アトピーのかゆみの原因とは? 専門医が教えるかゆみ対策8つ
専門医が教える! アトピーのかゆみを抑える対策
かゆくてかゆくて我慢できないときは、どんな対処が有効なの? 最後にアトピーのかゆみを抑える対策について、解説をしてもらいました。
アトピーに有効なかゆみ止めの薬とは?
飲み薬に関しては、抗ヒスタミン剤を使用します。「ヒスタミン」と呼ばれるかゆみを引き起こす体内物質を抑えるお薬で、これがメインの処方ですね。まれに重症な方は、免疫抑制剤やステロイドの内服を処方することもあります。
一方、塗り薬は保湿剤のほか、症状に応じてステロイドや、免疫抑制剤のタクロリムス軟膏という塗り薬もあります。ステロイドも部位や症状の強さによって使い分けますし、使用期間もさまざま。なかには「ステロイドは怖くてダメ」という思い込みを持つ方もいらっしゃいますが、治療の選択肢を狭める元になってしまうので、きちんと皮膚科医の指導のもと、正しい理解とこまめなチェックを受けましょう。自己判断で市販薬に頼ってしまうこともトラブルの元です。
薬以外でアトピーのかゆみを抑える方法
(1)肌に刺激のある衣類を避ける
ゴワゴワとした繊維のセーターなど、刺激のある衣類を避けましょう。ブラジャーもレース素材ではなく、つるんとした凹凸の少ない素材がベスト。ネックレスなどの装飾品も避けたほうが無難です。
(2)髪をすっきりまとめる
アトピーの人は髪の毛の刺激も大敵。なるべく束ねて、顔や首にかからないようにしましょう。
(3)体をゴシゴシ洗いすぎない
ナイロンタオルによるこすり洗いは、お肌のバリア機能を低下させて乾燥を助長します。石けんも毎日使わなくてOK。“洗いすぎないこと”が大切です。
(4)保湿をする
きちんと保湿をすることで皮膚のバリア機能を補うことができ、かゆみを感じにくくなります。症状がよくなると軽視しがちですが、アトピーの方はつねに保湿を心がけましょう。症状の軽い場合は、市販の敏感肌用の保湿剤や、ワセリンでもOK。ただし、必ずパッチテストを行ってください。心配な方は皮膚科のものが安心です。顔も体も含め保湿剤を処方してくれますし、普段用に使えるのでオススメです。
(5)肌を冷やす
夜中にかゆみで眠れない場合は、保冷剤や氷をビニール袋に入れて肌を冷やすと効果的です。ただし、冷えピタシートなどを直接肌に貼るのは刺激になるのでNG。お風呂の最後に冷たいシャワーを浴びるのも手です。
(6)虫刺されに気をつける
虫刺されがきっかけで、かいていくうちにその周辺まで悪化することがあります。もともと乾燥した肌なので、皮膚炎が起きやすい状態。夏場は虫刺されに十分気をつけて、かゆみを助長しないようにしましょう。
(7)清潔な住環境を保つ
絨毯はチリや埃が舞いやすいため、なるべくフローリングの家に住むのがポイント。大掃除で悪化する人もいるため、普段から掃除をして、清潔な環境を保ちましょう。寝具も丸洗いできるものがオススメです。
(8)ストレスを溜めない
ストレスはアトピーの大敵。趣味に集中したり、リフレッシュしたりする時間を作りましょう。スポーツが好きな人は汗が刺激になるからと我慢するのではなく、運動後にシャワーで汗を流して冷やすなど、自分の肌と向き合って対処法を工夫していくほうが得策です。