気分が上がらない原因とは

気分が沈んでしまうのはただの気まぐれではなく、明確な理由があります。その原因となる状況や、気分が上がらなくなってしまう考え方をご紹介します。原因を知れば、それだけでもスッキリするのではないでしょうか。

気分が上がらないのはなぜ?

やらなければいけないことがいっぱいだから

「~しなければいけない」「~すべきだ」といったことがたくさんある場合、責任感が強い人ほど、仕事の負荷を重く感じるでしょう。それらを全部こなさなければならないことに、ウンザリしてしまいます。また、「本当はやりたくないことなのに、誰かにやらされている」と思うと、なおさらその仕事に抵抗を感じるもの。「もうこれ以上はがんばれない」と心が悲鳴を上げているので、モチベーションも気分もなかなか上がらないのです。

自己否定があるから

自分自身を「不十分だ」「ダメだ」と感じていると、ほかの人や、自分の頭の中にある“普通の人”像と比べて、同じ状態になろうとがんばります。ところが、このがんばりの結果で得られるのは「ダメな自分がバレなくてよかった」というその場だけの安堵感で、「私はよくがんばった」「何かを成しとげられた」となどといった達成感ではありません。自分がダメだと思っていると、どんなにがんばってもよい気分にはなれないので、意欲がわきにくく、気分が上がらなくなります。

完璧主義だから

完璧に仕事をしなければと思っていると「あれも完璧に、これも完璧に」とどんどんプレッシャーがかかります。ある程度のところまでは気力を保ってがんばれますが、「完璧にするのはもう無理」と思ったところで緊張の糸が切れてしまい、その仕事への情熱も失われてしまいます。完璧主義者の深層心理には「完璧にできないものはやりたくない」という気持ちがあるので、結果的に気分が上がらなくなってしまうでしょう。

「感じ方のクセ」・考え方のクセ」が気分にかかわる!?

気分というのは、「起きたできごとから何を感じるか」という「感じ方のクセ」と、「起きたできごとをどう理解するか」という「考え方のクセ」が関係しています。たとえば、同じ部屋にいる上司が咳払いをしたら、どう感じるでしょうか。「私何かミスしたかな?」と不安に思う人もいれば、「うるさいなぁ」とイラッとする人もいるでしょう。「風邪でも引いたのかな?」と心配する人もいるかもしれません。

不安に思う人は、ほかの人との関係でも「迷惑をかけていないだろうか」と気にしやすいでしょう。イラッとする人は、ほかのことにもイライラしやすいのではないでしょうか。上司を心配する人は、どちらかというと人を思いやる気持ちが強いのかもしれません。同じできごとでも、その人がそのできごとをどう理解するのか、そのことから何を感じるのかは人それぞれ。つまり、感じ方・考え方次第でものごとのとらえ方は異なります。気分は感じ方や考え方から影響を受けるので、このように「感じ方のクセ」・「考え方のクセ」が関係してくるのです。

気分が上がらない場合は、自分が苦しくなる考え方や自分が否定される気持ちで、いろいろなものごとを受けとめている可能性が高いでしょう。このような「考え方のクセ」・「感じ方のクセ」がついていると、自然と毎日気分が上がらない状態になってしまいます。

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