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結婚が持つ光と闇。35%が離婚する時代でも、あなたは結婚したいですか?

トイアンナ

こんにちは、トイアンナです。私は一度結婚して、離婚しました。離婚といっても円満離婚で、今でも夫とはたまに連絡を取ります。それもあるからでしょうか、今振り返っても結婚そのものに嫌な思い出はありません。

という前段を踏まえてなお「あなたも結婚しなよ!」とは恋愛コラムで言えません。私の結婚はあくまでサンプルのひとつ。偶然楽しい結婚生活を送れただけで、次の結婚がそうなるとは限りません。ましてや、人様の結婚がどうなるかなんて未知数。それを示すかのように、昨今の離婚率は35%まで上昇しています。

結婚が幸せという幻想は、先に捨てよう

そもそも「結婚が幸せ」というのは、とんでもない幻想です。

たとえば「一緒にいて居心地がいい人とダラダラしている」のは幸せだし、「予算を気にせずふんだんにお金が使える」ことは幸せでしょう。一般的にはこれら2点が女性から見た「結婚の幸せ」とみなされています。

しかし、これらは結婚とワンパッケージでついてくるものじゃありません。居心地がいいと思っていた男が外では浮気しているかもしれませんし、金持ちと結婚したのにまったくお金を使わせてくれないことはよくあります。私にとって、夫婦というのは、結婚してから「実はこういう相手だった」とわかっても、いきなり別れずに「さあ話し合おう」と腰を据える覚悟だと考えています。

もちろん、隠れてサラ金、どうしようもない浮気、そしてDVなど「一発アウト」な事項もあります。しかし、子どもが病弱で片親はキャリアを諦めなくてはいけないとか、やってくれると言った家事を全然やってくれないといったレベルのことは、話し合わねばなりません。SNSではひざまずいてのプロポーズに華やかな結婚式がキラキラ輝きますが、現実は話し合いの連続。結婚イコール幸せというのは幻想でしかありません。

多様化する結婚のかたちが、私たちを自由にする

そして「だったら結婚しなくてもいいじゃん」という考え、私はアリだと思います。ただ、従来の結婚だけを当てはめて考えるのはもったいない。一般的な「結婚」でメリットを感じられない方が増えたからこそ、結婚のかたちも多様化しています。それを無視して「やっぱり独身が最強、結婚はコスパ悪い」と決めるのはちょっと待ってください。

はあちゅうさんが最近、事実婚を選んで話題となりました。事実婚とは「婚姻届を出さず結婚する」ことを指しています。日本の法律では同居、双方の意志などの条件を満たせば「内縁の妻・夫」として扱われます。

かつて「内縁」といえば愛人関係もさしていて響きにネガティブなトーンがあるためか、「ポジティブな理由で婚姻届を出さない結婚」には事実婚という言葉が使われるようになりました。事実婚であれば苗字を変えずに仕事を継続できるため、子どもがいらない夫婦には大きなメリットがあります。

また、私自身は新婚のときから「別居婚」をしていました。元夫も私もひとりでいるのが好きで、週末だけ会ってデートする関係にメリットを感じていたからです。家事もお互いの家で勝手にしていますから、家の中のことでもめた経験は皆無。離婚話をしていたのは皮肉にも同居していた時期で、別居婚とは無関係でした。

それでも結婚したい、現実的な理由

そして、ここまで書いておいてなんですが、今の私自身は同居かつ婚姻届けを出す一般的な結婚がしたいです。別居婚は楽しかった反面、家賃が2倍かかるという当たり前のデメリットに負けただけです。そして事実婚を選ばないのは、相続にデメリットがあるから。

事実婚では、死んでも相手へ財産を渡せません。「遺言を書けばいいじゃん」と思ったあなた。日本の法律は怖いんです。遺留分といって、遺言よりも親族の関係が相続では優先されます。ですから私の場合、このまま死ねば親兄弟へ財産が行くことになります。

愛する人へ資産を残したいと思うなら、婚姻届けを出しましょう。それが法律婚最大のメリットです。現実的すぎて愛がない? だって、愛することは結婚以外でできますもの。「ありがとう、好きだよ」を毎日伝えることだって、病気のパートナーに付き添うことだって、プレゼントをあげることだって恋人で十分できます。親や友だちに正式な伴侶として紹介することだって、婚姻届なしにできます。

結婚は愛よりも現実的な選択肢なのです。財産、介護、親権。どれも愛を語るには重すぎるテーマではありませんか。だけどその重さを一緒に背負ってくれる人がいるならば、それを愛のひとつと呼んでもいいでしょう。私は相手が背負う負荷を一緒にかつぎたいし、彼にも私を支えてほしいと思います。

今の彼とは「愛してるよ~」「だいちゅき♪」なんて会話は控えめです。それよりも「親御さんとの会食どうする?」「この家事週末に後回しでいい?」なんて日常的な会話が多く出てきます。でもそれでいいんです。結婚って、現実の連続ですから。結婚相手に恋をしてもかまいません。でもそれと結婚を混同しなくていい。愛と結婚は別ものです。それを踏まえて「現実の連続としての結婚」は、いかがですか。

(文:トイアンナ、構成:マイナビウーマン編集部)

※画像はイメージです

※この記事は2018年09月03日に公開されたものです

トイアンナ (コラムニスト)

慶應義塾大卒。P&Gジャパン、LVMHグループで合わせて約4年間マーケティングを担当。その後は独立し、主にキャリアや恋愛に関するライターや、マーケターとして活動。著書に『就職活動が面白いほどうまくいく 確実内定』や『モテたいわけではないのだが ガツガツしない男子のための恋愛入門』などがある。

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●公式サイト
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