お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。
コラム 人間関係

「こんなので逃げるとどこでもやってけないよ?」暴言で人を支配する「呪いをはく女」

ぱぷりこ(恋愛コラムニスト)

オフィス内や仕事の取引で出会ってしまう「なんか苦手な女性」「好きになれない女性」、はっきり言っちゃえば「イヤな女」。彼女たちの「あるある言動」をもとに、なぜこうしたことをするのか、背景にある心理はなにか、ぱぷりこさんに分析・解体してもらいます。

「呪いをはく女」のあるある言動

「こんなことで辞めたがるようじゃ、どこにいってもやっていけないよ?」
「逃げ癖がつくと這い上がれないよ」
「どういう教育を受けてきたの?」
「あなたみたいに学歴だけあって全然使えない子、増えてきて困るわ」
「前の部署では、若いからって甘えさせてもらったかもしれないけど、ここじゃ通用しないから」
「言いたくないけど、そういうひらひらした服、頭悪く見えるよ? ただでさえ仕事のクオリティ低いんだから、身なりぐらいきちんとしたら?」

「呪いをはく女」とは、部下や周囲にたいして、呪いのようなネガティブな言葉を投げつける女です。別名は「モラハラ女」。彼女たちは長年同じ会社に勤めている古株社員で、マネージメントポジションについています。呪い対象者は、部下やアルバイトなど、職務上自分の指揮系統にあって逆らえない人です。

呪いをはく女は、学歴、年齢、社歴、転職前の会社の規模、資格、外見、服装など、目につくあらゆるものを使って罵倒します。社歴が長ければ「社歴だけ長くてもね」、社歴が浅ければ「これくらいの仕事できないと存在価値ないよ」、どちらにも使える万能呪詛は「どういう教育を受けてきたの?」。高かろうが低かろうがなんだろうが、全方位で攻撃できる“呪詛ボッキャブラリー”を持っています。

若い女性は、外見と服装も攻撃対象になります。若いというだけで「若いからってかわいがられると思ってる」「甘えてる」と決めつけ、女子らしい服を着ていたら「ひらひらした服で頭悪く見える」と決めつける。さらに「まわりのみんな、悪く言ってるよ?」「お客さんから信用を得られないよ?」と、「自分以外の全員がお前のことを悪く思っている」という話し方をして、相手の精神をゴリゴリと削っていきます。

彼女たちの呪いは、伝統的な「洗脳」方法に基づいています。まず、圧倒的な暴言で、相手の出鼻をバッキリとくじきます。ピースフル・ジャパンに住む人々は基本的に「他人をいきなり攻撃してくる人はいない」という前提で社会生活を営んでおり、武装しておらず無防備です。この「信頼による無防備」を洗脳では利用します。無防備状態の相手に思いっきり攻撃をたたきつけることで混乱させ、正常な判断力を失わせます。そして、攻撃された側に「自分が悪いのかも?」と思わせることに全力を注ぎます。

もちろん、冷静に考えれば攻撃された側に非はなく、いきなり攻撃をしてくる人間のほうが圧倒的にやばいです。ですが、攻撃されることに慣れていない人は「普通、人は非がある他人を攻撃しない」「攻撃されるということは、自分に非があるのかも?」と考えてしまいます。この時点ではまだ洗脳初期段階なので、冷静になる時間があれば「やっぱり攻撃してきた側がおかしいよね」と気づけるのですが、彼女たちはそのことを知っているため、間髪入れずに攻撃をしかけて、考える隙を作らせません。反論や拒否に対しては、徹底的にたたきのめしてつぶし、「あなたが悪い」と強い口調で断定します。人は根拠があろうがなかろうが断定を信じる生き物ですから、無防備なときに理不尽な攻撃された人は、ぜんぜん悪くないにもかかわらず「自分が悪い」と信じ込んでしまいます。

見事「自分が悪い」に書き換えられたら、洗脳の第2段階です。次は「無力化・無気力化」を目指します。彼女たちはこれまで意見などまるで聞かずすべてつぶしてきましたが、この段階ではあえて「あなたはどう考えてるの?」と「意見を聞ける公平な人」にジョブチェンジして意見を求めてきます。ですが、すでにやられた側は恐怖と疲弊のあまり、自分の意見を言えなくなっていますから、本音など言えません。

ここで呪いをはく女は「私は意見を聞ける心の広い人間なのに、あなたはなにも意見がない」「反論がないということは、私が正しいと認めたということ」と、「自分が悪く無能だと自ら認めた」とすり替えます。攻撃された側は、もうこの時点で冷静な判断はできませんから、「ツラいのは自分が悪いから」「意見を言えないのは相手が正しいから」と思い込んでしまいます。

