見栄を張る人の心理とは? 特徴と直し方も解説
男女関係なく、つい見栄を張ってしまう人はいるでしょう。見栄を張るのをやめたいけどやめられない……と悩んでいる人もいるかもしれません。本記事では、心理カウンセラーの笹氣健治さんが、見栄っ張りな人の特徴や心理、直し方を解説します。
誰もがつい見栄を張ってしまうときがありますよね。一般に、見栄を張ることは悪いことのように思われがちですが、実は、私たちは見栄を張ることによって無意識のうちに自分の身を守っているのであり、私たちにとって必要な行為だと考えることもできます。
だから、見栄を張ることは必ずしも悪いことではないのですが、現実には、見栄を張ることでいろいろとつらい思いをするのも事実です。
もしあなたが、つい見栄を張ってしまう自分に疲れているとしたら、ぜひこのコラムを読んで楽になるヒントをつかんでください。
「見栄を張る」「見栄っ張り」の意味とは
「見栄を張る」とは、自分をよく見せようとして外見を飾る態度のことですが、私たちは誰もが多かれ少なかれついつい見栄を張ってしまうときがあります。
給料日前で金欠なのに、ホテルのレストランでのランチのお誘いを断れなかった。後輩や年下の同僚と食事に行くと必ずおごってしまう(もしくは、少し多めに出す)。海外旅行で一緒に行った友人とお揃いのブランドバッグをつい買ってしまった……。
こういった行為の際、「仕方ない」「今回は特別だから」といったように自分自身を納得させるように言い聞かせながらどこか無理してやっているとしたら、それは「見栄を張っている」といえます。
ちなみに、「私はブランド物をたくさん持っている」「頻繁に海外旅行に行っている」などと周囲にアピールする人がいますが、その人が本当にお金持ちであれば、それは単なる自慢話です。
もしその人が、実際にはお金がないにも関わらず無理して買い物や旅行をしているのであれば、見栄を張っているということになります。
このように、自分をよく見せようとして背伸びをしたり、無理をしたり、やせ我慢をしたりしてまで見栄を張ってしまうのは、自分についてマイナス評価をされないためです。
それが「見栄を張る」ことの根本的な原因なのですが、では、なぜこのように他人の目を意識してついつい無理をしてしまうのでしょうか? そして、いったいどうすればついつい見栄を張ってしまうことがなくなるでしょうか? それについて、これから解説していきたいと思います。
見栄を張る人の特徴
まずは、見栄っ張りな人の特徴を見ていきましょう。私が見聞きしてきたことから、主な事例を6つ挙げたいと思います。
(1)金欠なのに高額の食事の誘いを断れない
給料日前でなるべく節約したいときでも、職場の同僚やちょっとした知り合いから少し高めのランチを誘われたら、仕方なく我慢して一緒に食べに行くという女性は多いのではないでしょうか?
そのとき頭の中では、「お金を持っていないと思われたくない」「ケチな人だと思われたくない」「付き合いが悪いと陰口を叩かれたくない」といったことを考えています。
まわりと同じ行動をしないと仲間外れにされてしまうのではないか、という恐れを抱いているのかもしれません。
(2)ハレの日の服装に気合いを入れる
成人式、結婚披露宴、子どもの入学式などの晴れやかな場面において、よりいい服を着ていこうとする気持ちは、男性にはなかなか理解しがたいものがあります。
せっかくの機会だから着飾っておしゃれをしたいという気持ちも当然あるとは思いますが、男性としては「何もそこまで気合いを入れなくても」と思ってしまうところも正直あります。
しかし、女性心理としては「まわりに比べて見劣りしたくない」「『センスが悪い、お金ないんじゃない?』などの陰口を叩かれたくない」といった考えも頭のどこかに浮かんでいるのかもしれません。
(3)美に対してお金と時間をかける
自分をよく見せようとして外見を飾る行為が見栄を張ることであれば、ばっちりメイクをしたり、エステやジムで自分のプロポーションを磨いたりするのもそのひとつだといえるでしょう。
もちろんそこには「キレイになりたい」という女心があると思いますが、一方で、「残念な人」だと思われたくないという強迫観念のようなものも見え隠れしているのではないでしょうか?
以上のように、女性が見栄を張るのは、「まわりに比べて見劣りしたくない」「まわりから陰口を叩かれたくない」からであり、「まわりと同じでありたい」「まわり以下にはなりたくない」といった意識が強く関係していると考えられます。
(4)後輩についおごってしまう
「先輩なんだから後輩の分まで支払うべきだ」というような考えを強く持っている人が少なからずいます。その裏では、背伸びをしたり無理をしながらお金をやりくりしたりしている人もいるでしょう。
このように見栄を張ってしまうのは、「頼りない先輩だと思われたくない」といったことを考えているからかもしれません。男性の場合だと、女性に対しておごるのもこういった心理ですね。
(5)できるかどうか自信がないのに「できます!」と言い切ってしまう
上司や取引先から仕事を依頼されたとき、心の中では「ちょっと難しいかな」「やった経験がないから大丈夫だろうか」と思いつつも、「できます!」とつい引き受けてしまう人がいます。
このように、自信がないにも関わらず安請け合いしてしまうのは、「無能な人だと思われたくない」という強迫観念があるのかもしれません。
「能力のないヤツ」「使えないヤツ」と思われるのを極端に恐れているのです。
(6)自分の収入に不相応な車や時計などを持っている
高価な時計や高級車などを、ほかの支出を切り詰めてまで購入する人がいます。それが趣味で強いこだわりがある場合は別として、他人に自慢できるような高級品を所有したいと思っての行為であれば、これも見栄を張っているといえます。
自分の収入レベルには不相応なものをついつい買いたくなるのは、「デキル人だと思われたい」「スゴイと言われたい」といった思いを心のどこかで持っているからだと思われます。
見栄っ張りな人は男女どちらが多い?
男女間では見栄を張るポイントに若干のちがいはありますが、男女とも、誰もが多少なりとも何かしらの見栄を張って生きているものです。
つまり、人によって見栄を張る頻度や程度のちがいがあるだけであって、男女どちらに見栄っ張りな人が多いかといった性別によるちがいはほとんどないと言っていいと思います。
なお、男女における見栄の張り方の傾向のちがいは、それぞれが生きている社会環境に起因して生じていると考えられます。
要するに、男性としてこうあるべき、女性としてこうあるべき、といった、社会にはびこる理想像が大きな影響を及ぼしているということです。
その理想像によって、女性は「まわりと同じでありたい」「まわり以下にはなりたくない」と考え、男性は「ダメなヤツだと思われたくない」「デキル男だと思われたい」と考えるようになっているのです。
あなたは見栄を張ってる? 「見栄っ張り度」を診断でチェックします。
▶次のページでは、見栄を張る人の心理と見栄っ張りになる原因について解説します。