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恋とは何? 心理学・映画・文豪が語る恋の定義を解説

織田隼人(心理コーディネーター)

専門家が定義する「恋」とは?

恋をした男女に見られる変化はいかがでしたか? 「そうそう!」と共感を覚えた人も多いことでしょう。

「恋とは何か」というテーマをさらに追求していくため、心理コーディネーターの織田隼人さんに「恋の定義」を聞きました。

恋はひとつの要素ではなく、複数の要素が組み合わさって生まれます。例えば、寂しさを感じるのも恋の要素ですし、好きな人の取り合いをしてゲーム的にヒートアップをするのも恋、「愛している」という強い感情を持つのも恋。

また、何となく穏やかに「好き」だと感じるのも恋なのです。さらに「この人を助けてあげたい」「守りたい」と思うのも恋のひとつ。

人によってこれらの感情の組み合わせは違いますが、いくつかが組み合わさり、さらに「相手を付き合う対象として見ている」という状況こそが、私が考える「恋の定義」です。

映画や文豪の言葉から見る恋の定義

「恋とは何か」。この解釈は人によって異なり、映画や文豪が書き遺した本などでもさまざまな意見が述べられています。

映画『舟を編む』における恋の定義

この映画は、新しい辞書『大海渡(だいとかい)』の編纂(へんさん)に取り組む編集部員たちの奮闘記。

松田龍平さん演じる主人公の馬締(まじめ)が、宮崎あおいさん演じる香具矢(かぐや)へ恋に落ちた時、「恋」という言葉の語釈を以下のように執筆しました。

❝恋【恋】

ある人を好きになってしまい、寝ても覚めてもその人が頭から離れず、他のことが手につかなくなり、身悶えしたくなるような心の状態。

成就すれば、天にものぼる気持ちになる。❞

(映画『舟を編む』より引用)

この語釈を見ると、恋とは一方的に「好き」だと思う状態、つまり片思いに似ている印象を受けますね。

思いが通じ合うか分からないからこそ、成就した時に天にものぼるような喜びを感じられるのかもしれません。

文豪・夏目漱石の『こころ』における恋の定義

文豪・夏目漱石の代表作『こゝろ(こころ)』は、1914年に朝日新聞で連載を開始。同年岩波書店より刊行された長編小説です。

この中で、先生と呼ばれる人が言ったセリフに「❝とにかく恋は罪悪ですよ、よござんすか。そうして神聖なものですよ❞」というものがあります。

捉え方はさまざまですが、この「罪悪」という言葉の背景には、三角関係にあった親友を恋という感情で裏切ってしまった先生の後ろめたさや後悔があるのではといわれています。

恋という感情は、自分でコントロールすることができません。時には憎しみや苦しみなど、決してきれいではない感情を生むこともあります。完璧に美しいものではないからこそ、神聖だと言えるのかもしれませんね。

恋にまつわる名言

恋にまつわる名言からも「恋」が何かわかるかもしれません。いくつか紹介します。

「賭けなきゃ。自分を投げ出さなきゃ、恋愛なんて始まらないじゃない」by岡本敏子

芸術家・岡本太郎のパートナーであった岡本敏子の残した言葉です。

相手へ思いを伝えることに不安を感じる人は多いでしょう。もし振られてしまったら……と思うとしり込みしてしまう人も。

しかし、その不安を乗り越えなければ、好きな人と恋人関係にはなれません。恋愛において全てを投げ出す気持ちがなければ何もつかめないのかもしれませんね。

「恋に落ちた女性は理性的でいられなくなる。そうじゃなきゃ、たぶん恋に落ちてないでしょう」byメイ・ウエスト

1930年代にアメリカで活躍した女優、メイ・ウエストの言葉です。

恋をすると自分自身をうまくコントロールできずに戸惑うこともあるかもしれません。しかし、自分を抑えられなくなるほど相手に真剣な気持ちで恋しているということ

恋はあなた自身も知らない新たな一面に出会えるものなのです。

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