さて、第3段階になると、呪いをはく女の「教育」の成果がみのり、相手は「都合のよいコマ」になっています。ムチャぶりをしても罵倒しても、反論してきませんし、都合よく使えるので、呪いをはく女はご機嫌です。

ときどき「成長したね」「最近がんばってるじゃん」と褒めるようになります。たまにエサを与えれば「褒められた!」「成長してる!」と継続してがんばるし、普段の暴言がチャラになることを知っているからです。だいたい「罵倒:褒め」の割合は「9:1」の割合で、相手が疲弊してくると、褒める割合が増えていきます。

しかし当然ですが、暴言と過酷な労働を続けていれば、人間は心身ともに病んでいきます。「私が悪いから、ちゃんとやらないと」とオーバーワークを繰り返した結果「もう無理だ」とプッツンするなどしたり、周囲の人が「まじでやばいからすぐ辞めろ」と言ってくる「終わりのとき」はやってきます。

最終段階になると、呪いの女は引き止めにかかります。都合のいいコマがいなくなると仕事がはかどらないし、また新人を「教育」し直すのは手間がかかるからです。引き止め方法はもちろん平常運転で鬼畜です。「こんなことで逃げるの? 根性なさすぎでは?」「逃げ癖がつくと、どこでもやっていけないよ?」と、あくまで「あなたが悪い」スタンスを崩さずに「逃げるな」と言ってきます。

ここで引き止められてしまうと、暴言地獄がおかわり倍増でやってきます。どうにか強い気持ちで休職したり転職したり会社を辞めたりできれば、ようやく日々の暴言からは逃げられますが、彼女たちは退社日になっても「どこにいっても通用しない」などと呪いをはくことに余念がありません。

ようやく呪いをはく女から物理的に離れられても、「普通の人はできるのに自分はできなかった」「どこでもやっていけないかもしれない」と、自信を失って挑戦が怖くなる人が後を絶ちません。身近にいなくなっても悪影響が残り続けるのは、まさに「呪い」です。

呪いをはく女は、なぜこんな言動をする?

なぜ呪いをはく女は、相手の自信を喪失させ、追いつめる言葉を投げつけるのでしょうか?

それは、彼女たちが常に怒りに満ちていて他人を信用しておらず、チーム運営を「メンバーを自分の思いどおりに動かすコマに仕立て上げ、支配すること」だと思っているから。そして、自分の呪いは「教育」であり、正しいものだと思っているから。

まず、彼女たちは大前提として、他人を信用していません。彼女たちにとって、他人は愚かで、放置しておけば自分のやり方を乱す厄介な存在です。よって、彼女たちは、「自分の言うことに歯向かわずに従う、意思を持たないコマ」として「教育」するために、呪いを使います。

また、ここまで他者に攻撃的になることについては、いくつか理由があります。

まず、呪いをはく女は、かつて呪いの被害者だったケースが多いです。呪いを受けまくっても生き延びることができてしまったため、「他人も自分と同じ環境に身をおくことで成長できる」「マネジメントとはリーダーが厳しく教育することだ」と、ツラい記憶を肯定的に改ざんしているケースがあります。

「成功体験」と記憶を改ざんしているため、同じことを他人にやっても良心は痛みません。だから彼女たちは自分たちのモラハラを「教育」だと思っているし、脱落者を「せっかく教育してあげたのに途中で脱落した落伍者」「もう成功できない」とみなしています。

「呪い」を「教育」とキラキラ改ざんする一方で、彼女たちは、攻撃を受けて傷ついたころの怒りや恨みもちゃんと抱えています。ですが、過去に自分を「教育」してくれた人に復讐はできません。そのため、過去の自分と同じ立場にいる人間に怒りをぶつけて八つ当たりしています。「同じように教育してやる」「私はひどく傷つけられたのだから、ほかの人間も同じ目にあえばいい」という巻き込み心情です。

なお、本当に人の痛みがわからない「良心を持たない人」もいます。この場合は、呪いの被害者でなくても、本気で「他人は自分のコマ」と考えているので、一番やばいタイプです。

呪いをはく女=他者をコマ扱いしかできない、人間不信と怒りに満ちた女

呪いをはく女は自尊心を破壊して支配する手法をとるため、ターゲットにされた人は自尊心をゴリゴリに削られ、意思決定力を奪われ、無力化されます。彼女たちの呪いは力強く、離れてもしばらくは自己評価が下がりまくったままです。時間をかけて回復できる人もいますが、中には完全に折れてしまう人もいます。まさに「人生を破壊する」といっても過言ではありません。

呪いをはく女が社内や部署内にいたら、どうすればいいのでしょうか?

