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【マネーレッスン】貯金しすぎも問題!? 手取り月収でちょうどいい貯金額

やさしいマネーレッスン

ヨダヒロコ/六識

風呂内 亜矢

将来を考えるとき、お金の悩みはついてまわるもの。結婚・出産、転職など、ライフイベントによってマネープランの見直しは必須。だけど、何から手をつければいいのかわからない! そんな働く女子のお悩みを、FP風呂内亜矢先生に相談。知っておきたいお金のキホンや無理なく実践できるテクニックをマスターして。

今回のお悩み

今回の相談者:りんちーさん

「定期貯金額と毎月の必要なお金を合計すると、手取り月収を上回ってしまい、結局ボーナスを切り崩している状態です。そのため、結婚式のお祝いなど急な出費がある場合に、たまに貯蓄に手をつけてしまうことも……。もっとうまくお金を使える方法があれば教えてほしいです」

先取り貯蓄のせいで毎月の家計が赤字、それっていいの?

編集部 りんちーさんは毎月5万円の先取り貯蓄をしていますが、毎月の家計が赤字で、その分をボーナスで補填しているようです。定額貯蓄を確保するためにボーナスを切り崩すという家計は問題ないのでしょうか?

風呂内亜矢(以下、風呂内) まず、りんちーさんのように給与日に強制的に貯蓄分をよけるのは、お金を貯める方法として理想的なやり方です。むしろこれをしなければ、ボーナスで貯蓄の帳尻を合わせることになり、結果として貯蓄ができないという事態に陥りかねません。彼女は現状、しっかり貯蓄ができていますから、特に問題ないかと思います。

しかも親と同居ですし、ボーナスの額も年間14万円、つまり給与の一カ月分と、年収に対する比率も高くないため、“ボーナス頼り”になっている感じでもありません。なにかあっても生活にすぐ困ることはないので、そう心配することはないと思います。

逆に、ひとり暮らしで、なおかつボーナスを年間2カ月分以上もらっている場合は、“ボーナス頼り”になるのは危険です。ボーナスはあくまで“臨時収入”で、毎年当たり前にもらえるものではない、ということをキモに銘じておきましょう。

手取り月収でちょうどいい貯金の割合とは

編集部 りんちーさんは手取り月収が約14万円で、そのうち5万円を先取り貯蓄しているわけですが、この金額は妥当なのでしょうか?

風呂内 誰にでも当てはまる理想的な貯蓄の目安は手取り月収の20~25%です。りんちーさんは35%と理想をかなり上回っていますし、だからこそ毎月の家計が赤字になっているのですが、実家暮らしであることを考えれば、別に構わないかなというラインです。

仮にひとり暮らしをすれば、家賃は手取り月収の3割が目安で、貯蓄額の目安と合計すると、全体の53~58%となります。彼女は実家に毎月3万円を入れており、貯蓄額5万円との合計が8万円。割合としては約57%ですから、毎月5万円の貯蓄も決して多すぎるということはありません。

編集部 なるほど、そういう意味でも、貯蓄は現状キープでいいわけですね。

定期預金に預けかえる際の注意点

編集部 彼女は、一定額が貯まったら、金利のいい定期預金などに預け替えているようですが……。

風呂内 すばらしいと思います。ただ、ひとつ気になるのは、彼女が「どんな定期に預けているのか」。というのも、今は本当に定期預金の金利がよくないんです。定期預金の中でも「1週間」や「2週間」など満期までの期間が短く比較的金利の高い超短期の定期預金でも、金利は0.05%といったレベル。

逆に、私が知っている中では、流通系銀行の「普通預金」の金利が0.12%と魅力的なバランスだったりします。そういう意味では、定期にこだわらず普通預金にも目を向けてもいいかもしれません。ただし、その場合は普段使いしない口座として持っておくのが効果的でしょう。

また、りんちーさんは大丈夫だと思いますが、一般的に定期預金に預け替える際は、「下限の金額」と「引き出せない期間(満期)」を気にかけるようにしましょう。特に、満期を迎える前に引き出してしまうと、利息がつかなかったりと不利になることもありますから。

編集部 せっかくなら恩恵を受けないと意味がないですもんね。

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★りんちーさんプロフィール

情報・IT関連企業で事務系専門職の嘱託・契約社員として働く、社会人7年目の27歳。島根県在住で、親と同居し、毎月3万円を生活費として入れている。手取り月収約14万円、手取り年収約182万円。毎月5万円を給料日に別口座へ自動的に貯蓄しており、一定額が貯まったら、金利のいい定期預金などに預け替えている。

現在の自分名義の貯蓄額は、300万円以上~400万円未満で、30歳まえに500万円以上の貯蓄を目標にしている。保険は、親が加入してくれている生命保険のほか、義兄に勧められて医療保険にも入っている。ムダ遣いはしないタイプだが、気持ちを切り替えるためにオフィスで毎日飲んでいる缶コーヒーはやめられない。また、一年半前に歯列矯正を始めたため、今年はその返済に追われている。

(ヨダヒロコ/六識)

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