やるべきことは2つ。「呪いが届かないところまで逃げる」「呪いを解除して自尊心を取り戻す」。

最初にやるべきは、すべてを差し置いても「物理遮断」です。異動する、休職する、辞める、転職する、異世界転生する、なんでもいいので呪いをぶん投げられないところまで全力退避すべきです。早ければ早いほどいいです。呪いは蓄積し、段階が進めば進むほど、回復に時間がかかるからです。第2段階になれば回復期間は2~3倍、最終段階まできてしまうと、回復に5倍以上の時間がかかる場合があり、10年経っても回復しないこともままあります。

ですが、呪いをはかれた人の多くは「まだがんばれる」「転職先が決まってからにする(でも激務だから動けない)」と、いろいろな理由をつけて、物理遮断を先延ばしにしがちです。特に決断が苦手な人、粘り強く真面目な人ほど、逃走が遅れます。理由は、「自分が悪い」「呪いをはく女は正しい」と思い、自分の判断を軽視しているから。また、適度に褒められることがうれしくて「もっと成長できる」という期待があるから。そして、「現状を変える」という、とてつもなくエネルギーがいることに挑戦できるほどの余力がないから。

よって、多くの人は、倒れるギリギリのところまで踏ん張ってしまいます。ですが現状維持こそ、呪いをはく女が願っているところです。洗脳されている人の考えることは、だいたいまちがっています。なので、「自分は洗脳されている」と割り切って、ごちゃごちゃ考えずとりあえず物理遮断。あるいは、自分で決断できないなら、自分を心配してくれる人に協力してもらって強制的に物理遮断。とにかく物理遮断。物理最強です。

物理遮断をすれば、まともに思考が働くようになっていきます。ですが、同時にダメージの痛みや怒りも思い出すようになります。ネガティブな感情にまみれる自分にさらに自己肯定感を下げがちですが、痛みや怒りはまともな生体反応であり、洗脳が弱まってきたポジティブな証です。怒りが止まらないなら、筆圧のままにノートや非公開ブログに書きなぐり、カウンセリングを受けるなどして、自分のネガティブな感情を出し切り、認めることが大事です。

そして「自分は悪い」という呪いを解毒していきます。呪いをはく女は、人間不信と怒りに満ちていて、攻撃してきた迷惑極まりない存在です。「自分は悪くない、呪いをはくほうが悪い」と、思考を切り替えていきます。これには、ノートや非公開ブログ、プロの助け、家族や友人や恋人の助けが必要です。不当に削られた自尊心は、他者の協力を得て、ゆっくりと回復していきましょう。

最後に、やってはいけないことをお伝えします。「呪いをはく女と話し合うこと」です。上述したとおり、彼女たちは洗脳の手法を用いてきます。洗脳経験、あるいは撃退方法を知っている人間でない限り、丸め込まれます。彼女たちに「話せばわかる」などということを期待してはいけません。「話せばわかる」が通用するのは、他者の言葉に耳を傾ける能力がある人間だけです。いきなり他者の自尊心をへし折りにくる人間不信の人が、話を聞く耳など持っているわけがありません。理解し合えない人間、試みても無駄な人間はいます。「呪いをはく女」はその筆頭格です。

まとめ:「イヤな女」も誰かにとっては大切な人。でも本気でやばいのもいる

以上、これまでいろいろな「イヤな女」を見てきました。人類は奥深い生き物で、じつにさまざまな人がいます。誰もが善良なところと悪徳なところを持ち合わせており、その配分と種類が異なるだけです。ある人にとっては「恩人」が、別の人にとっては「悪人」であるのもよくあること。「イヤな女」たちも、誰かにとっては大事な家族や恋人や友人です。

ですが、まれに「呪いをはく女」のように、関わる人の精神と人生が焦土になるゲキヤバ人種もいます。このレベルの女はめったに遭遇しないため、多くの人が事前知識や対処法を知らず、いいように傷つけられ利用されてダメージを受けます。ゲキヤバ人間から自分や大事な人を守るには、事前知識が有効です。なにかしらの知識があれば、対処法を調べたり、誰かに相談したりしやすくなるからです。本連載が、事前知識のひとつになれば幸いです。

(文:ぱぷりこ、イラスト:黒猫まな子)

お役立ち情報[PR]